「死亡38人」の重み

血液製剤投与による薬害C型肝炎感染の疑いが濃厚な患者リスト(厚生労働省が放置していた)に記載された418人に関する調査状況を、田辺三菱製薬(旧ミドリ十字)が厚労省に報告した。

11月16日時点で、418人のうち242人をほぼ特定し、このうち73人に医療機関から血液製剤投与の事実を告知したという。73人のうち治療済みは13人、治療中は23人で、残りは治療の有無を確認できないという(読売新聞 2007/11/20 12:37)。
一方、身元判明者のうち38人の死亡を確認し、24人が所在不明だという(同前)
田辺三菱製薬は「厚生労働省から具体的な指示がない」として38人の死因調査を行っていない(朝日新聞 2007/11/20)。
また、身元不明の残りの176人については、医療機関の廃院や投与記録の廃棄などで特定が難しくなっているようだ(毎日新聞 2007/11/20 12:45)

死者が242人中38人というのは、想像以上に多い。
投与時期や年齢を考慮すれば、このうちの相当数が肝炎による死亡ではないか。もっと早くしっかりした調査を行っていれば、こんなことにならなかったことは誰の目にも明らかだ。
製薬会社はこの期に及んで、死因調査を渋り、死亡した患者への遺族への通知を医療機関の判断に委ねているというのだから(朝日同前)、その無責任ぶりにあきれるしかない。

薬害C型肝炎訴訟は裁判所が和解勧告を出し、微妙な状況に入っているが、一部の報道では政府側はすべての患者ではなく、投与時期により限定して、一部の患者のみに賠償に応じる準備を進めているという。厚労省の狙いは原告の分断であり、少しでも責任を回避しようという姿勢が明白だ。
厚労省といい、製薬会社といい、まったく反省はなく、自己保身しか考えていない。

一連の問題の教訓は、行政や企業は腐りきっており、何も期待してはならず、不正に対しては妥協することなく闘い続けるしかないということだ。
泣き寝入りして殺される前に、あらゆる手を尽くして闘うしか、虐げられた者が生きる道はない。これはすべての問題に通じるだろう。

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by mahounofuefuki | 2007-11-20 22:47


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