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私は「重度KY」だそうです(苦笑)。

ZAWA talkさんが、空気読み力テストというものを紹介していたので、早速やってみた。
結果は・・・
空気読み力:18(Cクラス/重度KY(空気読めない))
重度KY・・・ってどういうことやねん、と自分につっこんでしまうほどの散々な結果だった。
5項目あるうち、特に会話柔軟力(「必ずしも自分の本心とは異なっていても、相手に合わせたり、役割を演出することで柔軟に会話を運用することができる力」らしい)はゼロである。
自覚はしていたが、はっきりと「ゼロ」と言われると、さすがに不愉快だ。

ちなみに他の4項目を説明すると、空気支配力とは「自ら空気を作り出し、コントロールすることができる力」、人間洞察力とは「部分的な会話や表情から、他人の考えや感情を読み取る力」、文脈把握力とは「ある社会、集団、会話などの場で形成されている「コンテキスト(文脈)」を把握する力」、TPO力とは「TPOをわきまえた言動ができる力」だそうだ。

「空気を読む」という言葉が、このところすっかり定着してしまった。
私は「空気を読む」の意味を「多数に迎合し、強者に屈従する」と解釈しているので、「空気を読める」ことは単なる奴隷根性であって、有害なものとさえ考えているのだが、「世間」では逆に「空気を読めない」者を「KY」などという差別語を作り出してまで排斥している。

教室の「空気を読んで」いじめに加担し、職場の「空気を読んで」会社の偽装表示に目をつむり、ブロガーの「空気を読んで」小沢一郎を擁護する。そういうことを繰り返すと、そのうち「空気を読んで」戦争を賛美し、「空気を読んで」弱肉強食社会に賛成し、「空気を読んで」スケープゴートを攻撃することになりかねない(もうなっている!?)。

現代社会は「空気を読めない」人にとって非常に生きにくい。
私も「空気を読めない」ために、人間関係でトラブルを起こしたり、孤立したり、いろいろなことで不利な扱いを受けた。しかし、それでも自分を偽るストレスは、「空気を読む」ストレスより辛く、改めることはできなかった。
「成長していない」「昔から変わらない」とよく言われるが、こればかりは仕方ない。

あらゆる「悪」は孤立を恐れることから生じるとは、たしか三木清の言葉だが、現代の日本の人々は孤立を恐れるあまり、「空気」という同調圧力に屈しているように思える。
「空気を読まない」ことが「空気」になれば良いのだが・・・。

【関連記事】
「空気を読む」ということ

【関連リンク】
ZAWA talk 空気読み力テスト
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by mahounofuefuki | 2007-11-12 14:03

「反貧困たすけあいネットワーク」

貧困層による相互扶助組織「反貧困たすけあいネットワーク」が来月結成される。
「首都圏青年ユニオン」と「自立生活サポートセンター・もやい」の呼びかけで、若い「ワーキングプア」のセーフティネットを目指すという。

朝日新聞(2007/11/10 11:51)によれば、「会費は月300円。半年以上の入会を条件に、病気やケガで失業した人に1日1000円、10日間で1万円を支給。無利子で1万円の生活資金も貸し付ける。組織は労働組合とし、組合員の助け合いの形をとる。借金や労働問題などの相談や情報提供もする」という。

きっかけは、呼びかけ人の1人である首都圏青年ユニオンの川添誠書記長が、アルバイト残業代の不払いの相談に訪れた母子家庭の高校生から「労組に加入して組合費を払うぐらいなら、家計のたしにする」と言われたことだという(毎日新聞 2007/11/10 05:36)。
以前から当ブログで述べているように、雇用保険法が改悪され、国会での民主党の背信により最低賃金の実質的引き上げが難しくなり、労働契約法も成立必至になってしまい、既成の労組は相変わらず非正規労働者の利益を代表し得ない中で、貧困の最前線で行動してきたユニオンやNPOの人々だけが、「難民」の救いの綱になっている。
こういう取り組みこそ貧困と格差に立ち向かう上で、実効的な施策であろう。

