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在宅勤務制度への期待と不安

 帝人が4月より社員の在宅勤務制度を導入するという。以下、共同通信(2008/03/22 16:43)より。
(前略) 仕事と家庭の調和(ワークライフバランス)の実現を目指し、女性が出産後も働き続けられ、男性も育児や介護がしやすい環境を整えるのが狙い。少子化で新規採用が難しくなっていることから、電機、自動車業界などで同制度を採り入れ、化学・繊維業界にも導入が広がってきた。
 在宅勤務制度は、持ち株会社の帝人のほか、合成繊維を手掛ける帝人ファイバー、医薬品事業の帝人ファーマなど国内グループ会社8社が導入する。条件は配偶者も働いていて小学6年生以下の子どもがいるか、妊娠中、介護を必要とする人を抱える社員で、自宅で仕事ができること。
 「少子化で新規採用が難しい」のなら既卒の非正規労働者を正規採用しろというツッコミは別として、企業が社員の育児や介護に配慮するのは良い傾向である。今後、高齢化がますます拡大し、老いた親の介護という問題が現役世代にのしかかる。一方、一昨日の当ブログでも指摘したように、出産率は女性の労働環境(出産・育児のための休業保障など)や男性の家事時間と密接に関係している。在宅勤務制度は労働と家庭生活を両立するための1つの処方箋として評価できる。

 ただし問題もある。在宅勤務では労働時間の制約がない。24時間いつでも仕事ができる。労働時間の裁量が広がれば、労働者は自由に好きな時間で働けるように錯覚しがちだが、出勤・退勤が定まらないということは、仕事量が多い場合、際限なく労働時間が拡大する可能性が高い。
 すでにIT化で職場以外でも仕事が可能になった結果、終業後も自宅に仕事を持ち帰るのが当たり前になってしまったという現実がある。「残業」という概念を消滅させるホワイトカラー・エグゼンプションと同様の危険性があり、労働時間の無限増大化に悪用される不安が拭えない。

 在宅勤務制度には期待と不安が交錯する。今後どう展開するのか長所と短所を見極める必要があるだろう。

【関連記事】
広がる「結婚・出産格差」~「21世紀成年者縦断調査」を読む
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by mahounofuefuki | 2008-03-23 13:03

志位和夫の「SGJ」の会議録がまだ出ていない件

 2月8日の衆院予算委員会で共産党の志位和夫委員長が行った派遣労働の待遇差別に関する質問は、ほとんどのマスメディアが黙殺したにもかかわらず、ネット言論で日常の政治的立場を超えて大きな話題となり、その気迫のこもった追及は「SGJ(スーパー・グッジョブ)」と絶賛された。
 その質疑の録画映像は「ユーチューブ」の日本共産党のチャンネルで今も観ることができるが、50分以上と長く、活字化された議事録が欲しいところである。

 ところが、衆議院のホームページで予算委の会議録を調べてみると、今日の時点で2月29日分までが掲載されているのに、この2月8日の会議録だけが未だに掲載されていない(要約速報版の「委員会ニュース」は出ている)。官報にも記載されていないようなので、会議録の原本がまだ完成していないと考えられる。
 国会法や衆議院規則では会議録の作成について何日以内というような時限を定めていない。個人的に国会関係者に問い合わせたところによれば、会議録の字句確定について議長(今回の場合は衆議院議長)ないし委員長(同じく予算委員長)の許可を要する場合があるという。この日の委員会での発言のどれかが今も確定していないのである。

 2月8日の予算委の議題は新年度予算案の審議で、質問者はすべて野党議員である。志位氏のほか、民主党の渡部恒三、長妻昭、原口一博、武正公一、笹木竜三、社民党の阿部知子、国民新党の亀井久興の各氏が質問に立っている。どの質問あるいは答弁の文言が確定していないのか私にはわからないが、よりにもよって歴史的とも言える志位氏の名質問の会議録の完成・公表が遅延しているのは残念である。
 私は根拠のない陰謀論を好まないが、何となく一般の人々の目から志位氏の名質問をできるだけ隠蔽しようとする政治力学が働いているのではないかと疑いたくなる。右傾色を好みがちなネット言論で共産党が絶賛を受けることなど稀であるだけに、危機感をもった資本サイドの「見えざる手」の介入を想定してしまう。

