中教審が、中学校の保健体育科で「武道」を必修とする、学習指導要領改訂原案をまとめたという。
教育基本法改悪の直接の影響である。 生来身体虚弱で、運動能力が極度に低かった私には、悪夢のような話だ。 政府の狙いは、武道を通して、子どもの身体の規律化を強化し、 権力に従順で、不正にも異議申し立てできない、ロボットのような人間をつくることにある。 まさしく軍事教練の復活である。 しかも「ダンス」まで必修化するというのだから呆れる。某国のマスゲームでも目指すのか。 今回の改訂は、改悪法の「伝統と文化を尊重」という条項に従ったのだが、日本の「伝統」は何も柔道や剣道ばかりでない。 「世直し」も「民主主義」も日本の過去からの遺産である。 つまるところ、「伝統」とは単に現代人が自己の都合に合わせて、過去の多様な事物から「つまみぐい」して形成されたものにすぎない。そんなものが教育内容の選別基準になってしまったことに、強い憤りを覚える。 地域の道場や体育系大学との連携に予算を支出する、というのも問題だ。 これら道場はたいてい自民党の国会議員と密接な関係がある。体育系大学は保守的知識人の牙城だ。神社との関係も深い。まさに安倍政権を支える国家主義勢力に対する新たな利権である。しかも、彼らが学校に出向して、教員や生徒に指導するようなことになれば、それこそ、職業軍人が学校に配置された軍事教練の再現である。 体育の重視が、病気や障害のある人々を差別、選別するおそれもある。 兵役復活への第一歩とさえなるかもしれない。 今回の改訂を断固空洞化させる必要があるだろう。
by mahounofuefuki
| 2007-09-05 08:50
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