アフガニスタンでタリバンに拘束されていた韓国人人質が、ようやく全員解放された。
すでに2人の人質が殺害され、事態は長期化していただけに、ひとまず安堵した。 今回の解決は韓国政府の粘り強い交渉が功を奏した。 イラクで日本人が拘束された時、現地の宗教指導者に丸投げし、あまつさえ人質への中傷を繰り返した(香田証生さんの時に至っては見殺しにした)日本政府とは大きな相違である。 今回、韓国側は(少なくとも表向きは)最小限の譲歩で解放を勝ち得た。外交における交渉力の重要性を改めて認識させられた。 ところで、日本のイラク拘束事件の時、日本政府は人質の「自己責任」論を喧伝し、大衆もそれに乗って、人質への攻撃を加えるという事態になったが、韓国でも事情は同じらしい。 東亜日報(08/31/08:01)によれば、韓国の大統領報道官は「関係当事者たちが責任を取るべきことがあれば取るべき」と述べ、政府が使った費用の賠償請求を示唆したという。 世論も人質の「自己責任」を問う声がネットを中心に高まっているという報道もある。 志を持って社会活動をしている人々への心ない中傷は、そうした活動をやる勇気のない臆病者たちの小心さの裏返しである。 臆病者は、自分ができないことに汗を流す姿を見せられることで、自分の情けなさに否応なく気付かされる。それならそれで、沈黙していればよいのだが、「情けない自分」を認めたくない人々は、開き直って志のある人々を攻撃する。 日本だけの現象かと思っていたが、韓国でも類似の事態が起きているというのは悲しい。 今回の拘束事件ではっきりしたのは、アフガニスタンは無政府状態に逆戻りしたということだ。 その責任は言うまでもなく、アメリカ政府にある。アメリカが起こした戦争は、アフガンに安定を取り戻すどころか、ますます混迷と混乱を深めさせた。 アフガンの人々の苦境に同情を禁じ得ない。
by mahounofuefuki
| 2007-08-31 11:30
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