 現時点では情報不足なので、これ以上の言及を避けるが、今だに志位氏の「SGJ」の会議録が出ていないという事実は念頭に置いておいて欲しい。


《追記 2008/04/12》

 今日現在、いまだ会議録は出ていない。衆議院事務局に問い合わせても「未定」の一点張り。これはいよいよ怪しくなってきた。

【関連リンク】
YouTube - 2/8 派遣法改正し"労働者保護法"に 志位委員長が質問/衆院予算委員会(全編)
衆議院
衆議院規則
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by mahounofuefuki | 2008-03-22 18:26

広がる「結婚・出産格差」~「21世紀成年者縦断調査」を読む

 厚生労働省が「第5回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)」の概要を発表した。
 この調査は「男女の結婚、出産、就業等の実態及び意識の経年変化の状況を継続的に観察する」ために、2002年10月末時点で20~34歳だった全国の男女を対象に、2002年以降毎年継続して行っているもので、同一の標本による動態調査なので信頼性が高い。「氷河期世代」の結婚・出産事情を究明する上で最も基本的なデータであり、少子化問題を考えるには欠かせない重要な調査と言えよう。

 調査の詳細は厚生労働省のホームページの当該資料(下記関連リンク参照)を参照されたいが、この調査結果から私が注目するのは次の4点である。

男性では正規雇用と非正規雇用の、あるいは中間層と貧困層の「結婚格差」が著しい。
 2002年の第1回調査時点で独身だった男性のうち、その後4年間で結婚した人の割合は、正規雇用では18.0%、非正規雇用では9.1%と2倍近く離れている。非正規雇用では家族生活を維持するだけの経済力がないために、正規雇用に比べて結婚がより困難になっていることを実証したと言えよう。
 また、2004年の第3回調査時点で独身だった男性のうち、その後2年間で結婚した人を所得階級別に見ると、年間所得500万円までは所得が高くなるほど結婚した人の割合も高い。これも低所得者の結婚が難しくなっていることを示している。一方で、年間所得500万円以上では300~500万円の層よりも結婚した人の割合が微減しているのは、富裕層の男性においては自発的な「独身貴族」が増えていることを示唆している。

女性の「結婚退職」が依然として多い。
 2005年の第4回調査から翌年の第5回(今回)調査までの1年間に結婚した有業の(仕事をもっている)女性のうち、31.7%が離職している。特に非正規雇用では37.7%にのぼる。3人に1人近くの割合で女性は「結婚退職」している
 また、第4回調査で「結婚を考えている相手や家族が退職することを望んだり、あるいは、会社に働き続けにくい雰囲気がある」と回答した女性のうち、実際に結婚を機に離職した人は55.9%にのぼる。依然として夫が妻の就労を嫌ったり、企業が既婚女性の雇用に消極的な場合が少なくないことを示唆している。

妻の就労と子どもの出産には全く関係性がない。むしろ女性の労働環境や家庭環境が出産に影響している。
 第4回調査までに結婚した女性のうち、第1回調査から第4回調査までの4年間に子どもを出産した人の割合は、正規雇用が37.3%、非正規雇用が19.3%、無職(専業主婦)が38.6%で、正規雇用の女性と専業主婦の女性とでは出産の有無の割合にほとんど差がない。女性が仕事に出て家庭にいないから少子化が進むという俗論がよく言われるが、それが全く根拠のない妄説であることを改めて実証したと言える。むしろ、正規雇用と非正規雇用の間に大きな差があることが問題であり、非正規雇用の女性が正規雇用の女性に比べて、出産や育児のために休業できにくいことが影響していると思われる。
 また、夫の休日における家事・育児時間と子どもの出産の割合が比例しているのも興味深い。4年間で子どもが出生した割合は、夫の家事・育児時間がゼロの場合が25.7%、1日8時間以上の場合が40.3%と相当な開きがある。この点でも性別役割分業がもはや少子化の解決に何ら役立たないことを証明している。

