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抜け殻

もう顔を見るつもりはなかったが、見てしまった。

突然の辞意表明から12日。
ひとまわり老けたような覇気のない表情。
呂律が回らない。
用意した原稿を読むのにも何度もつかえていた。
かつて「カメラ目線」にこだわっていた男が、
今は人の目を見ることすらできない。
くたびれ、やつれ、衰弱しきった小さな男がそこにいた。

この12日間、首相は事実上不在だったことが、これではっきりした。
臨時代理を任命することを頑なに拒んだ。
しかし、あの病人がとても執務をできたとは思えない。
首相がいなくても、とりあえず日常の行政に支障がない国。
首相の不在が問題にならない国。
それはもしかすると、成熟した「くにのかたち」なのかもしれない。
彼は図らずも、首相の存在の「軽さ」を実証してしまった。

「美しい国」だの「再チャレンジ」だの、まるで新興宗教の教祖のような物言いをするこの男の顔を見るのが、ずっと苦痛だった。
「従軍慰安婦」の「狭義の強制はなかった」などと虚言を弄する彼の声を聴くのは、ただただ不快だった。
しかし、今日はもうその苦痛も不快感も消えていた。
同情や憐れみを感じたわけではない。
そこにいたのは、かつての彼の抜け殻で、もはや別人だったからだ。
「偉大な祖父」のようにならなければと、自己を追い込んでいた「憑きもの」が落ち、病気になってはじめて、彼の本当の姿が現れたような気がした。

自分の弱さ、情けなさを認めよう。
無理に強がっても、自分が壊れるだけだ。
今の彼の姿を見ていると、そんな言葉が出てくる。

「シンゾーさん、もうおじいさんの影におびえなくてもいいんだよ。」
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by mahounofuefuki | 2007-09-24 21:39

さようなら、アベ

昨日退陣を表明した安倍内閣。
1年あまりの短命政権であったが、この1年でこの内閣の残した傷跡はあまりにも深い。

安倍晋三は、もともと従来の政治力学では、とても首相になれる器ではなかった。
国会の当選回数、閣僚経験、政策実績いずれも浅く、健康不安も早くから囁かれていた。
それにもかかわらず、首相になれたのは、小泉政権時代のポピュリズム状況のためであった。
2002年の歴史的な日朝首脳会談と、それに続く「拉致ヒステリー」の喧噪のなかで、当時内閣官房副長官だったアベは対朝強硬姿勢を貫き、拉致問題を国交正常化交渉のなかで解決するという小泉首相の当初路線を転換させたことで、一躍マスメディアの寵児となった。
情報操作とイメージ戦術を重視する小泉はアベを重用し、自らの後継に据えるようになった。

小泉とメディアの力で政権の座に就いたアベを待っていたのは、「構造改革」による貧富や地域間格差の拡大による民衆の疲弊であった。前政権のいわば「尻拭い」をさせられたのである。
アベは「再チャレンジ」というコイズミ流のワンフレーズの掛け声で乗り切ろうとしたが、もはや日本社会はそんな中身のないスローガンに騙されるほど愚かではなかった。
小泉政権が先送りした所得税や住民税の定率減税の打ち切りで、庶民の負担増大は誰の目にも見えるようになった。もはや「再チャレンジ」どころではなかった。
しかし、アベは政策転換することなく、巨大企業の言いなりに、市場原理主義政策を続け、貧困と格差はさらに拡大し続けた。

一方、アベは彼本来のイデオロギーで、独自色を出そうとした。それが「教育再生」であった。
もともと自民党は日本国憲法とともに、民主的主権者の育成を目指す教育基本法を邪魔に考えており、憲法改悪の露払いとして、教基法の改悪を行った。
情報操作により、教職員を「公認の敵」に仕立て上げ、「教育再生会議」なる素人の井戸端会議に教育政策を丸投げし、子どもを権力に従順な奴隷にするため、国家による教育統制の強化を図った。
アベは歴史認識においても、保守派の歴史観そのままに、日本のアジア侵略の史実を歪め、ついには沖縄戦の「集団自決」強制の事実までも歴史教科書から消し去ろうとした。
これらのアベ「独自の政策」は、50年は修復できないほどの傷になった。

巨大企業とアメリカの利益を最優先する市場原理主義と、主権在民を否定する国家主義という2本柱で、強引な政治運営を続けたアベだが、内外の情勢はアベの足元を揺さぶった。

まず、アメリカのブッシュ政権が、対朝「封じ込め」政策を転換し、米朝2国間交渉に切り替えた。強硬姿勢1点張りのアベ外交は、国際社会のなかで孤立化しはじめた。アベの1枚看板である拉致問題は解決の見通しを失った。
日本国内では、相次ぐ閣僚の不祥事に見舞われた。柳沢厚労相や久間防衛相の失言とその後処理のまずさは、アベの未熟さを印象づけた。
そして、松岡農水相の自殺。現職閣僚の自殺という過去に例のない異常な事態は、それまでメディアに操作されてアベを支持してきた人々も、なんとなくアベ政権の「きな臭さ」を感じるようになった。
さらに追い打ちをかけるように、年金不安が再浮上した。かつて清新なイメージで売ったアベも日に日に憔悴ぶりが目立つようになった。

今年8月の参院選で、アベ自民党は大敗を喫したが、アベは民意を無視し、政権に居座り続けた。しかし、口先だけの政策転換を信じる者はもはや誰もいなかった。
身も心もボロボロになったアベはついに、政権から「逃げ出した」。