特に失業や貧窮のために借金を重ねざるをえない現状への対策になることを期待したい。
最近、NTTデータ経営研究所が発表した「消費者ローン利用者・利用経験者の借入に関する意識調査」によれば、借金の理由で最も多いのは、銀行・信用機関、クレジットカード・信販会社、消費者金融のいずれも「日常の生活費」の補てんである。中でも消費者金融では56%にものぼる。
「世間」一般のイメージとは異なり、「サラ金」のような高利貸に手を出すのは生活苦が原因である場合が多いのである。

同調査によれば、20~30代でははじめから消費者金融に行ってしまう割合が多いことも明らかになっている。テレビや新聞などの広告や、簡単な審査による貸出が影響していることが読み取れる。突然の病気や失業ですぐにもカネが入用になり、消費者金融から借り入れて、多重債務に陥るというのが、最も多いパターンだろう。

なお「反貧困たすけあいネットワーク」の発足イベントが11月22日に開催される。
以下、Moyai Blogより。

~私たちにパンと誇りを!~
反貧困助け合いネットワーク Launch Party
生きづらいのは自分のせいではない。働いても食うに食えない若者たちが、
自分たちの手で状況を切り開くための助け合いプロジェクト「反貧困助け合いネットワーク」の発足イベント、
それが「Bread and Roses」。
話題の書「貧困襲来」でシーンを震撼させた湯浅誠から、首都圏青年ユニオンの河添誠、NPO、ジャーナリスト、そして政治家までが結集。
今、ワーキングプアの逆襲が始まる!

反貧困たすけあいネットワーク 発足イベント

日時:11月22日(木、祝前日)18:00~22:00

場所:SUPER DELUX(スーパーデラックス)
    106-0031東京都 港区 西麻布3.1.25 B1F
    TEL:03-5412-0515

入場料金: 500円 (年収300万円未満の方) / 1000円 (年収400万円未満の方) / 2000円 (年収400万円以上の方)

「反貧困たすけあいネットワーク」とは

① サラ金・日雇い派遣情報ではなく・・・・・生きるうえで役立つ労働・生活の情報を携帯配信するメルマガの発信

② 自分たちの手で生きられる条件を・・・・休業補償・無利子貸付のための助け合いシステムの発足

③ いつでも、どんなことでも・・・・・・・・・・・残業代未払い、不当解雇、生活保護、借金(多重債務)、なんでも相談、解決する。

④ だべろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まったりと集う若者カフェの開催

《追記 2007/11/23》

11月22日に行われた「反貧困たすけあいネットワーク」発足イベント「私たちにパンと誇りを!」(BREAD AND ROSES)の様子は以下の記事を参照。
【動画あり】「私たちにパンと誇りを!」──過重労働の報告も-Ohmynews
たすけあいネット/連帯し貧困救おう/発足記念イベント-しんぶん赤旗

【関連記事】
独力で高利貸に勝訴!
「ネットカフェ難民」排除の動き
民間給与実態統計調査
改正雇用対策法で本当に救われるのか?
最低賃金法改正案・労働契約法案における民主党の妥協

【関連リンク】
BREAD AND ROSES (反貧困たすけあいネットワーク)
首都圏青年ユニオン
特定非営利活動法人 自立生活サポートセンター もやい
消費者ローン利用者の借入残高、4割以上の人が「年収の3分の1以上」-日経トレンディネット
消費者ローン利用者・利用経験者の借入に関する意識調査 2007年11月6日-NTTデータ経営研究所
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by mahounofuefuki | 2007-11-11 16:08

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《改稿 2010/01/04》

 現在、弊ブログは更新を無期限停止中です。トラックバック及びコメントも受け付けておりません。
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by mahounofuefuki | 2007-11-10 16:28

最低賃金法改正案・労働契約法案における民主党の妥協

重大なことに限って、私たちの知らないところでいつのまにか決まってしまうものである。
昨日(11月8日)、最低賃金法改正案と労働契約法案が衆議院本会議で、与党と民主党などの賛成により可決され、参議院へ送付された。
もともとこの2法案と労働基準法改正案の3点セットは、前々回の国会で安倍内閣が提出して以来審議が継続していたが、「大連立」をめぐる騒動の陰で政府と民主党が修正協議を行い、労基法こそ妥結しなかったが、残りの2法案は妥協が成立した。
2法案とも民主党は対案を議員立法で提出していたが、修正により撤回した。