貧困層ほど子どもの出生率が高い。
 今回の調査である意味最も衝撃的な数字はこれで、夫婦の年間所得額が低いほど子どもの出生率が高い。今回調査までの3年間で第1子が出生した夫婦の割合は、夫婦の年間合計所得額が100万円未満で57.1%、100~200万円未満で52.9%、200~300万円未満で44.8%で、年間合計所得600万円までは所得が低いほど出生率が高い。
 ①と合わせて考えると、貧困層は結婚するのがそもそも難しいが、少数の結婚した夫婦もいわゆる「できちゃった婚」が多いと推定しうる。しかし、第2子の出生率も年間合計所得100~200万円未満の層が突出して多く、別の要因もあると考えざるを得ない。かつて高度成長前は貧困家庭ほど子どもが多い傾向があり、現在でも貧しい国ではそうした状況が存在するが、日本でも再び貧困カップルの「子沢山」が進行している可能性がある。さらなる調査と検討が必要だろう。

 以上の点から、この国では「結婚格差」「出産格差」が確実に拡大・進行していることが明らかになったと言える。男女とも正規・非正規雇用間の差別がそのまま結婚や出産の「格差」につながっている。非正規雇用問題は少子化問題としても考慮しなければなるまい。非正規雇用の正規化はこの点でも急務である。

 また「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業が「結婚格差」「出産格差」を促進していることも明らかだ。この意識と事実がある限り、女性を養えない男性はいつまでも結婚できず、仕事をしたい女性も結婚しにくい。結婚できても子どもを産むことはもっと難しい。「女性の社会進出が少子化を招いた」という俗説を打ち消すためにも、女性正社員と専業主婦の出産率はほぼ同じという事実を周知する必要があるだろう。

 一方で、貧困層の一部に「貧乏の子沢山」が進行している可能性があるのも問題だ。かつて自民党のある国会議員が、貧乏人は結婚もできず子どもも作れないので貧困は再生産されないと放言したことがあったが、貧困の再生産は現実に起きている。言うまでもないことだが、少子化問題を真に解決する気があるのならば、「貧乏人は子どもを産むな」ではなく、貧乏人を貧乏でなくする施策を行わねばならない。

 *本稿は少子化が問題であるという前提で立論したが、私が考える「少子化問題」とは、世間一般における「人口の減少は国家の衰退を招く」「少子化が進めば社会保障が崩壊する」という意味の国家戦略的問題ではなく、「結婚したいのに結婚できない」「子どもを産みたいのに産めない」といった「結婚する権利」「出産する権利」の侵害問題である。単なる人口問題ならば、移民の受け入れを増やし、公民権を持った住民として迎えれば、すぐにでも解決する。権利が十分に保障された結果(自発的にシングルライフや子どものいない生活を選び取った結果)としての「少子化」ならば問題だと考えていない。

【関連記事】
山田昌弘『少子社会日本』(岩波書店、2007年)- mahounofuefukiのメモ

【関連リンク】
厚生労働省:第5回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)結果の概要
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by mahounofuefuki | 2008-03-21 20:18

「自分の職場に橋下のような上司が来たら嫌だ」が正解

 大阪府の橋下徹知事が府庁の朝礼で職員批判を行ったところ、30歳の女性職員が猛反論したことが話題になっている。
 知事は朝令を「僕は9時からやりたいと言ったが『(準備で)9時より前に働くと超過勤務になります』と(言われた)。普通は始業の20~30分前に来て準備してから仕事するんじゃないですか?」「きょうの幹部会で『始業から終業まで私語、たばこ休憩は一切なし』と言おうと思ってる。吸った時間は減額ですよ」と放言したという(スポーツ報知 2008/03/14 06:01)。

