インターネット時代になった最大のデメリットは、不正確な情報が次から次へと広がりやすくなったことだと思っている。その最たるものがweb上の百科事典「ウィキペディア」で、専門家も素人も同等で参加できてしまい、執筆・編集の責任の所在が不明確なのに、それでいて検索の上位にくるので一定の権威をもってしまっており、その悪影響ははなはだしい。大学のレポート課題でウィキペディアに依拠した学生がみな同じところを誤記していたなんて笑えない話があるほどである。少なくとも学問の領域に含まれる事柄は、web上に確実性の高いソースが欲しいと思っていた。
そんな中、Yahoo!がweb上で無料のデジタル版百科事典を公開していることを最近知った。 Yahoo!百科事典 - 無料のオンライン百科事典 http://100.yahoo.co.jp/ ウィキペディアとの決定的な違いは、ベースが『日本大百科全書』全26巻(小学館、1984-1994年)で、項目ごとに執筆者の氏名を明記していることである。元が紙媒体なので文章量が少なく、当然即時性は全くないが、正確性が高く、責任の所在が明確であるのは僥倖である。とりあえず大学の専攻分野だった日本近代政治史の関連項目を適当に読んでみたところでは、執筆者は学界の大御所・第一人者が多く、記述内容も要所を押さえている。もちろん常に学者が正しくて、素人が間違っているということにはならないが、アカデミズムの専門性はやはり尊重されるべきであろう。 問題はベースの『全書』が10年以上前の刊行であるため、どうしても最近の研究水準からすれば記述が古くなってしまっている項目も少なくないことで、特に参考文献が古い場合が目に付く。無料コンテンツである以上、あまり贅沢は言えないが、少なくとも参考文献の追加は頻繁に行うことを望みたい。 【関連記事】 教科書の出典がウィキペディアでいいのか
by mahounofuefuki
| 2008-12-03 18:01
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