相次ぐ労働者派遣法違反行為により、東京労働局から最長4カ月の事業停止命令を受けた日雇い派遣大手のグッドウィルは、今日(1月18日)から全国708の全事業所の事業を停止している。昨年やはり禁止業種への派遣事業が発覚したフルキャストに続いて、派遣大手が重い処分を受けたことは、改めて「日雇い派遣」という雇用形態の全面的な見直しを問うていると言えよう。
偽装請負、二重派遣、給与からの不透明なピンハネなどなど、グッドウィルはやりたい放題であった以上、この処分は当然ではあるが、問題は事業停止によってグッドウィルに登録している派遣労働者は完全に失業してしまうことだ。経営者の罪を労働者が負う不合理はあってはならないが、実際には労働者は放り出されている。 厚生労働省の資料によるとグッドウィルの派遣労働者数は、先月の時点で1日平均約3万4000人。日雇い派遣の場合、複数の派遣会社に登録している人々が多いだろうが、それにしても万単位の労働者が職を失うことには変わりはない。 厚生労働省職業安定局は1月11日、事業停止命令に際して雇用対策を発表しているが、各都道府県労働局への相談窓口の設置とハローワークの強化くらいで目ぼしい対策はない。 株式会社グッドウィルに対する行政処分に伴う派遣労働者の雇用対策について-厚生労働省*PDF 一方、派遣ユニオンとグッドウィルユニオンは、17日付で緊急声明を発している。 見殺しにするな~グッドウィル事業停止に伴う緊急声明-レイバーネット 以前当ブログでも書いたが、昨年から日雇い派遣にも雇用保険が適用され、失業の場合にはいわゆる「アブレ手当」が出るはずなのだが、なんとグッドウィルは雇用保険の適用事業所申請を行っていないのである。しかも、ユニオン側は厚労省に対し日雇い雇用保険への遡及加入を要求したが、厚労省はこれを拒否したという。 グッドウィルユニオンはこの声明で、労働基準法第26条等に従いグッドウィルが賃金を全額保障し、厚労省には日雇い雇用保険の遡及加入措置を講じるよう改めて要求している。両者はすみやかに要求に従うべきである。 *なおグッドウィルユニオンは今日(1月18日)より1週間、「失業ホットライン」を設けて日雇い派遣労働者の電話相談を受け付けている。前記レイバーネットのリンク及び下記「関連リンク」のグッドウィルユニオンのブログを参照。 厚労省はすでに今年度中の労働者派遣法改正を見送り、当面現行法の枠内で日雇い派遣の規制を強化する指針案を労働政策審議会に提示しているが、報道によればその内容は派遣先への「管理台帳」作成義務づけや派遣元による派遣先の巡回確認などで(時事通信 2008/01/16 19:00)、いくらでも偽装可能な小手先の改善策でしかない。 以前も指摘したが、労働者派遣法を派遣労働者保護法に変える抜本的な改正が必要であり、何よりも非正規雇用から正規雇用への転換と、正規・非正規にかかわらず人間らしい扱いを受ける労働環境づくりという大枠がなければ、今回のグッドウィルのようなことは繰り返されるだろう。この問題は誰にとっても他人事ではありえない。 【関連記事】 日雇い派遣にアブレ手当 労働者派遣法改正問題の行方 【関連リンク】 東京労働局 グッドウィルユニオン 全国ユニオン
by mahounofuefuki
| 2008-01-18 17:07
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