 この放言に対して職員は「みんなどれだけサービス残業してると思いますか」と反論し、職員いじめを続ける知事を批判したわけだが、やはりというか「世間」は橋下の味方で彼女はバッシングに遭っているようだ。
 橋下信者はそんなにタダ働きが好きなのだろうか。私語も休憩もない奴隷労働がそんなに好きなのだろうか。公務員の労働待遇が下がれば、今度は「公務員でさえ努力している」という口実で民間の労働待遇もどんどん引き下げられることがわからないのか。労働条件を悪化させようとする者を支持するのは自分の首を絞める行為だとなぜ気づかないのか?
 自分の職場に橋下のような上司が来たらどうなるか想像してみて欲しい。誰もが「あんな上司嫌だ」と思うはずだ。

 もう1点。橋下がヒステリックにキレると喝采を送るのに、橋下を批判する者がキレるとバッシングするのはどう考えても矛盾だ。府議会でも論理性も誠実さも全くないバカ丸出しの答弁を続けているが、いまだにこの国の大衆の多くはああいう粗暴な輩を好む。粗暴な犯罪者を嫌うのに、粗暴なタレントを好む。自分の首を絞めるのはよほど自尊心がないのか。
 まあこう言っても信者は最後まで橋下についていくのだろう。「バカは死なないと治らない」は真理かも。


《追記》

 J-CASTニュース(2008/03/14 19:16)によると、この問題で府庁に女性職員を非難する意見が400件も寄せられたらしい。
 「民間ならサービス残業なんて当たり前や」という意見は、権利に無自覚な奴隷根性丸出しである。自分が経営者と闘う勇気も労基署に訴える勇気もないのを公務員を攻撃することで憂さ晴らしするのは、人間として恥ずべき愚行だ。「サービス残業」=残業代不払いはれっきとした労基法違反だということがわからないのか。「世間では殺人なんて当たり前だ」と言っているのと同じだ。
 橋下の腰巾着J-CASTらしく、記事には「橋下知事を『あんた』呼ばわり」というタイトルを付しているが、女性職員は「あんた」とは一言も言っていない。「あなた」と言っている。「あなた」=「貴方」は敬語である。この呼び名のどこが問題なのか。
 メディアの偏向報道に断固抗議する。
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by mahounofuefuki | 2008-03-14 11:23

「正社員のイス」をめぐって

 現在の日本の雇用における最大の問題は、非正規雇用の拡大であることはもはや言うまでもない。昨日の夜のNHKニュースはトップで総務省の「労働力調査」の結果を伝えたが、それによれば昨年の非正規労働者の数は前年より55万人も増え、過去最高の1730万人余りに上り、全労働者に占める割合も33.5%にもなっている。3人に1人が不安定な有期雇用や中間搾取のある間接雇用なのである。

 今回の「労働力調査」については、Internet Zone::WordPressでBlog生活 非正規労働者が3分の1を超えるがわかりやすく紹介しているので、そちらに譲りたいが、特に男性非正規労働者の55%が年収200万円未満というのは、もはや非常事態である。労働者の「生きる権利」という観点のみならず、日本社会の持続可能性や国内市場の活性化といった観点からも現状を座視することはできない。

 一方で今日は、大手企業の次年度の採用計画に関するニュースも伝えられている。たとえばトヨタ自動車は新卒・中途採用計3629人を採用するという。4年連続で採用人員が3000人を超え、好調な業績を反映している(共同通信2008/03/10 18:24)。また、日立製作所は新卒・中途採用計1450人で、こちらも5年連続の採用増で、1400人台の採用は15年ぶりだという(毎日新聞2008/03/10 18:04)。
 長期不況を脱した数年前から新卒の就職市場は「売り手市場」が続いているが、今後も「団塊の世代」の退職増加により、しばらくはこうした状況が続くのだろう。