実のところ私は衆参の「ねじれ」のために、労働関係3案のうち少なくとも最低賃金法以外の2案は今国会でも継続審議となり、先送りされるものと思っていた。前にブログで労働契約法案に関するリンクを作成したが、本格審議はまだ先と考え、少しずつ材料を揃えて準備してからブログで書くつもりだった。
ところが、対案まで出していた民主党が衆院の段階であっさり妥協し、今国会の会期延長も決まったため、成立が確実になってしまった。私の見通しは完全に甘かったのである。
そんなわけで後追いになってしまったが、成立前に触れておかないと悔いが残るので、今日ブログでこの問題を書くことにした。

まず、最低賃金法改正案であるが、これは現行の最低賃金が生活保護給付よりも低額である「逆転現象」を是正するために出されたものである。
私の手元には2002年のデータしかないのだが、たとえば東京23区の場合、1か月あたりの最低賃金額は12万3,520円(月間総労働時間が平均場合)なのに対し、標準世帯の生活保護給付額は16万3,970円で、最低賃金より生活保護給付の方が約4万円も高い(橘木俊詔 『格差社会 何が問題なのか』 岩波書店、2006年)。しかも、実際は法定最低賃金がまったく守られておらず、最低賃金以下の賃金で働いている人々が大勢いる。

そこで政府案では第9条に「労働者の生計費を考慮するに当たっては、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする」という規定が追加されたが、これは読みようによっては最低賃金を生活保護に合わせて引き上げるのではなく、逆に生活保護給付を引き下げることで「整合性」を保つ可能性があることを意味する。

一方、民主党の当初案では、現行の地域別最低賃金に加えて、全国最低賃金を定め、それら最低賃金の決定にあたっては「労働者の生計費および賃金並びに通常の事業の賃金支払能力」を算定基準とする現行法を改め、「労働者及びその家族の生計費を基本としてさだめられなければならない」と、生計に必要なだけの金額を最低賃金とすることを義務付けていた。
もともと民主党は先の参院選で最低賃金を時間額1,000円に引き上げることを主張しており、当初案はその公約に一応沿った形であった。

ところが、民主党は、政府案の「生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする」という条文に「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう」という文言を加えるだけで、政府に妥協してしまい、全国最低賃金も生計費による算定も撤回してしまった
政府が来年予定している生活保護給付の切り下げを考えると、これでは最低賃金の実質的な引き上げは望めない。

それでも最低賃金法の方は、罰則が強化されただけでも現状よりましになったが、より問題なのは労働契約法案である。
これについては以下の記事が問題を端的に伝えている。
「会社やりたい放題」の労働契約法案 働く女性の全国センターが廃案訴え-JanJan
*太字は引用者による。

(前略)労働契約法案は、「就業規則による労働条件の不利益変更がいつでも可能」という制度が導入され、企業が一方的に定めることを慣行としてきた就業規則を「労働契約」と位置付け、法的な規範を与えられる。

 就業規則は労基法89条により、就業時間、賃金、退職事項、服務規程、出向、配転、懲戒など広範な労働者の権利義務全般について規定するものである。この就業規則は、「労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見を聞く」必要はあるが、あくまで意見を聞けばよく、仮に反対意見があったとしても、企業側が一方的に作成したものを労基署に届け出るだけでよい。

 政府案は、第9条で労働条件の不利益変更を禁止しつつも、第10条の但し書きで、(1)労働者の受ける不利益の程度、(2)労働条件の変更の必要性、(3)変更後の就業規則の内容の相当性、(4)労働組合等との交渉の状況、(5)その他の就業規則の変更に係る事情に照らして「合理的」であれば変更できるとされている。

 民主党の対案においても、第5条では「合理的な労働条件の定めがあり、労働者に明示すれば使用者との合意を推定する」、第23条では、「使用者の権利の必要性と、労働契約の内容が合理的であれば変更可能」と謳っている。この場合の「合理的」が、労働者の意志や労働実態に沿ったものになるとは考えにくく、使用者にとっての解釈で安易に使われる可能性が高い。ACW2では労働契約法は「会社やりたい放題法案」ではないかと訴えている。(後略)
*注 ACW2=働く女性の全国センター
要するに政府案も民主党案も、就業規則の変更で会社側が一方的に労働条件を変えることができるのである。最も重要な要素で当初から与野党に違いはないのだから、当然妥協しやすい。結局労働契約を「就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結する」という規定を加えただけで(共同通信 2007/11/07 18:10)、衆院を通過してしまった。

