今年7月に予定されている北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)へ向けて治安維持活動の強化が着々と進んでいる。昨日(1月29日)は、関西で行われる閣僚会合のための警備訓練が堺で行われたが、6府県警、警官1300人、車170台の前代未聞の大規模訓練で(共同通信2008/01/29 17:22)、まるで軍事演習さながらの「剥き出しの暴力」に正直なところ不快感を持った。
近年のサミットでは時に抗議行動が過激に行き過ぎ「暴徒」化することは否定しないが、現在の日本政府の方向性はまるで「反グローバリズム」=「暴徒」=「テロ」と決めつけており、むしろまともなサミット批判の声も封じてしまおうという意図が窺える。そもそもデモ=示威行動とは権力に対する民衆の一種の「威嚇」の意味合いがあり、「平和的」なデモと「暴力的」なデモの線引きは明瞭ではない。結局はどさくさに紛れてあらゆるサミット批判の動きを封じてしまうのではないか非常に心配である。 昨日の訓練では「『サミット反対』と叫びながらジグザグ行進するデモ隊の規制や、火炎瓶や石を投げる暴徒を放水車やガス銃などで鎮圧する」(時事通信2008/01/29 15:51)などしたようだが、これではまるで「サミット反対」を唱えること自体が問題であるかのような印象操作である。近畿管区警察局の伊藤茂男局長は「国際テロや反グローバニズム運動が台頭しており、きちんと対応しないといけない」(共同通信、同前)と訓示したというが、ここでも「テロ」と「反グローバリズム」を同一視している。 近年、サミットに対する不満の声が世界で高まっているのは、実際問題として経済のグローバル化が人々の生活を破壊しているからで、特に自由競争万能の新自由主義が世界を席巻して以来、貧富の格差は拡大する一方で、一握りの大国の集まりであるサミットはその新自由主義の主導者とさえ目されている。そうした背景を無視し、単に「弾圧」一辺倒では世界の人心はますますサミットから離れるだろう。 読売新聞(2008/01/24 03:26)によれば、政府はサミット開催中に航空機がハイジャックされた場合、武力攻撃事態対処法を拡大解釈して撃墜することも検討しているという。「具体的には、ハイジャックが確認された時点で、航空自衛隊のF15戦闘機が千歳基地(北海道)を緊急発進し、ハイジャック機に対し近傍の空港への着陸など警告を繰り返す。それに従わず、ハイジャック機が衝突1分前の地点まで到達した場合には、射撃命令を発して撃墜する」シミュレーションが行われているという。 ハイジャック機がサミット会場に衝突する被害と撃墜による墜落の被害とを天秤にかけた時、常にそれが妥当かという現実問題もあるが、法的に明らかな逸脱ではないのかという疑念が拭えない。北海道の住民にとっては笑って見過ごせることではない。 北海道ではサミットの悪影響がすでに出ていて、サミット期間中に予定されていたイベントが「自粛」させられたりしている。今後、「テロ対策」を口実にますます住民監視と行動規制が強化されるだろう。ここまでしてサミットを開く意味があるのか、G8の一員にしがみつくメリットが本当にあるのかしばし考える必要があるだろう。
by mahounofuefuki
| 2008-01-30 08:54
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