 この2つのニュースを見比べた時、我々「氷河期世代」の不遇が改めて浮き彫りになる。
 いくら景気が回復しようが、採用が増えようが、企業の採用は新卒中心である。今も企業は非正規労働の経験を全く評価しない。故に新卒で正規雇用にありつけなければ、ほとんどは生涯非正規雇用に甘んじなければならない状況にある。この「不遇」は決して「運命」でも「災難」でもなく、政府の政策と財界の人為的な行動によってもたらされたものである。

 こうした状況を是正するためという口実で、最近財界やその御用文化人が「優秀な非正社員を正社員にするには、今いる無能な正社員を解雇しないとイスが空かない」という論理で正社員の解雇自由化への世論誘導を始めている。日本経済新聞や週刊ダイヤモンドなどの財界の腰巾着たちが「新しい雇用ルール」などと言って解雇規制の緩和を主張している。
 ダイヤモンド社論説委員の辻広雅文氏が解雇自由化を唱えていることは以前紹介した(下記関連記事を参照)。これに続いて国際基督教大学教授で経済財政諮問会議のメンバーでもある八代尚宏氏が、やはり「同一労働・同一賃金」を口実に同様の主張を行っている(八代尚宏、堂々と解雇規制緩和を求める。-花・髪切と思考の浮遊空間参照)。

 新卒当時に「運とチャンス」に恵まれなかったと考える「氷河期世代」の非正規労働者の中には、正社員のイスの数が決まっている以上、今いる正社員がイスをどかない限り、自分が這い上がる機会がないと考え、正社員の解雇自由化を支持する人も多いだろう。あるいは、そんな問題以前に、自分たちを「差別のまなざし」で見つめる彼らが「没落」することを単純に願う人も少なくないだろう。その気持ちはよくわかる。
 しかし、現実の企業は「正社員のイス」を減らすことしか考えていない。解雇自由化の実現までは、あたかも非正規労働者のために正社員のクビを切るというポーズをとるが、いざ実現したら正社員のクビを切っても、非正社員を正社員に登用することはない。たとえあっても能力主義と成果主義で徹底的に競わせ、過酷なサバイバルに勝ち残った者だけにしか「恩賞」を与えない。しかも、仮に正社員になれても、解雇が自由化されているのだから、今度は自分がいつでもクビを切られるのである。

 解雇規制緩和の真の目的は労働法制の完全解体である。
 すでに昨年、就業規則を労働契約とする労働契約法が成立した。財界はこれを足掛かりに、労働基準法を事実上解体し、あらゆる労働条件を公的な規制なしに、労使間の契約だけで決めてしまえるよう目論んでいる。
 国の規制によらず労使間の話し合いで「雇用ルール」を決めるというのは、一見民主的なように見えるかもしれないが、実際は労使が対等になることは絶対にありえない。特に労働組合が弱い(というよりもはや存在しないに等しい)日本では必ず企業側の一方的な強制になる。何の法的規制もなければ企業が24時間労働を命じることも、タダ働きを強制することも合法化される。

 現在でも労働法制はほとんど守られず、長時間労働や残業代の不払いや偽装管理職が後を絶たないのに、その法制さえなくなってしまえば、企業はいつでもどこでも労働者を好きなだけ働かせることができ、いつでも解雇でき、過労で病気になろうが死のうが企業の責任は問われない。まさにやりたい放題であり、労働者は正規・非正規にかかわらず本当の「奴隷」となるだろう。
 正社員の解雇自由化は、「奴隷」が「市民」になれるどころか、「市民」の「奴隷」化を招き、「貴族」たちを喜ばせるだけの方策であることを肝に銘じるべきだろう。