私が注目したいのは次の2点である。
第1に、この2法案を参院ではなく衆院で修正し、妥協したことである。
衆院は現在与党が圧倒的多数を占めており、当然政府案が可決される。しかし、参院では与党は過半数に届かず、修正なしには通らない。つまり民主党は仮に与党との協議に応じて修正を図るにしても、野党が主導権を握る参院に送付されてからでも遅くはないのである。その方が政府・与党に対して優位に立てる。
ところが民主党は衆院で妥協して政府と修正案を作り、採決では与党とともに賛成した(共産党は2法案とも反対し、社民党は最低賃金法改正案のみ賛成した)。これは民主党による与党への「サービス」と言わざるをえない。野党を分断するものであり、民主党は自ら国会での野党共闘の枠組みを壊しているのである。
(ちなみに今日成立した被災者支援法の場合は、与野党共同の議員立法でまず参院に提出され、共産党や社民党も修正に加わって全会一致を得ており、野党共闘を壊して政府立法に妥協しただけの労働2法案とはまったく異なる。)

第2に、労働基準法改正案だけは与党側と妥協しなかったことである。
政府が提出した労基法改正案では、時間外労働が1か月80時間超の場合、50%以上の割増賃金の支払いを定めているが、残業80時間超というのは過労死認定基準であり、民主党の支持母体である連合は、労働時間にかかわらず残業の割増賃金を50%以上に引き上げるよう求めている。
民主党は連合に配慮して労基法では政府に妥協しなかったのだが、逆に言えば、契約社員や派遣社員やパートタイマーにとって死活問題である最低賃金法や労働契約法では政府に妥協したのに、大企業の正社員の要求には配慮したことになる。
残業代の割増率がどうのと言えるのは、きちんと残業代を支払っている企業(たいていは大企業)だけの話であって、そもそも「サービス残業」を強いられている人々にとっては割増率の増減どころではない。連合は公務員と大企業の正社員を中心とする労組であり、現在全労働者の3分の1を占める非正社員の声はほとんど反映していない。
こんな状況で非正社員層が民主党を支持するだろうか。

「小沢騒動」は民主党が「大連立」を拒否して終息したことになっているが、実際はすでに自公政権と民主党の政策協調が始まっているのである。
「小沢のいる民主党」の実態はこんなものである。民主党に野党共闘の維持と政権交代を求めるなら、小沢氏の代表留任にこだわる必要などなかったことがこれで明らかだろう。

【関連記事】
労働契約法に関するリンク
「小沢一郎のいない民主党」は不安ですか?

【関連リンク】
衆議院-議案
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by mahounofuefuki | 2007-11-09 18:01

線グラフは余計です

3日前から「エキサイトブログ」がリニューアルした。
ログインページとトップページが統一され、ブログ検索が使いやすくなり、前より格段に良くなった。
しかし、問題が1つある。それは余計な機能が増えたことだ。

余計な機能とは、ネームカードのアクセス解析に追加されたページビューの「線グラフ」である。
今までアクセス数の増減をさして気にしないで、好きなように書いていたのだが、まるで営業成績のグラフみたいに視覚的に突きつけられると、どうしても気になってしまうではないか!
数字だと気にならないが、グラフだと少し減っただけでも、何となくがっくりきてしまうのである(ランキングの類に参加しないのも同じ理由)。

だいたい訪問者数ではなく、ページビューというのが曲者である。
毎回閲覧しているような人は最新記事しか読まない。つまり「定期購読者」が増えても、ページビューは増えないことになる。現に訪問者数は増加しているのに、ページビューは減少しているということが過去にあった。

このグラフは何とかならないのだろうか。
グラフを閉じる設定が欲しい・・・。
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by mahounofuefuki | 2007-11-08 21:32

「小沢一郎のいない民主党」は不安ですか?

