この国では行政不信があまりにも深いため、「役所は小さければ小さいほどよい」という信仰が今も幅を利かせている。何かというと「民営化」「公務員削減」で、右も左も「行政改革」というと無条件で喜ぶ。昨年の独立行政法人「改革」の際も真っ向から反対した人が何人いたか。民営化=効率が上がるという「神話」が成立しないことは、すでに郵政民営化で学習済みである。
「行革」の現実を如実に示すニュースがある。以下、日本経済新聞(2008/02/26 07:00)より(太字強調は引用者による)。 厚生労働省は公共職業安定所(ハローワーク)を2008年度中に26カ所廃止する方針を決めた。廃止の内訳は安定所が8カ所、より規模の小さい出張所と分室が合わせて18カ所。また、16カ所を安定所から出張所に格下げする。ハローワークの数とともに職員の定員も減らし、人件費の削減につなげる。(後略)全国にハローワークは600か所以上あったが、小泉・安倍時代の2005-07年度に32か所が廃止された。そして「生活者重視」を掲げる福田政権になっても職安切り捨て路線を続けることが明らかになったのである。まさに看板に偽りありである。 インターネットで求人を検索できるようになったため、職安の規模は縮小するべきであるという見方があるが、職安の仕事は職業紹介だけではない。企業側への行政指導や雇用保険業務や労働者からの相談に応じる仕事もある。「貧困と格差」が拡大し、有期雇用が増える中で、ハローワークの役割はかつてよりも重要になっている。 ハローワークの削減は何より弱い立場にある人々のことを全く考慮していない。たとえば雇用保険による失業給付を受ける手続きを行うには、必ず職安へ足を運ばねばならない。削減されるエリアの失業者は今までよりも遠方の職安まで行かなければなくなる。交通費が支給されるわけでもないのに、とんだ理不尽な仕打ちだ。 「行政の無駄を省く」という美名のもとで実際に進行しているのは、行政サービスの悪化である。主権者は行政のコスト削減を要求するのではなく、コストに見合った行政サービスの充実を要求するのが筋である。いいかげん公務員が少ないほどよいという「行革神話」から目を覚ましてほしい。 【関連リンク】 ハローワークインターネットサービス
by mahounofuefuki
| 2008-02-27 13:18
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