 結局のところ、残された道は「正社員のイス」を増やすよう要求することしかない。財界や御用メディアは必ず「右肩上がりの経済成長の時代は終わったので、全員を正社員にすることはできない」と言うが、実際は少なくとも大企業は史上最高の収益を上げていることが明らかになっている。昨年発表された2006事務年度の法人申告所得は57兆円と過去最高を記録している。株主や役員が独占している「ぼろ儲け」を吐き出せばいくらでも「正社員のイス」を増やせるのである。
 正規雇用を増やす余裕が本当にない中小企業の場合は、公的な支援が必要だろう。国に中小企業への支援を強化させなければならない。

 なお「正社員と同じ労働内容の非正社員」は企業の決断があれば正社員にできるが、そうでない「日雇い派遣」のような「高齢の未熟練労働者」については「金持ち増税で公務員を増やし、ワーキングプアを年齢にかかわらず優先的に採用する」くらいの革命的な施策が必要だと考えている。企業だけでなく政府が非正規雇用の正規化に本腰を上げない限り、問題は決して解決することはないだろう。

【関連記事】
法人申告所得過去最高でも消費税上げますか?
「非正社員が正社員になりたかったら、正社員の解雇自由化に賛成しろ」という悪魔の囁き
再度答える。「正社員の解雇自由化」は社会の崩壊を招く。
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by mahounofuefuki | 2008-03-10 22:44

労働運動の未来

 以前、東京新聞「ハケンの反撃」を読んでというエントリで、私は「資本主義初期の工場法制定前の奴隷労働同然になっている現状を変革するエネルギー」は、個人加盟型ユニオンのような「新しい労働運動からしか生まれないだろう」と書いたが、改めてそれを確信するニュースがあった。
 まず、中日新聞(2008/03/07 08:24)より。
 トヨタ自動車の工場で作業中に急死した内野健一さん=当時(30)=の過労死をめぐり、名古屋地裁で過労死認定を勝ち取った健一さんの妻博子さん(38)に対し、豊田労働基準監督署は6日、QC(品質管理)サークルなどの活動を業務と認めて遺族補償年金と葬祭料を支払う決定をした。同労基署側は地裁判決の後、QC活動を残業と認めずに支給額を算出するとしていたが、「(業務と認めた)判決を尊重した」と姿勢を一転させた。遺族年金の支給額は、健一さんが死亡する直前3カ月(2001年11月-02年1月)の平均賃金を基準にして算出される。(後略)
 当ブログでも裁判所の判決を無視する労基署~トヨタ過労死というエントリを上梓し、名古屋地裁が過労による労災を認定する判決を下し、国が控訴せず判決が確定したにもかかわらず、豊田労基署がトヨタに恐れをなしてか判決に反して残業時間を過少に算出し、遺族補償金を出し渋っていたことを紹介したが、ようやく判決に従ったわけである。
 このトヨタ過労死問題の過程で、トヨタ自動車の御用労組は何一つせず、経営側の言いなりに死んだかつての同僚を見捨てた。中心となって闘ったのは全トヨタ労働組合(ATU)のような新しい雇用形態横断型のユニオンだった。今回トヨタの腰巾着である豊田労基署を動かしたのは、まさに「新しい労働運動」だったと言ってよい。同時に、既成のメディアが覆い隠すトヨタへの憤懣の声がインターネットで溢れかえっていたことも影響しただろう。もはや労使協調型労組に未来がないことははっきりしている。