民主党の小沢一郎代表が辞意を撤回し、代表留任を表明した。
正直、この茶番についてブログに書く気力があまりない。あきれてものも言えないからだ。
(状況はまったく違うがなんとなく「加藤の乱」を思い出した。)

私は2回目の党首会談が行われた11月2日のブログに、福田側が連立協議をもちかけたのは「野党間を疑心暗鬼にさせて分断し、民主党内を動揺させて小沢氏への不信をあおる」ためだと推測した。その推測は正しく、民主党は動揺し、他の野党からは非難の声が上がった。
その後、11月4日昼過ぎに書いたブログで私は、一連の騒動に対する世論が「小沢ははめられた」と「小沢は裏切った」に二分されていると分析した。その時点では私はどちらが正しいか判断せず、ただいずれにせよ民主党は相当なダメージを受けたとだけ指摘した。

ところが、その日の午後、小沢氏は突然辞意を表明し、一連の経過について自らの口から説明した。そこで彼ははっきりと「あえて民主党が政権の一翼を担」うつもりだったと連立の意図をもっていたことを認めたのである(朝日新聞 2007/11/04 18:48による)。
これは参院選前からの「政権交代」「与党との対決」という公約を破棄したも同然の発言であり、私はその夜のブログで「主権者を裏切ったと言われても仕方ない」と批判した。

私は誰もが小沢氏の「裏切り」に怒るだろうと思っていた。
ところが市井でもネットでも、特に「政権交代」とか「野党共闘」とか言っている人ほど、小沢氏に寛容で、民主党の幹部たちと同様、辞めないで欲しいと追いすがっていたのである。
なぜ主権者を欺いた彼を許せるのか? 「小沢のいない民主党」がそんなに不安なのか? 
実際は小沢などいなくても政権交代は可能だと私は思うのだが、そう思わない人々のほうが多いらしい。私には理解できなかった。
そして小沢氏は一部の声の大きい人々に応えて、おざなりの謝罪だけで復帰した。
会談の「仲介者」の名をわざとぼかすという、陰謀説を好む人々へのサービスまで加えて。

これでもう今後、民主党内で小沢氏に意見できる者がいなくなってしまった。それぞれの議員の選挙事情がからむ「大連立」にはさすがに党を挙げて反対したが、個別の政策で小沢氏が与党に妥協しても「辞任カード」を出されたら何も言えまい。
(ちなみに大きく報道されていないが、民主党は昨日、最低賃金法改正案と労働契約法案について与党と妥協した。)

小沢政権のもとで消費税増税や自衛隊海外派遣の恒久化が行われ、今日のことを後悔する日が来ないことを祈るばかりである。

【関連記事】
「新体制」の不気味
「小沢一郎」をめぐる言説
小沢一郎は自爆した
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by mahounofuefuki | 2007-11-07 22:41

本格化する消費税増税の動き

世論はすっかり「小沢騒動」一色だが、そんな喧騒をよそに、政府による消費税増税への動きはいよいよ本格化している。
昨日(11月5日)首相官邸で行われた政府税制調査会の総会には、就任後初めて福田康夫首相が出席し「社会保障や少子化などについて将来あるべき姿を描き、必要な安定財源を確保し、負担を先送りしないようにするのが政治の責任だ」とあいさつした(毎日新聞 2007/11/05 20:00)。
「安定財源」「負担を先送りしない」とは消費税の増税を指したも同然で、すでに2008年度税制改正の答申に消費税引き上げを盛り込むことを決定している政府税調に完全同調したと言えよう。

この日の会合後、政府税調の香西泰(こうさい・ゆたか)会長は会見で「将来の消費税増税は社会保障制度維持のために不可欠で、同時に所得などの格差是正策を講じる必要がある」と述べる一方、法人課税の実効税率を引き下げるべきとの認識を示したという(フジサンケイ ビジネスアイ 2007/11/06 08:35)。
税調の主流が、法人税の減税のために消費税を増税しようとしていることがよくわかる発言である。

政府税調のホームページには税調内の議論をまとめた資料が公表されているが、税調の消費税をめぐる議論は、まず増税ありきで、いかに大衆を騙すかに費やされている。
これまでに出された主な意見等(消費課税関係)*PDF