安倍内閣の施策で評価できるのは、中国との関係改善くらいで、あとは最悪のタカ派路線を突っ走り、大きな禍根を残した。
最後まで内閣支持率が、なかなか落ちなかったのも、アベに憲法改悪を期待する右翼勢力が支持し続けたからにほかならない。アベの最大の罪は、これら右翼勢力を陽のあたる場に引き出したことだろう。
しかし、もはやアベの再登場はあるまい。
あまりにも情けない引き際は、「美しさ」のかけらもなかった。「美しくない人」に「美しい国」を語る資格などない。今にも泣きだしそうな子どもみたいなアベの顔に、右翼も失望したのではないか。

もうあの顔を見なくてすむのは、とりあえず嬉しい。
さようなら、アベ
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by mahounofuefuki | 2007-09-13 12:36

最後の最後まで「坊や」だった

安倍晋三首相が突如辞意を表明した。
先の参院選で主権者の審判が下った以上、選挙後すみやかに内閣総辞職するべきだったのに、民意を無視して政権に居座り続けたあげく、国会を召集しておきながら、所信表明だけやって投げ出しとは、無責任極まりない。
憲政史上、類例のない暴挙であり、国会を軽視しているとしか思えない。
辞任の理由も、民主党の小沢一郎代表に会談を断られたから、と最後まで他人に責任転嫁するという傍若無人ぶりだ。自分の思い通りにならないから辞める、という姿勢は幼稚極まりなく、結局のところ、アベは最後の最後まで「坊や」であった

アベ失脚はもちろん嬉しい。
ただ、アベを突然の辞任に追い込んだ本当の引き金は何なのかを考えると、喜んでばかりもいられない。わずか2日前には国会で、あくまでも政権を継続することを強弁していたのが、なぜ突然辞めることになったのか。
アベは辞意表明の記者会見で、しきりに自衛隊によるインド洋での給油活動延長の必要性を強調していた。アベは数日前には給油の延長に「職を賭す」とまで言っていた。
つまり、アベの頭の中は給油問題でいっぱいだったのである。辞任を決断せざるをえなかったのは、もはや自分では給油継続法案を通すことが難しいと判断したからにほかならない。

しかし、それは自信過剰な「坊や」であるアベの判断ではないだろう。
ここで気になるのは、アメリカのシーファー駐日大使の動きである。
大使は今日午前、首相官邸を訪れ、与謝野馨内閣官房長官に対し、給油問題は「超党派的な問題であって、党派的な争いとならないことを希望」したという(時事通信)。要するにアメリカ政府は、自衛隊の給油継続のためには、与党と民主党の妥協が必要であると考えているのだ。

あえて忖度すれば、アメリカ政府は、アベでは民主党から妥協を引き出すのは難しいと判断したのではないか。もしかすると、昨日から今朝にかけて、アメリカ側からアベに「引導」を渡す何らかの動きがあったのかもしれない
アメリカに「見限られた」結果、アベは茫然自失し、かねてからのストレス(生まれた時からイエスマンに囲まれ甘やかされた「坊や」が、参院選後は自分の思い通りにならなくなったため)が加わって、「逃げ出した」というのが真相だろう。

いずれにせよ、今後、自民党は新総裁を選出し、新内閣が発足することになる。
ここまで政局を混乱させた以上、新内閣はすみやかに衆議院を解散し、主権者の審判を仰ぐべきである。野党は解散を目指して、あらゆる手を打ってほしい。
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by mahounofuefuki | 2007-09-12 15:39

「国民」より「アメリカ」

主権者の審判にも、どこ吹く風で、政権に居座るアベ首相が、なんと海自によるインド洋での米軍等への給油支援を継続できなければ、退陣するという。

「国民の意思」は無視するが、「アメリカとの約束」は職を賭す。この国の「主人」が誰なのか、如実にわかる発言だ。

言質は取った。野党は今国会でテロ特措法の延長に絶対反対し、給油活動を可能にするあらゆる立法を葬ることだ。
もうこの「祖父コンプレックス」のバカボンの顔など見たくもない。
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by mahounofuefuki | 2007-09-09 21:32

「任命責任」を語るならすぐ総辞職せよ

遠藤武彦農水大臣が辞任した。
彼が組合長の農業共済組合が国からの補助金を不正受給していたからだが、
そのカラクリはあまりにも杜撰極まりなく、
こんな男をよりにもよって農業を管轄する農水大臣に起用した、安倍首相の見識を疑う。

不正受給のカラクリと放置された原因については、以下を参照。
農業共済組合の不正受給は、こうして見逃された(オーマイニュース)

アベは「任命責任は私にすべてある」と言ったそうだが、それならば、すみやかに内閣総辞職するべきだ
口先だけで「責任がある」と言いながら、その座に居座るのは、欺瞞でしかない。
こんなバカボンでもまだ、支持する輩がいるのが、非常に不快だ。
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by mahounofuefuki | 2007-09-03 18:20

まだこんなに支持率があるのか

マスコミ各社が、安倍改造内閣についての世論調査の結果を、一斉に発表した。
それぞれの内閣支持・不支持率は次の通り。

朝日新聞 支持33% 不支持53%
共同通信 支持41% 不支持46%
毎日新聞 支持33% 不支持52%
読売新聞 支持44% 不支持36%

正直なところ、まだこんなに支持率があるのか、という思いだ。

参院選の与党大敗は、地方の自民党支持者の離反が最大の原因だが、彼らは今回の改造で党内の「実力者」が入閣したことに、満足したのだろうか。

選挙ではっきりとノーを突き付けられた首相が、居座り続けることに、なぜこうも寛容なのか。私には理解できない。

支持率が上がったことで、与党は「国民の理解が得られた」などと錯覚し、強気の政局運営に出る可能性がある。小泉政権以降、選挙よりも世論調査が政局を左右しているのが現状だからだ。

貧困と差別を放置・助長する政権が何の責任も取らず継続するのは、まことに由々しき事態なのだが・・・。
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by mahounofuefuki | 2007-08-29 08:26