今日のNHKニュースが春闘について報じている。すでに労組の組織率が2割を切り、非正規雇用が全雇用の3分の1を占め、企業間格差が極限まで増大している現在、もはや春闘は一部の大企業正社員以外には「遠い国の出来事」だが、逆に言えば、市場原理主義に対する批判意識が高まり、国会では与野党逆転状態にある今こそ、春闘を真の労働者の権利闘争とすることができるか試されていると言えよう。
以下、NHKニュース(2007/01/03 18:57)より。 (前略)ことしの春闘は、今月23日に連合と日本経団連のトップが会談し、交渉が本格化します。連合は、戦後最長の景気回復が続く中で企業の利益が役員報酬や株主への配当に回され、労働分配率が下がり続けているのはおかしいとして、毎月支払われる「月例賃金」の引き上げを一斉に要求していく方針です。また、働く人の3分の1を占める非正規の労働者の待遇改善にも力を入れ、格差の解消や労働者全体の賃金の底上げを目指す考えです。これに対して日本経団連は、企業の業績の改善についてはボーナスに反映させることが基本だという姿勢を強調するとともに、賃金は企業の業績に応じて個別に決めるべきだとして一斉の引き上げについては否定的な考えを示しています。その一方で、景気の回復傾向が続いているにもかかわらず個人消費が力強さを欠いていることに配慮して、好調な業績が続くと見込まれる企業については賃金の引き上げを事実上容認する方針です。(後略)大企業が空前の収益を上げているのに、株主と経営者の取り分ばかりが増大し、労働者の所得が減少し続けている以上、連合が賃金の一斉引き上げを要求するのは当然である。 しかし、賃金引き上げが正社員に限定した場合、むしろ非正社員の賃金が抑制される可能性がある。連合は今年の春闘方針で、パートタイム労働者の均等・均衡待遇を目標に掲げているが、要求の優先順位をどう考えているのか。報道が伝えるように、すでに日本経団連が業績の良い企業の引き上げを容認しているようだが、それに乗じて非正規雇用の条件問題よりも、既成の正社員の賃上げ要求を優先すれば、またしても正規・非正規労働者間の格差が拡大する。 もう1つ気になるのは、現在の労働現場における「国民病」とも言える長時間労働の是正について今のところ具体的な動きがないことだ。連合の闘争方針では「長時間労働を是正しワーク・ライフ・バランスを実現するため、総実労働時間の短縮、36協定の内容の再確認など労働時間管理の徹底と不払い残業撲滅に取り組む」という抽象的な文言だけで、具体的に月あたり何時間短縮するといったようなことは書かれていない。賃金の引き上げ要求については、非常に具体的な目標水準を明記しているのとは対照的である。 極端な話、非正社員のほとんどは正社員の賃上げなど望んでいない。ますます不均衡を思い知らされるだけで、余計屈辱感を増すからだ。ましてや正社員の賃上げ分だけ非正社員の賃下げが行われたり、正規雇用から非正規雇用への切り替えが行われては元も子もない。 しかし、長時間労働の方は、現在正規・非正規に共通した問題である。確かに非正社員の中には正社員を憎むあまり、正社員の過労を喜んでいる歪んだ人も少なくないが、不当に長い残業や休日の少なさは非正社員にとっても切実な課題である。これだけ過労死が横行し、過労による精神疾患が急増している以上、ある意味、賃上げよりも時短の方が重要なのではないか。 どの世代、どの階層、どの職種の人々と話しても、長時間労働に苦しんでいる人が非常に多いのが実感だ。1人当たりの労働時間の短縮は雇用数の増加にもつながる。賃上げが不要とは言わないが、労組にはもっと時短を強く要求してほしい。 【関連リンク】 連合|2008春季生活闘争方針 連合|2008春季生活闘争 当面の方針 その1
by mahounofuefuki
| 2008-01-03 23:34
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