管見のところでは産経新聞しか報道していないが、政府が来年度の生活保護基準の引き下げを見送る方針を固めたという。にわかには信じがたいが。
以下、産経新聞(2007/12/09 22:10)より。 政府・与党は9日、平成20年度から引き下げを検討していた、生活保護費のうち食費や光熱費など基礎的な生活費となる生活扶助の基準額について、見送る方針を固めた。ただ地域間の基準額の差を実態に合わせ縮小するなどの微修正は行う。生活保護費全体の総額は維持される見通しだ。事実とすれば、相次ぐ批判の声が政府の既定方針を覆したことになるが、以前ブログで指摘したように、経済財政諮問会議の「骨太の方針」が生きている限り、生活保護の切り下げはいつでも起こりうる。 仮に今回の予算編成で見送られても、翌年度に先送りになるだけの可能性が高く、依然として危険なことに変わりはない。また、来年度の生活保護に関する歳出総額が維持されるとすれば、代わりに別の社会保障分野の歳出が削減される危険性もある。「骨太の方針」が年間2200億円の社会保障費削減を義務づけているからだ。決して手を緩めることなく、政府の「社会保障つぶし」に対する反抗を続けなければならない。 《追記》 読売新聞(2007/12/10 13:20)によれば、「厚労省は、級地の違いによる基準額の差の縮小を引き続き検討する方針だ」という。地域の物価水準により生活扶助額に差があるが、これを縮小するということだ。要するに地方に合わせて、都市部の生活保護給付を削減する可能性が高い。これでは事実上の引き下げである。 なお、生活保護問題対策全国会議が、2月10日付で緊急声明を発し、厚労省のいう「級地格差」のまやかしを実証的に批判している。ご一読を。 生活保護問題対策全国会議blog [ 緊 急 声 明 ]「級地」の見直し(生活保護基準切り下げ)も許されない! 《追記 2007/12/13》 やはり危惧した通り、「地域間格差」の是正を口実に、都市部では生活保護基準を引き下げるようだ。朝日新聞(2007/12/13 08:01)や北海道新聞(2007/12/13 20:46)によれば、約8400億円の歳出総額を維持した上で、地域ごとの配分を変えるという。上記の生活保護問題対策全国会議の声明が指摘するように、これでは実質的な引き下げである。 最も貧困者の多い都市部への狙い撃ちは、政府に貧困を解決する意思がないことを示す。引き続き「弱者つぶし」に反抗の声をあげねばなるまい。 【関連記事】 新たな「棄民政策」 「ネットカフェ難民」排除の動き 民間給与実態統計調査 最低賃金法改正案・労働契約法案における民主党の妥協 最低賃金と生活保護-北海道新聞の記事より 生活保護切り下げは厚生労働省の「自作自演」の貧困拡大策 生活保護基準引き下げは小泉が与えた「宿題」 【関連リンク】 厚生労働省:生活扶助基準に関する検討会第1回資料 厚生労働省:生活扶助基準に関する検討会第2回資料 厚生労働省:生活扶助基準に関する検討会第3回資料 厚生労働省:生活扶助基準に関する検討会第4回資料 厚生労働省:生活扶助基準に関する検討会第5回資料 生活扶助基準に関する検討会報告書(案)*PDF 生活扶助基準に関する検討会報告書参考資料*PDF 厚生労働省:平成18年度社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)結果の概況 経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006*PDF 社会保障予算~歳出削減と制度構築の在り方~-厚生労働委員会調査室 秋葉大輔*PDF 生活保護問題対策全国会議blog 生活保護問題対策全国会議 特定非営利活動法人 自立生活サポートセンター もやい 反貧困ネットワーク
by mahounofuefuki
| 2007-12-10 11:42
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