スキーバス事故と「規制緩和」の罪

2月に起きた大阪・吹田のスキーツアーのバス事故で、運転手に対する1審判決が下された。
懲役2年6か月だが、4年の執行猶予がついた。執行猶予は当然である。

この運転手は、大型免許を取得して日が浅く、その上連日連夜の過重勤務、さらにツアー自体が無理な日程で、居眠り運転をしてしまった。業務上過失致死に問われたのは、法律上やむをえないが、むしろ責任はこの運転手に過労を強いたバス会社にあるだけに、本当にやりきれない。
しかも、死亡したのは、ガイドとして同乗していた彼の16歳の実弟だった。身内を使うことで、コストダウンを図ったのは明白だろう。運転手の心中を察するに、いたたまれない。

バス会社がこんな無理をしたのも、「規制緩和」による値下げ競争が原因だ。
最近のバスツアーは驚くほど安い。利用者は安ければ安いほど良いと錯覚しがちだが、その分安全性が低下しているのだ。そして労働者は過労と低賃金に喘いでいるのである。
事故の真の責任は、業者に競争を強いる政府と、政府に市場原理主義政策を採らせる巨大企業や富裕層と、何の疑いも持たずに安さを求める利用者にある。彼らの無責任でエゴイスティックな姿勢が少年を殺したのだ。
しかも、この事故があった後も、状況はまったく改善されていない。「規制緩和」政策は続き、企業も消費者も反省していない。

検察側、被告側双方とも、判決を受け入れるのか、控訴するのか、今のところ不明だが、この運転手には何としても社会復帰してほしい。社会も彼を受け入れてほしい。
もう2度とこんなことは起きてほしくない。
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# by mahounofuefuki | 2007-09-06 20:15

夢のマツタケ!?

前々から疑問に思っているのだが、マツタケとはそんなに高い値がつくほど「うまい」ものなのだろうか?
「本当にうまいマツタケを食べたことがないからだ」と言われれば、それまでだが、私には他のキノコと比較を絶するほどの「特別なキノコ」とは思えないのである。
実のところ私たちは、〈高価=美味しい〉という思考をインプットされてしまっているのではないか。一度、その等式が成立すると、需要が高くなり、ますます価格が上昇する、そしてまた高価だから「美味しい」と錯覚する、という循環にはまっているのではないか。そんな気がするのである。

ところで、ここでも中国産はイメージが悪くなっているようだ。中国の衛生管理や品質管理が杜撰なのは事実だろうが、今になって急に中国産品の危険性を、それも特にアメリカのメディアが大々的に報道しだしたのは、非常に不自然である。
おそらく中国産のシェア拡大を危惧する、競合する他国(日本を含む)の企業が、情報操作の背後にいるのだろう。報道が企業間や国家間の市場における熾烈な競争に煽られた形だ。
中国産は危険だが、カナダ産は安全、というわけでもあるまい。食の安全に対する疑念は、日本のミートホープ事件やアメリカ産牛肉のBSE問題を挙げるまでもなく、万国共通だからである。どこの国の産物であっても、消費者は注意を払わなければならない。

私の場合、根っからの貧乏根性のためか、「マツタケ1本買うより、その分でシイタケをたくさん買った方が得だな」などと考えてしまう。いずれにせよ、「難民世代」の私には、おかげで安くなった中国産マツタケまでしか手が届かないのだが(笑)。
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# by mahounofuefuki | 2007-09-06 10:34

橋下さん、バカはあなたの方です

光市母子殺害事件の被告の弁護士4人が、テレビで彼らへの懲戒請求を煽動した橋下徹弁護士を提訴した件で、橋下氏が反論の記者会見を行った。
なんで、こんな男が弁護士なのか、テレビでもてはやされるのか、そして、今も圧倒的多数の大衆の支持を受けるのか、疑問が増すばかりのお粗末な主張である。

「差し戻し審で新たな証拠が出てくれば、新たな主張をするのは当然のことだと思う」と司法の常識を言いながら、「何ゆえ主張を変更したのか、きちんと被害者なり社会に対して分かるような形で説明しないといけない」と言うのはまったく不可解だ。
被害者はともかく、なぜ社会に対していちいちそんなことを説明しなければならないのだ?
毎日たくさんの訴訟がある。そのすべての事案で新証拠が出るたびに、法廷外で説明しなければならないのか(説明したって誰も聞くまい)。あるいは光市事件は「特別」とでも言うのだろうか。それなら、なぜ光市事件に限り特別扱いするのか、という問題が生じる。
大衆ののぞき見的関心に答えるのが弁護士の仕事ではない。

「被告人のためだけに活動すればいいんだ、という弁護活動は『品位を失うべき非行』に僕は当たると思っている」 被告人に不利益な活動をすることが、「品位のある行動」なのか!?
私にはむしろ橋下氏の方が、テレビタレントとしての「特権」を利用して、大衆を煽動しているという点で、「品位を失うべき非行」を行っているように感じる。