たとえば、「経済活性化を重視する観点から、勤労世代への負担集中を回避することや、経済活動に歪みを生じさせない中立性や国際競争力も重視すべき」という意見は、まるで消費税が「全世代に公平な」税制と言っているようだが、実際には消費税は所得の少ない若年層と年金生活を送る老年層にとって辛い税である事実がまったく念頭にない(消費税が上がっても給料や年金給付が増えるわけではない)。
あるいは「消費税が実質的に福祉、特に高齢者のために使われていることを国民に理解してもらうことが重要」という意見は、なぜ福祉の財源が消費税でなければならないか説明がつかない。高齢者に給付するために高齢者への課税を強化するのは本末転倒である。

何よりも私が憤りを感じたのは、「社会保障は再分配において大きな役割を果たしており、消費税の『社会保障財源化』については、消費税が社会保障による再分配を通じて受益面から大きな役割を果たしている」という部分である。
日本で再配分に占める社会保障の役割が大きいように見えるのは、税制が再配分の役割を果たしていないからにすぎない。現に税調内でも「『逆進性』で言えば、(消費税より)社会保険料の方がはるかに逆進的」という指摘があり、所得にかかわらず保険料が定額である社会保険は極めて不平等で、再配分には何ら寄与していないのである。
特に年金給付の場合、所得以上に「寿命」に左右される。早死にした人はどんなに現役世代に保険料を支払っていても、それに見合った給付を受けることはできない。
逆説的に言えば社会保障はどんなに工夫しても再配分効果を高めることなどできないのである。

だからこそ、税金の方こそ累進性を高めて再配分効果をもたせる必要があるのだが、そういう意見は税調ではほとんどない。
現行の税体系を前提に消費課税のウェイトを高めることは、格差社会を助長するおそれがあり、所得税における累進性の回復、資産所得への課税強化、低所得に対する配慮、法人税との関係等の視点を踏まえ、税体系全体の見直しの中で考えることが不可欠」というのが唯一の真っ当な見解で、こういう発言をする人がいるだけ、不当な金持ち言いなりの経済財政諮問会議よりましではあるが、それも気休めでしかない。

ところで、朝日新聞が今月3~4日に消費税増税について世論調査を行っているが(朝日新聞 2007/11/05 23:52)、その結果が興味深い。
「消費税の引き上げが必要か」という問いに、「必要だ」は43%、「必要ない」は49%で、拮抗している。ところが「社会保障の財源確保のために消費税を引き上げることに納得できるか」という問いだと、「納得できる」が36%、「納得できない」が54%なのである。
しかも「納得できない」と答えた人は、30代で61%、50代で55%、70歳以上で42%と、年齢が若いほど消費税と社会保障の関連性に懐疑的なのである。
これは税調の思惑(「勤労世代」への負担集中を回避するために消費税を増税するという詭弁)とは裏腹に、現役の「勤労世代」の方こそ消費税引き上げに抵抗感が強いことを示している。
同時に、高齢者は税負担の増減よりも、目の前の年金給付が減ることへの不安をかかえていることがわかる。

今後、消費税増税阻止のために必要なのは「年金の財源にするために消費税増税が必要」という考えに洗脳されている高齢者に対し、「消費税増税の目的は企業減税の穴埋め」という真実をアピールすることだろう。
心配なのは民主党のゴタゴタが、消費税増税に有利に働いていることであり、最近の増税への政府の動きもすっかり隠されてしまっている。もともと民主党には消費税増税を公約に掲げた「前科」があるので信用ならないとはいえ、現在のところ消費税増税に反対している以上、賛成に転じないよう繋ぎ留めなければならない。
消費税が争点となる次期総選挙を「郵政」の二の舞にしないよう注意したい。

【関連記事】
政府とマスコミが一体化した「消費税増税キャンペーン」
消費税増税問題に関するリンク
法人申告所得過去最高でも消費税上げますか?

