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NOVA前社長と「俗物」の境地

「構造改革」の最大の罪は、とても何千人、何万人もの従業員を抱える能力などない、自分のエゴを無限に満たすことしか考えない腐った経営者を野放しにしたことである。
最近経営破たんした英会話学校「NOVA」のオーナー猿橋望も、そんな生ゴミのひとりで、心底腐りきった最低のモンスターである。
10月30日に保全管財人がNOVAの社長室を公開したが、恥ずかしくなるほど「俗物」の欲望が詰まった部屋で、ただただあきれるばかりだ。

朝日新聞(2007/10/30 22:10)には、社長室の見取り図と写真が数枚掲載されているが、赤じゅうたんや革張りのソファーはまだいいとして、なぜかバーカウンターがあり、高級酒が並んでいる。大阪市内を一望できるというテラスや豪華なシャンデリアにも驚かされるが、何より問題なのは奥に「隠し部屋」があることで、猿橋専用の茶室(!)と寝室と浴室が隠されていることである。趣味の悪い掛け軸がかかった茶室は、なぜ会社にこんなものがあるのか全く理解不能の代物であるし、やはり趣味の悪いカーテンがかかった寝室は、どう見ても「愛人」がいそうなオーラに満ちており、公私混同もはなはだしい。

どこにも「知性」や「教養」はなく(あの茶室に文化の香りはまったくない)、「カネ」と「酒」と「女」しか極められない「俗物」の境地が、猿橋の社長室といえよう。
安給料と有期雇用で不安に怯えながら過労を強いられている英会話講師たちのことなど、微塵も考えていないことが明白である。

ところで今日(11月5日)になって猿橋側の弁護士が、一連の疑惑に反論する「上申書」を大阪地裁に提出し、この社長室についても弁明した。それによれば「報道された部屋はネットワークを使えば家を出ずに仕事ができる『職住一体』をデモンストレーションするための『モデルルーム』で社長室ではな」く、茶室は「テレビ電話によるお茶のレッスンを実験する予定だった」という(産経新聞 2007/11/05 17:09)。
しかし、それでは「モデルルーム」なのになぜ非公開だったのか、なぜ茶室が寝室と同じエリアに「隠し部屋」としてあるのか、説明がつかない。会社内では「社長室」と把握されていたのだから、これは単なる言い逃れだろう。

現在、猿橋に対しては、関係会社が購入したテレビ電話機材を数倍の価格でNOVAに売りつけた容疑や、株価操作の容疑がかけられている。前者は土地ころがしや企業ころがしの延長線上のやり口であり、後者は一種のインサイダー取引であり、現代の金持ちたちの典型的な利殖法である。
しかも、経営破たんし、裁判所が保全命令を出した前後に、猿橋とその親族が保有していた関連会社の株式を、保全管財人に委ねず、全て同一人物に売却していたことも明らかになっている(毎日新聞 2007/10/31 05:37)。最後の最後まで、経営責任を放棄し、自分のことしか考えない姿に強い憤りを覚える。

前記上申書は、一連の容疑も全面否定しており、猿橋は訴訟で争うようである。
今後もNOVA問題は目が離せないだろう。
by mahounofuefuki | 2007-11-05 21:11


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