数日前に元外務官僚の天木直人氏が、ブログで「廃止すべき法律は山ほどある」というエントリーを挙げておられた。
廃止すべき法律は山ほどある-[公式]天木直人のブログ 天木氏は、ほとんどの法律が「ろくな審議もされず、そしてマスコミに報道される事もなく、つぎつぎと成立する」現状を批判し、与党の議員は選挙活動ばかりで勉強せず、ただ官僚の作った法案に自動的に賛成するだけであること、野党の議員は多すぎる法案に対応できず、悪法でも知らずに通してしまうことを嘆いていた。 氏は改正建築基準法を例示していたが、改正派遣労働法や改正独占禁止法や国旗国歌法なども、事の重大性に気付かぬまま国会で十分な審議が行われずに成立してしまった法律だろう。現在、参議院で審議中の労働契約法案もまさに「ろくな審議もされず」に衆議院を通過し、成立の阻止は非常に厳しい情勢である。 マスメディアはすべての法案を報道することなどできないし、そんなことを誰も望んではいまい。主権者たる私たちも国会ごとに全部の法案をチェックするのは、よほどのヒマ人でもない限り無理である。 新テロ特措法案のように条文も少なく、問題がわかりやすいと報道も世論も注目するが、一見何も問題がないないように読める法案はスルーしがちである。 官僚は重大な事を何でもないように記述する技術に長けているため、地味で目立たない法律の中にとんでもない「悪法」が潜んでいることも珍しくない。 この国では、一度決まってしまうと、それを所与の条件として受け入れてしまい、戻すことをあきらめてしまいがちである。 与党も野党も次々と新しい「改革」を打ち出すが、現在存在する「悪法」の廃止を訴えることをしない。 先の参院選で、私は共産党や社民党が教育基本法の「復旧」を前面に出して訴えると思っていたのだが、党のビラやパンフレットにはほとんど触れられていなかった。 国民新党は郵政民営化の中止を訴え、今国会では郵政民営化凍結法案を民主・社民両党とともに参院に提出したが、民主党が参院の議事運営を握っているのもかかわらず、未だ議事に付託されていない。つまり民主党は本気で郵政民営化の凍結を考えていないのである。 その民主党は、「法案の嵐」と称して、新法案を次々と繰りだしているが、現行法の全面的な廃止案は「イラク特措法廃止案」くらいである。 しかし、現在の日本では新しく何かやるよりも、まず「今そこにある悪法」を廃止することの方が先ではないか。 特に小泉・安倍政権が強行した法律、前記の改悪教育基本法や国民投票法や個人情報保護法や金持ち優遇税制に関する税法や規制緩和された労働法制などなど、「元に戻す」べき法律が山ほどある。 「改革」よりも「新法」よりも「悪法廃止」による「復旧」こそが必要なのではないか。 「復旧」というと保守主義的であるが、この数年に自公政権が強行した「改悪」をとりあえず中止しない限り、新たな「改革」など無意味である。 多くの人々は最近10年間で所得を減らし、資産を減らし、社会保障を削られ、労働時間は長くなり、過酷な競争を強いられ、身も心もボロボロにされている。「昔の方がよかった」と思っている。 「構造改革」のせいで生活が悪くなる一方なのだから、それを「復旧」することは決して後退ではない。 野党は次期総選挙で「真の改革」などと言わず、「今ある悪法の撤廃」を前面に押し出すべきではないか。 そうすることが「一度決まったことは覆らない」という大衆意識を変える契機となり、「一度決まってもあきらめない」主権者を形成する前提となるように私は思う。 保守派を切り崩す方法論としても好都合だろう。
by mahounofuefuki
| 2007-11-24 14:30
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