【関連リンク】
Yahoo!ニュース-消費税引き上げ問題
内閣府 税制調査会
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by mahounofuefuki | 2007-11-06 20:30

NOVA前社長と「俗物」の境地

「構造改革」の最大の罪は、とても何千人、何万人もの従業員を抱える能力などない、自分のエゴを無限に満たすことしか考えない腐った経営者を野放しにしたことである。
最近経営破たんした英会話学校「NOVA」のオーナー猿橋望も、そんな生ゴミのひとりで、心底腐りきった最低のモンスターである。
10月30日に保全管財人がNOVAの社長室を公開したが、恥ずかしくなるほど「俗物」の欲望が詰まった部屋で、ただただあきれるばかりだ。

朝日新聞(2007/10/30 22:10)には、社長室の見取り図と写真が数枚掲載されているが、赤じゅうたんや革張りのソファーはまだいいとして、なぜかバーカウンターがあり、高級酒が並んでいる。大阪市内を一望できるというテラスや豪華なシャンデリアにも驚かされるが、何より問題なのは奥に「隠し部屋」があることで、猿橋専用の茶室(!)と寝室と浴室が隠されていることである。趣味の悪い掛け軸がかかった茶室は、なぜ会社にこんなものがあるのか全く理解不能の代物であるし、やはり趣味の悪いカーテンがかかった寝室は、どう見ても「愛人」がいそうなオーラに満ちており、公私混同もはなはだしい。

どこにも「知性」や「教養」はなく(あの茶室に文化の香りはまったくない)、「カネ」と「酒」と「女」しか極められない「俗物」の境地が、猿橋の社長室といえよう。
安給料と有期雇用で不安に怯えながら過労を強いられている英会話講師たちのことなど、微塵も考えていないことが明白である。

ところで今日(11月5日)になって猿橋側の弁護士が、一連の疑惑に反論する「上申書」を大阪地裁に提出し、この社長室についても弁明した。それによれば「報道された部屋はネットワークを使えば家を出ずに仕事ができる『職住一体』をデモンストレーションするための『モデルルーム』で社長室ではな」く、茶室は「テレビ電話によるお茶のレッスンを実験する予定だった」という(産経新聞 2007/11/05 17:09)。
しかし、それでは「モデルルーム」なのになぜ非公開だったのか、なぜ茶室が寝室と同じエリアに「隠し部屋」としてあるのか、説明がつかない。会社内では「社長室」と把握されていたのだから、これは単なる言い逃れだろう。

現在、猿橋に対しては、関係会社が購入したテレビ電話機材を数倍の価格でNOVAに売りつけた容疑や、株価操作の容疑がかけられている。前者は土地ころがしや企業ころがしの延長線上のやり口であり、後者は一種のインサイダー取引であり、現代の金持ちたちの典型的な利殖法である。
しかも、経営破たんし、裁判所が保全命令を出した前後に、猿橋とその親族が保有していた関連会社の株式を、保全管財人に委ねず、全て同一人物に売却していたことも明らかになっている(毎日新聞 2007/10/31 05:37)。最後の最後まで、経営責任を放棄し、自分のことしか考えない姿に強い憤りを覚える。

前記上申書は、一連の容疑も全面否定しており、猿橋は訴訟で争うようである。
今後もNOVA問題は目が離せないだろう。
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by mahounofuefuki | 2007-11-05 21:11

小沢一郎は自爆した

民主党の小沢一郎代表が辞意を表明した。
政界では一寸先は闇である。私が前の記事を書きあげたころ、すでに小沢氏は辞表を出し、党役員が慰留していたのである。これだから政局問題はブログで描きにくい(苦笑)。福田訪米までには何らかの決着があるだろう、なんて書いたが、こんなに早く小沢氏が投げ出すとは正直予想外である。

しかし、小沢氏の記者会見での発言は笑えない内容である。
曰く、福田首相が連立と引き換えに新テロ特措法案の断念を決断した。曰く、自民党が圧倒的多数を占める衆院で民主党案を通すためには政策協議が必要だ。曰く、民主党はいまだ力量不足で次期衆院選の勝利は厳しい。

これでは主権者を裏切ったと言われても仕方ない
今まで散々「政権交代」を訴え、今国会では参院で内閣問責決議を行ってでも衆院解散に追い込むという話はどこへ行ったのか。
守屋問題や給油転用問題などで与党を追い込めば、取引などせずともテロ特措法は通らない。民主党に投票した人々の多くは、まず自公政権の打倒を望んでいるのであって、自民党と組んで中途半端に妥協した「政策の実現」など望んではいない。次期衆院選はどうやっても自民党は議席を減らす(コイズミの郵政選挙のような「奇術」はそうそう出来るものではない)。
つまり、客観的情勢は圧倒的に民主党有利なのである。
それにもかかわらず福田の口車に乗って、連立工作に乗っかってしまうとは、よほどの個人的な「弱み」でも握られたのではないか?と邪推せざるをえない。

