弊ブログのこれまでの「カラー」に従えば、今日は麻生新内閣について書くべきなのだろうし、読者もそれを期待しているかもしれないが、あまりにもひどすぎて、今回は正直なところ書くことがない。新内閣は「タカ派・小物・世襲」の三拍子で、一部のウヨク層以外にはどう見ても受けそうもなく、本当にこの陣容で総選挙をやるつもりなのか?と疑わざるをえない。私は以前から簡単には衆院の3分の2を手放さない、解散は先送りされると言ってきたが、本当にその可能性が出てきたような気がする。
そんなわけで全然関係ないが気になったニュースを。毎日新聞(2008/09/24 17:32)より(太字強調は引用者による)。 文化勲章受章作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが、86歳にしてケータイ小説に初挑戦、ケータイ小説サイトで名前を隠して書き上げたと24日、発表した。「ぱーぷる」のペンネームで、女子高生ユーリのいちずな恋を描いた「あしたの虹」。10代、20代の女性たちが等身大の物語を書き、女子中高生が読者の中心というケータイ小説に、大物作家が切り込んで、大きな注目を浴びそうだ。 「名前を隠して」というところがすごい。普通ある程度売れると、作家のネームバリュー自体が作品の評価に影響するが、名前を伏せてしまえば、その辺に転がっている新人やアマチュアと同じ土俵で読者の評価眼に供することになる。名前を伏せても勝負できるという自信がなければできないし、それも「ケータイ小説」という真っ当な文学者からは白眼視されているような畑違いの(つまり従来の文芸とは評価のものさしが異なる)フィールドに挑戦する気概には頭が下がる。 もちろん匿名だったということは、失敗したら逃げることも可能だったということでもあるが(ただし初めから原稿料が出ていたならそうもいかないのでやはり勇気がある)、結局、本になったということはある程度納得のいくものが書けたということだろう。 さて問題は匿名でケータイに連載されていた時、どの程度反響があったのか?ということである。当該ケータイサイトを見ると、PV数が多いわけでもなく、特に注目されていたというわけでもなさそうだ。作者が瀬戸内氏だと気づいた人も皆無だったと思われる。10日ほど前の日付の読者レヴューも読んだが、ごく平凡でありがちな感想だった。 実際、ぱっと読んだ限りでは、正直なところ格別優れているという感じは受けない。「いかにも」な内容で、公表前だったら瀬戸内作品と言われても信じなかっただろう。そして、ここからが重要なのだが、それにもかかわらず「瀬戸内が」という先入観があるので、これといって何でもないような「ケータイ小説」でも、「やはりプロットが素人ではないな」とか「文法が間違っていないな」とか「本当の若い人の言葉ではないな」と思わされてしまうのである(正確にはそこに「プロらしさ」や「年寄りらしさ」を探そうとしてしまう)。 最近、これと同じような現象を目撃している。民主党大会での小沢一郎代表の演説に対する民主党系ブロガーの反応である。私は前のエントリでも述べたように、あの演説全文を精読した時、「自分ら『氷河期世代』の『負け組』は視野に入っていないのだな」という疎外感を味わったが、多くの支持者は私の率直な感想とは裏腹に小沢演説を絶賛している。社会民主主義的だという評価さえある。しかし、これら支持者の反応は、「民主党が自公政権の政策を否定してくれる」「小沢は我らの味方だ」という先入観があって、政治家によくありがちな単なる抽象的内容であるにもかかわらず、すべて善意に解釈し、まるで「良かった探し」のように、都合のいいように解釈しているとしか思えないのである。 これは断言できるが、同じような内容の演説を自民党や公明党の人がしても、彼らは絶対に評価しないだろう。自民党や公明党にあんな演説ができるわけない? いやいや政治家というものは、その気になれば嘘八百並べてでも有権者の心をつかもうと形振り構わずリップサービスをする。実際、麻生首相は今日の記者会見で「雇用の安定の確立」なんて口にしているが、本気でやる気があるとは誰も信じまい。小沢演説も先入観を極力取り除いて聞けば、実はこれまでと同様たいして具体性はない。 表面的な言葉だけで物事を判断することはやはり慎まなければならないのだろう。たとえば私も、今年の『労働経済白書』を過大評価しすぎたと最近反省している。昨年の白書との違いを過剰に高く評価しすぎた。「何を言ったか」ではなく「何をやったか」をしっかりと把握しなければならない。 結局、話がそれて政治オチになってしまった・・・(苦笑)。 【関連リンク】 あしたの虹 - ケータイ小説野いちご http://no-ichigo.jp/read/book/book_id/89873?noichigo=r56gd3a171pbu5ft8t74pmb3sc976gcm
by mahounofuefuki
| 2008-09-24 22:53
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