社会保険庁による年金保険料の着服・不正受給の追加調査が発表になった。
社会保険庁職員と市町村職員の不正はさらに増え、計153件、総額4億1300万円余りに達したという。 一連のニュースに多くの人々が怒り、今や社会保険庁はまるで「犯罪集団」の扱いである。 しかし、これら一連の年金着服・横領報道は、もっと大きな「犯罪」を隠すための情報操作である。 民主党が国政調査権を行使して出させた社会保険庁の資料によれば、1952年度以降、国民年金や厚生年金の保険料を給付以外に流用した総額が、なんと6兆7878億円にものぼるのだ。 その内訳は次のとおりである。 福祉施設費(厚生年金会館など) 5兆4281億円 年金福祉事業団への出資金(グリーンピア、住宅融資など) 1兆953億円 年金事務費(年金記録管理システムなど) 8519億円 (以上、読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070914it15.htm?from=topによる) 着服の4億円などどうでもよくなるような、とんでもない数字である。 特に問題なのは、年金福祉事業団への出資である。グリーンピアなどの年金保養施設は、ほとんどが地域への利権であり、需要を考慮せずに乱立した結果、どこも不採算に終わった。 しかも、この年金福祉事業団は、厚生省の高級官僚の天下り先を確保するために作られたような組織だ。いわば、キャリア官僚の所得に年金が流用されたのである。 さらに、保養施設の誘致には自民党議員が絡んでおり、その責任は重大である。 ところが、この「流用問題」はあまり報道されず、もっぱら下級職員の「着服問題」ばかりがクローズアップされている。 これは、エリート官僚と自民党の「犯罪」から人々の目を逸らすために、わざと下級職員の「犯罪」を大きく発表して誘導しているのである。情報操作以外の何物でもない。 社会保険庁は、解体・民営化が既定路線となっているが、そこで最も打撃を受けるのは、現場の職員である。いまや「公認の敵」として大衆からバッシングを受け、与党も野党も得点稼ぎのために、社会保険庁攻撃を利用している。 厚生省の高級官僚たちは、民営化しても別に困らない。しかし、現場の職員にとっては死活問題である。一部の不心得者のせいで、大半の真面目に働いている職員の生活が破壊されるのは心苦しい限りだ。 「着服問題」という「小さな犯罪」よりも、「流用問題」という「大きな犯罪」にこそ注目してほしい。「4億円」と「6兆7000億円」の差をもっと重視してほしい。 そうすれば、本当の「敵」が見えてくるはずである。
by mahounofuefuki
| 2007-09-22 02:52
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