民主党は「にせメール」問題以上の大打撃を受けた。これで前回民主党に投票した浮動票は離れていくだろう。参院選で自民党が大敗した喜びより、共産党の議席が減少した危機感の方が強かった私は、さほどショックを受けていないが、「政権交代」に夢を賭けている人々は困っていることだろう。
民主党が傷口を最小限に抑えたかったら、自民党に切り崩される前に、すみやかに小沢氏1人を反党行為の罪で追放し、「衆院解散、政権奪取」を全党で再確認して結束を固めるしかないのだが、この期に及んでも執行部が慰留を続けている現状では無理だろう。そもそも小沢氏のほかに寄り合い所帯を仕切れるような人はいないのだから。

一連の茶番は小沢の「自爆」としか言いようがない。
安倍辞任に匹敵する無責任と言わざるを得ない。

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by mahounofuefuki | 2007-11-04 20:59

「小沢一郎」をめぐる言説

自民・民主両党首会談以降の「大連立」をめぐる騒動は、日増しに情報戦の様相を呈している。
参院選直後の安倍続投劇や今国会冒頭の安倍退陣劇の時もそうだったが、政局が流動化している時のマスコミの報道ほどあてにならないものはなく、虚実不明の情報(というより噂)が飛び交っており、よほどの注意が必要だ。
ましてや今回の連立工作は、読売新聞の渡邉恒雄氏が「首謀者」とも「仲介者」とも言われており、メディアにおける言説はいつも以上にバイアスがかかっていると看做さなければならない(その「ナベツネ黒幕説」自体が何らかの意図をもって流されている可能性が高い)。

一連の騒動について、私の乏しいアンテナで見る限りではあるが、世論の評価はおおよそ2つに分かれている。簡単にいえば、
① 小沢一郎ははめられた。
② 小沢一郎は裏切った。
に大別できる。いずれも小沢氏が「主語」であり、彼の「真意」をどう見るかが評価の分かれ道なのである。

そもそも今回の連立工作を福田首相側が考えたのか、小沢氏側が考えたのか本当のところはわからず(というより両方の要素があるのだろうが)、小沢氏は(彼は昔からそうだが)一切説明をしていないので、誰もが戸惑っているように思われる。そうなると結局、小沢氏個人を信用するか、しないかというレベルの話になる。
その結果、小沢氏(民主党)への政権交代を望む人々は、願望も込めて「与党が野党を分断し、民主党を混乱させるために連立をもちかけた」と考えたがるし、小沢氏に「胡散臭さ」を感じている人々は、「やっぱり小沢は肝心なところで妥協する」と考える。

これは一般の人々だけではなく、識者も同様で、たとえば五十嵐仁の転成仁語は、「福田首相の仕掛けた『罠』に、小沢さんがはまってしまったようです」「この問題の勝者は、大連立構想を断った小沢さんではありません。この問題を持ち出して小沢さんの動揺を誘った福田さんです」と①の立場であり、世に倦む日日は、「小沢一郎の問題は、政治を単なる権力争奪のゲームだと考えているところであり、命を賭けて実現しようとする理念がないことである」「今度の小沢一郎の大連立協議の行動は、明らかに国民に嘘を言って有権者を騙していたことになる」と②の立場である。

ただ①にも②にも共通するのは、今回の騒動が自民党よりも民主党にダメージを与えたという1点である。
小沢氏の代表辞任説や前原誠司氏の「一本釣り」説までが流れ、焦点は民主党の動向に絞られている。客観的に見れば、政権安定のための連立を断られた福田首相に相当なダメージがあるはずだが、さにあらず現状はメディアの情報操作もあって、民主党の方が混乱に陥っているようである。

今後、政局がどうなるか、にわかブロガーの私には何とも言えないが(福田訪米までには何らかの決着があるだろう)、ただ1つ言えるのは、すみやかに衆議院を解散し、総選挙を実施するのが正道である、ということである。

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by mahounofuefuki | 2007-11-04 13:06