私はいくつかメルマガを購読しているのだが、そのうちの1つに「余計者にも五分の魂」というのがあった。
田中良太さんという元某全国紙の政治記者だった人の時評なのだが、その見識の高さと今の新聞記者にはない気骨に感服していた。かつて小泉純一郎を礼賛する本を出していたらしいので、そのあたりに疑問がないではないが、少なくとも私が購読してからは至極真っ当な時評が多く、しかもイデオロギー色やインテリ臭がなく、豊富なキャリアに裏打ちされた確かな分析に毎回唸っていた。当然私とは考えが違うことも多々あるが、それでも「そういう考え方もあるな」と思わせる説得力があった。 その「余計者にも五分の魂」は昨年9月を最後に長らく配信されず、ホームページも閉鎖され、著者が高齢なだけに心配していたのだが、今月に入って復活をとげた。メルマガのタイトルも「空気を読まない」に変わり、さらにインターネット新聞JANJANで「大気圏外」という日刊コラム(内容はメルマガと同じ)も始めたのである。筆鋒に衰えはなく、その名の通り日本を支配する「空気」に屈しない姿勢は相変わらずで、人生経験がにじみ出る言葉の「厚み」は、私のような「青臭いネット左翼」(自分で言うのも変だが)には羨ましい限りだ。 今日も政府・与党が日銀次期総裁に指名している武藤敏郎氏の過去について論じているが、すでに私が(そしておそらく大多数の人々が)忘却していた1995年の二信組破綻問題や98年の大蔵省接待問題当時における武藤氏の「遊泳術」に注目している。管見の限りこうした視点で現在の日銀総裁人事問題を論じた例はない。武藤という人物が到底日銀総裁の器にないことが容易に想像できる。 今さら私のような者が紹介するのも恐縮だが、知らない人もいると思うのであえてブログに取り上げた。お勧めです。 メルマガ → 空気を読まない-まぐまぐ! Webコラム → コラム・大気圏外-JANJAN
by mahounofuefuki
| 2008-03-11 22:00
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