2007年 10月 31日 ( 1 )

不誠実な舛添要一

どうも昔から舛添要一という人物が信用ならない。
私は少年のころ、よくテレビの報道番組や討論番組を観ていたのだが、そこで頻繁に登場する舛添氏の発言には常に胡散臭さを感じていた。もう具体的なことは忘却してしまったが、とかくその横暴さとテキトーぶりだけは印象に残っている。タレント文化人時代以降しか知らないので、かつて篠原一門下の気鋭の政治学者だったという過去が全く信じられなかった。
その後大人になってからは、テレビの報道がどんどんワイドショー化、バラエティー化していくのに嫌気がさし、舛添氏が出演するようなテレビ番組を全然観なくなり、いつしか彼の存在も忘れてしまうほどだった。
舛添氏が参院議員になった時も、テレビで売れなくなったので転身したのだろう、としか思っていなかった。

ところが、すっかり忘れていた頃に、彼が厚生労働大臣になり、何やら年金問題で脚光を浴びるようになった。
この国では、まさに小泉純一郎がそうだったが、何か具体的に成果を上げるよりも、「公認の敵」に敢然と戦っているポーズを示す方が、大衆受けがよい。舛添氏もその例にもれず、社会保険庁の職員を「公認の敵」に仕立て上げ、年金制度改革や年金記録消失問題そっちのけで、保険料を横領した元職員への刑事告発に血眼になった。
そして思惑通り、今も多くの大衆は公務員への嫉妬も働いて(彼らは「ずるい公務員」には罵声を浴びせるが、「ずるい経営者」にはなぜかおとなしい)、「舛添さんはいい人」「舛添さんはがんばっている」と称賛している。
「残業代ゼロ法案」を「家族だんらん法案」に改称しようとした時は、さすがにサラリーマン層から反発を買ったが、それも報道が小さかったため、一時的なものだった。

そんな舛添氏だが、薬害肝炎問題でいよいよバケの皮がはがされつつある。
そもそも大臣就任以来、この問題に対し真剣に取り組んでいたとはいえず、薬害肝炎訴訟で国の責任を認める判決が相次いでも、口先だけで何ら具体的なリーダーシップをとらなかった。国会での野党の追及により、厚生労働省が薬害の隠蔽工作を行っていたことが明るみになって、ようやく重い腰を上げたにすぎない。
社会保険庁の木端役人には強気の彼も、厚労省の高級官僚らにはすっかり丸め込まれているとしか思えないのである。

29日に予定されていた厚労省の薬害肝炎問題検証チームの初会合を土壇場で延期し、翌日非公開でこっそり行ったのは、そんな舛添氏の「やる気」の欠如を如実に示している。
舛添氏は29日の会議を延期した理由について、30日の参議院厚生労働委員会で「私は肝炎対策を巡って東奔西走しており、緊急の会議や折衝もある」と釈明したが(読売新聞 2007/10/30 21:31)、具体的な理由を明かさなかった。しかも、30日の会合が事前に発表されなかったのは、牛尾光弘大臣官房参事官によれば「大臣の指示で午後に急に開催が決まったため」だという(時事通信 2007/10/30 23:39)。要するに「延期」も「非公開」も舛添氏の判断だということになる。
29日には薬害肝炎訴訟の原告患者数人が会合の傍聴を求めて厚労省に来ていた(毎日新聞 2007/10/30朝刊より)ことを考えると、これでは舛添氏は患者から「逃げた」としか考えられない。非常に不誠実極まりない。

薬害肝炎問題は連日のように新事実が明らかになり、厚生労働省や製薬会社の不正が明白になっている。舛添氏にやる気がない以上、外から彼らを締め上げていくしかないだろう。
同時に舛添氏に対する過大評価はもうやめるべきだ。

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by mahounofuefuki | 2007-10-31 14:06