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今日の朝日新聞の電子版(2007/10/29 10:01)を読んで、びっくり仰天した。
なんと在日アメリカ大使館が、日本の国有地の賃貸料を1998年以降未納だというのである。 記事によれば、アメリカ大使館が日本の国有地を借用する契約は、明治期の1890年に結ばれ、1974年と1983年に賃貸料が引き上げられた。1997年までの賃貸料は年額250万円だったが、1998年以降、賃貸料の段階的値上げを提示したところ、アメリカ政府は反発し、支払いを拒否しているという。今年12月に債権の時効を迎えるというから、それまでに解決しなければ民事訴訟に打って出るしかなくなる。 調べてみると、この問題は2005年に国会で社民党の照屋寛徳衆院議員が質問している。 朝日の記事に書かれた内容は、2年前に既に表に出ていたのである。 照屋寛徳「在日米国大使館敷地等の賃貸料に関する質問主意書」 小泉純一郎「衆議院議員照屋寛徳君提出在日米国大使館敷地等の賃貸料に関する質問に対する答弁書」 照屋寛徳「在日米国大使館敷地等の賃貸料に関する再質問主意書」 小泉純一郎「衆議院議員照屋寛徳君提出在日米国大使館敷地等の賃貸料に関する再質問に対する答弁書」 国会で取り上げられていたにもかかわらず、恥かしながら今日まで、全く知らなかった。 日米関係は周知の通り非常に不均衡だが、今回の事例はその最たるものだろう。赤坂の一等地をわずか年額250万円で長らく貸し出していたのも異常だが、いざ賃貸料を値上げすると、支払いを拒否するという傲慢さ。アメリカ政府は日本でやりたい放題である。 こんなことがまかり通るのは、日米安全保障条約の歪みに起因している。 日米安全保障条約は本来、日本がアメリカに基地を提供する代わりに、アメリカは日本を防衛するという関係なのだが、いつのまにか基地の存在は忘却され、アメリカに「守ってもらう」代わりに、日本はアメリカに過大な便宜を提供する関係になってしまった。 現実には、アメリカにとって日本に基地を確保できるかどうかは戦略上死活問題なので、基地をエサに日本側はアメリカに強く出ることも可能なのだが、冷戦時代以来、日本の支配層は中国やロシアを敵視し恐怖しているために、たとえブラフでも「米軍はいなくてもいいよ」という姿勢をとれず、「米軍にいてもらわないと困る」と弱みを曝け出している。 今後、日本政府内で、特に外務省あたりがアメリカへの妥協を模索するだろうだが、この際妥協することなく、当初の方針を貫いてほしい。 【関連リンク】 地代を滞納し続ける米国大使館。それを許し続ける日本政府 (天木直人のブログ) ▲
by mahounofuefuki
| 2007-10-29 16:28
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