「(弁護士は)免許業であるにもかかわらず国の監督権限を受けない。この言いわけのために『懲戒請求』の制度がある。いわば『弁明の具』だった」 まるで弁護士は国の監督権限を受けるべきとでも言ってるような暴論だ。弁護士でありながら、弁護士の独立を否定するのは、もはや弁護士としての最低の資格すらない。そんなに国家に管理されたいのなら、選ぶ職業を間違っている。検事にでもなればいい。

何より許せないのは、橋下氏が自分で懲戒請求を行わず、いわば「自分の手を汚さず」に大衆を利用したことだ。そんなことが可能なのは、彼が弁護士というよりも、レギュラーをいくつも持つテレビタレントだからであり、その「特権」を最大限使った。極めて卑怯である。

被告の弁護団は、今やマスメディアの偏向報道と、橋下氏のような卑怯者と、それらに乗じる愚劣な大衆によって「公認の敵」に仕立て上げられた。しかし、私は断固、弁護団を支持し、司法の独立を擁護する。
改めて言おう。橋下さん、バカはあなたの方ですよ、と。
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# by mahounofuefuki | 2007-09-05 20:55

軍事教練とマスゲーム

中教審が、中学校の保健体育科で「武道」を必修とする、学習指導要領改訂原案をまとめたという。

教育基本法改悪の直接の影響である。
生来身体虚弱で、運動能力が極度に低かった私には、悪夢のような話だ。
政府の狙いは、武道を通して、子どもの身体の規律化を強化し、
権力に従順で、不正にも異議申し立てできない、ロボットのような人間をつくることにある。
まさしく軍事教練の復活である。
しかも「ダンス」まで必修化するというのだから呆れる。某国のマスゲームでも目指すのか。

今回の改訂は、改悪法の「伝統と文化を尊重」という条項に従ったのだが、日本の「伝統」は何も柔道や剣道ばかりでない。
「世直し」も「民主主義」も日本の過去からの遺産である。
つまるところ、「伝統」とは単に現代人が自己の都合に合わせて、過去の多様な事物から「つまみぐい」して形成されたものにすぎない。そんなものが教育内容の選別基準になってしまったことに、強い憤りを覚える。

地域の道場や体育系大学との連携に予算を支出する、というのも問題だ。
これら道場はたいてい自民党の国会議員と密接な関係がある。体育系大学は保守的知識人の牙城だ。神社との関係も深い。まさに安倍政権を支える国家主義勢力に対する新たな利権である。しかも、彼らが学校に出向して、教員や生徒に指導するようなことになれば、それこそ、職業軍人が学校に配置された軍事教練の再現である。

体育の重視が、病気や障害のある人々を差別、選別するおそれもある。
兵役復活への第一歩とさえなるかもしれない。
今回の改訂を断固空洞化させる必要があるだろう。
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# by mahounofuefuki | 2007-09-05 08:50

独力で高利貸に勝訴!

消費者金融から利息上限法の上限を超える利息を違法に払わされた女性が、金融業者12社を提訴し、弁護士なしの独力で全面勝訴し、過払い金を全額取り戻した。
泣き寝入りする人々が多いなかで、この女性の不屈の闘志は、まさにあっぱれ、どんなに称賛してもしすぎることはない。この判例が金融業者に搾取されている人々にとって希望の光となろう。

現代社会の多重債務者への眼差しは冷たい。
「騙されるほうが悪い」という「自己責任」論(殺人で「殺されるほうが悪い」と言っているに等しい)や、「借りなければいい」という当事者の経済的苦境を無視した突き放した見方が多い。そして、金融業者のあの手この手の詐欺まがいの貸金行為には無批判で、彼らの暴力的な取り立てに対して沈黙するばかりだ。
しかも、国選弁護がつく刑事訴訟と異なり、民事訴訟の場合、弁護士に相談するだけでもカネがかかる。ただでさえ借金で苦しんでいるのに、そんなカネは出てこない。この国では、裁判を起こす権利を憲法で保障しているといっても、実態はザル法で、貧乏人が訴訟を起こせないよう仕組まれているのだ。

そんな二重三重の包囲網のなか、独学で法律を学び、独力で提訴し、しかも最後まで諦めず、全被告からカネを取り返した。もちろん取り返せるのは、違法な過払い分だけで、現行法では異常な高金利での貸出そのものを責めることができないのだが。それでも正しい者が負け続けているこの国で、こんな痛快な出来事は本当に久々だ。

痛快に思うと同時に、私も彼女の姿勢に見習わなければ、と思わず襟を正したくなるニュースである。
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# by mahounofuefuki | 2007-09-04 20:51