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ロフトの雇用改革について

 生活雑貨大手のロフトが、今月16日より無期雇用を希望するパート・契約社員全員を正社員とすることが報道されている。
 要点をまとめると、①現在パート社員2650人いるがそのうち2350人が正社員を希望している。②正社員・契約社員・パートの区分を廃止し、代わって「基幹社員」「リーダー」「フロント」の新区分を設け、いずれも無期雇用を希望する人を正社員とする。③新制度では非「基幹社員」からも幹部・専門職を登用する。④パートの時給は3段階だったが、「フロント」は8段階に細分化し、時給の上限と下限を引き上げる。⑤労働時間は「フロント」が週20~40時間、「基幹社員」「リーダー」が週32~40時間から選択可能とする、といったところである(朝日新聞2008/03/02 10:37、読売新聞2008/03/02 19:57、日刊スポーツ2008/03/03 12:34)。

 現在の非正規雇用の最大の問題は何と言っても細切れの有期雇用による生活の不安定であり、職種に関わらず無期雇用とすることは大いに評価してよい。また「パートタイム正社員」を容認したことも大きい。現在一般的な「フルタイムの正社員」か「パートタイムの非正社員」かの二者択一では、何らかの事情でフルタイムでは働けない人は決して正規雇用にはありつけない。過労の正社員と不安定な非正社員の二極化が進む現状に一石を投じていると言えよう。
 職能ランクを細分化し、給与の差を広げるという能力主義を強化している面もあるし、どれほどパート社員が基幹社員に登用されるのか未知数だが、現状では大きな前進と言ってよいだろう。「生活給」の時代が終焉してしまった現在、「職務給」を前提とした制度としては、今回のロフトの新制度はベターだと思う。

 もう1点、このニュースで注目しなければならないのは、パート従業員の8割以上が正社員になることを希望している点である。多くの経営者や新自由主義者は非正社員が好きで非正社員をやっていると喧伝しているが、実際は正社員になりたいのに、仕方なく有期雇用に甘んじているのである。最近の「ハケンの反撃」もそうだが、有期雇用から無期雇用へ、間接雇用から直接雇用へという流れを何としても推進したい。
by mahounofuefuki | 2008-03-03 22:22


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