2007年 10月 18日 ( 2 )

今枝仁弁護士の解任について

光市母子殺害事件の被告弁護団の1人である今枝仁弁護士が解任された。
弁護方針をめぐる対立が原因と報じられているが、当ブログでこれまで何度も言っているように、私は事件そのものにはあまり関心がないので、弁護方針について特にコメントすることはない。
解任に至る経過は、今枝氏自身のブログ「弁護士・未熟な人間・今枝仁」や「元検弁護士のつぶやき」や「弁護士のため息」が詳しいので参照していただきたい。

私から言えるのは、今枝氏は世論を気にしすぎた、ということだけである。
最高裁の弁論欠席について釈明が必要であるとか、法医学的見地に偏りすぎであるといった今枝氏の主張は、要するにマスコミ報道による世論の誤解を解こうという意図から発していると思われる。

しかし、私に言わせれば、そんな努力はまったく無駄である。この国では権力やマスメディアが「公認の敵」として認定した者には、どんな些細なことでも攻撃する。中途半端な小細工は火に油を注ぐようなものである。
むしろ「世間」なるものに余計な「弁明」などせず、毅然と堂々と行動した方がいい。人々は光市事件に憤っているように見えて、その実「安心して攻撃できる絶対悪」をいじめることを楽しんでいるだけなので、余計な「弁明」はかえって弱みになり、いじめの対象となる。

弁護団の内部の議論を外部に漏らして、マスメディアが曲解した報道をする隙を見せてしまったのは、たしかに今枝氏の非である。
しかし、仮に今回の事がなくても世論の風向きが変わるとも思えないので、今枝氏が深く悩むこともないだろう。
橋下徹弁護士による懲戒請求扇動問題の原告としての活動は続くだろうから、これからも私は微力ながら応援したい。

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by mahounofuefuki | 2007-10-18 13:49

新テロ特措法案

政府は17日、新テロ特措法案(正式名称「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案」)を閣議決定し、衆議院に提出した。
衆議院のホームページにはまだ議案本文は掲載されていないので、正確なところは不明だが、各新聞報道によれば、現行のテロ特措法との主な相違点は次の通り。

①現行法の自衛隊の活動内容から「協力支援活動」「捜索救助活動」「被災者救援活動」を削除し、新法案ではインド洋での「海上阻止活動」に参加する各国の艦船への給油・給水活動のみを活動内容としている。
②現行法では活動開始から20日以内に国会の事後承認を必要とする規定があるが、新法案では削除された。
③新法案では特措法の有効期間は施行後1年である。

給油・給水を何よりも優先しているところに、現在の自衛隊の活動の本質が表れている。
要するにアメリカなどから捜索や救援といった人的支援はさして期待されておらず、気前よくタダで燃料と水をもらえることしか期待されていないのである。こんなものに多額の税金を投入するメリットなど一般の人々にはない。
しかも国会の事後承認規定を削除したのは、野党が参議院を握る状況に対応した露骨な国会軽視であり、とうてい容認できない。

政府が新テロ特措法案を用意する一方で、現行法が11月1日で期限切れになるため、インド洋の海上自衛隊は撤退準備に入るようだ。以下、読売新聞(2007/10/18 03:01)より。

 政府は17日、テロ対策特別措置法に基づき、インド洋で給油活動をしている海上自衛隊の艦船を同法が期限切れとなる11月1日の翌2日から撤収させる方針を決めた。
 現在、インド洋で活動に従事している補給艦「ときわ」と護衛艦「きりさめ」は、10月27日に最後の給油を行い、約3週間かけて帰国する。
 政府は当初、撤収後も、早期に活動を再開させる観点から、他国艦船との交流や演習などの名目で海自艦船を周辺海域にとどめることも検討した。だが、17日に閣議決定した新テロ対策特別措置法案の成立のメドが立っていないことから、撤収と帰国はやむを得ないと判断した。
 政府は撤収方針を決めたことを受け、これまで燃料を提供した実績のある米、英、パキスタンなど11か国に対し、各国駐在大使など外交ルートを通じて、一時撤収と早期の新法案成立を目指す方針について説明する。
この撤退を「一時撤収」にしてはならない。あくまでも全面撤退でなければならない。


(追記 2007/10/30)

議案が衆議院のHPにアップされていたので、リンクを張っておく。
第一六八回 閣第六号 テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案
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by mahounofuefuki | 2007-10-18 11:23