国の奨学金返済の延滞額が増え続けているという。
共同通信(2008/08/23 16:28)より(太字強調は引用者による)。 国の奨学金の返済延滞が増えている。返済が3カ月以上止まっている延滞額の合計は2007年度末で、2253億円(元金残高ベース)と前年度末に比べて179億円増加、全体の7・0%を占める。全労働者の3分の1以上が不安定な非正規雇用であることを考えれば、奨学金返済の延滞が増えるのは当然である。現行の奨学金制度の返済の仕組みは、毎月連続で支払うのが基本で、新卒→終身雇用を前提としており、途中で職を失ったり、月によって所得が不定だったりすると、途端に延滞してしまう。「貧困と格差」の拡大の象徴的事例である。 私もそうだが、「氷河期世代」の比較的貧しい階層の出身者にとってとかくやりきれないのは、奨学金を借りながら高校や大学に何とか通い、そこそこの成績で出たにもかかわらず、就職戦線でこぼれ落ちて正規雇用に就けなかったり、運よく正規雇用に就けても過労や低所得や劣悪な待遇に耐えられずドロップアウトしたり、務めていた企業が倒産したりして、結局は「ワーキングプア」になっていたということが普遍的な人生になっていることである。この層はただでさえ不安定・低収入なのに、国民健康保険やら国民年金やら住民税やら各種の公共料金はきっちり定額で支払わなければならない。その上に奨学金の返済など無理な話である。 ただでさえ奨学金を受けなければならないほど、経済的に苦しい学生時代を送らされたあげく、さらに社会人になってもその返済で苦しめられることに不条理を覚える。安定雇用が「狭き門」の時代にあっては、奨学金を受けるような階層であること自体が、就職に不利に働く。子どもの頃には塾や予備校に通って教育水準の高い学校に入り、血縁・地縁をはじめとする諸々のコネと世渡りのノウハウに恵まれた金持ちたちと同じ土俵で勝負などさせられては、貧乏人に勝ち目はない。前借金としての奨学金を得ても、まともな仕事に就ける保障がない以上、あえて誤解を恐れず言えば、現代の奨学金(返済のいらない給付奨学金を除いて)は一種の「貧困ビジネス」と化している。 政府は法的措置を含め、回収に躍起になっているようだが、延滞者の多くがカネを支払えないような経済状況にあるのは、これまでの国の貧困拡大政策に起因する以上、返済を免除し、国庫で負担するべきである。「たったの」2253億円である。ちょうど同程度のアメリカ軍への「思いやり予算」をやめれば賄えますよ。 【関連記事】 学歴と結婚と階級社会 貧困のために学費を減免されている公立高校生は22万4000人
by mahounofuefuki
| 2008-08-25 22:34
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