「2ちゃんねる」で弁護士の橋下徹氏とその家族に対する「殺害予告」の書き込みがあり、橋下氏は刑事告発したという。
橋下氏のブログ(橋下徹のLawyer’s EYE)によれば、この書き込みについて日弁連に通報があり、過去ログを調べたところ「ほぼ100%イタズラであることが判明」したという。しかし、「当法律事務所、マネジメント会社、警察との協議により」橋下氏や家族の立場を考えて告発に踏み切ったという。 匿名で不特定多数に対し「殺害」を予告するというのは、いたずらにしても悪質である。 私は当ブログで何度も橋下氏の姿勢を批判してきたし、今も彼の資質や行動に強い疑問をもっているが、だからと言ってこうした卑劣な方法で橋下氏を攻撃することは、私としても決して許すことができない。 ただ「ほぼ100%イタズラ」とわかっている(=実際に危害が加えられる可能性がない)にもかかわらず、刑事告発というのは「行き過ぎ」ではないかという思いもある。とはいえ告発自体は正当であるから、私からこれ以上とやかく言うこともない。 私が問題にしたいのは、マスメディアの報道のあり方である。 今年5月、日弁連に対し、光市母子殺害事件について「その元少年を死刑に出来ぬのなら、まずは、元少年を助けようとする弁護士たちから処刑する!」「裁判で裁けないなら、武力で裁く!」「最悪の場合は最高裁判所長官並び裁判官を射殺する!」などと記した脅迫状と銃弾(模造)が送られた。 また7月には、朝日・読売両新聞社にも光市事件の被告弁護団に対する脅迫状が送られた。 さらに9月には、被告弁護団に加わる村上満宏弁護士の事務所のネームプレートに傷が付けられる嫌がらせがあった。 これらの脅迫事件はいまだ解決していないが、問題なのは新聞やテレビが一向に大きく報道しないことである。ネット上でも特に怒りの声はなく、むしろ「やられて当然」という声すらあった。 一方、今回の橋下氏に対するいたずら事件は、テレビが比較的大きく取り上げ、ネット上でも話題になっている。この差は何なのか? 単なるいたずらで、実際に生命の危険性にさらされたわけでもない橋下氏の事件は喧伝されるのに、模造銃弾を送るほど殺意を明示している者に狙われている弁護団の事件は黙殺されるのは、あまりにも不公正だ。 たとえどんなに意見が違い、気に入らないからと言って、言論に対する脅迫に明確な抗議の声を上げないのは、言論人・言論機関として自殺行為である。沈黙を守ることは脅迫を肯定したのも同然である。 今回改めてマスメディアの報道の偏りに強い怒りを覚えた。 誰であろうと言論に対する暴力は絶対に容認できないことをはっきり認識してほしい。
by mahounofuefuki
| 2007-10-16 20:40
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