 もう1つ、奇しくも同じ豊田労基署関連のニュースがある。共同通信(2008/03/07 06:41)より。
 豊田労働基準監督署(愛知県豊田市)は6日、日本マクドナルドの元店長で愛知県内の50代の男性が脳梗塞などで倒れたのは、長時間の残業など過重な労働が原因だったとして、労災を認定した。
 同労基署は勤務記録などから月80時間以上の残業が続いていたと認めた。
 支援する日本マクドナルドユニオンなどによると、男性は1982年に入社。豊田市でマクドナルドの店長として勤務していた2004年11月に大動脈瘤と脳梗塞を発症した。
 男性は昨年1月、豊田労基署に労災を申請。脳梗塞発症前の残業時間について、マクドナルド側は1カ月当たり55時間から67時間前後と主張。これに対し男性は「2店舗の店長を兼務していた時期もあり、月百時間以上だった」と訴えていた。
 マクドナルドと言えば、1月に直営店の店長が偽装管理職による残業代不払いの不当性を訴え、東京地裁が原告勝訴判決を下した(マクドナルド残業代不払い訴訟で勝訴判決参照)。マクドナルド側が控訴したためまだ係争中だが、今回労基署が残業時間の算定において会社側の主張を退けたのは東京地裁判決が影響していると考えられる。
 企業が残業を行わせる時にはできるだけ合法に偽装しようとする。マクドナルドの場合もタイムカードを改竄せざるを得ないように仕向けるような労務管理を行っている。労働行政においてはそうした会社側のやり口を断罪する姿勢が必要である。
 ここでも日本マクドナルドユニオンが闘いを支えた。マクドナルドのような正社員比率が低く、長年労組が存在しなかったような企業では、ますますユニオンの拡大が望まれる。日本の労働運動は今、大きな岐路に立たされていることは明らかだ。

 成果というにはあまりにも小さな動きだし、過労死した人が生き返るわけでも、病気がよくなるわけでもない。しかし、現在の労働環境がもはや「泣き寝入り」することもできないほど追いつめられている以上、こうして局地的でも闘うほかないことをこれらの事例は示している。私は改めて日本の労働運動の未来をユニオンに託したい

【関連リンク】
全トヨタ労働組合(ATU)
日本マクドナルドユニオン
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by mahounofuefuki | 2008-03-07 12:39

ロフトの雇用改革について

 生活雑貨大手のロフトが、今月16日より無期雇用を希望するパート・契約社員全員を正社員とすることが報道されている。
 要点をまとめると、①現在パート社員2650人いるがそのうち2350人が正社員を希望している。②正社員・契約社員・パートの区分を廃止し、代わって「基幹社員」「リーダー」「フロント」の新区分を設け、いずれも無期雇用を希望する人を正社員とする。③新制度では非「基幹社員」からも幹部・専門職を登用する。④パートの時給は3段階だったが、「フロント」は8段階に細分化し、時給の上限と下限を引き上げる。⑤労働時間は「フロント」が週20~40時間、「基幹社員」「リーダー」が週32~40時間から選択可能とする、といったところである(朝日新聞2008/03/02 10:37、読売新聞2008/03/02 19:57、日刊スポーツ2008/03/03 12:34)。

 現在の非正規雇用の最大の問題は何と言っても細切れの有期雇用による生活の不安定であり、職種に関わらず無期雇用とすることは大いに評価してよい。また「パートタイム正社員」を容認したことも大きい。現在一般的な「フルタイムの正社員」か「パートタイムの非正社員」かの二者択一では、何らかの事情でフルタイムでは働けない人は決して正規雇用にはありつけない。過労の正社員と不安定な非正社員の二極化が進む現状に一石を投じていると言えよう。
 職能ランクを細分化し、給与の差を広げるという能力主義を強化している面もあるし、どれほどパート社員が基幹社員に登用されるのか未知数だが、現状では大きな前進と言ってよいだろう。「生活給」の時代が終焉してしまった現在、「職務給」を前提とした制度としては、今回のロフトの新制度はベターだと思う。

 もう1点、このニュースで注目しなければならないのは、パート従業員の8割以上が正社員になることを希望している点である。多くの経営者や新自由主義者は非正社員が好きで非正社員をやっていると喧伝しているが、実際は正社員になりたいのに、仕方なく有期雇用に甘んじているのである。最近の「ハケンの反撃」もそうだが、有期雇用から無期雇用へ、間接雇用から直接雇用へという流れを何としても推進したい。
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by mahounofuefuki | 2008-03-03 22:22

ハローワークさらに削減へ~公務員減らしは行政サービスを悪化させるだけ

 この国では行政不信があまりにも深いため、「役所は小さければ小さいほどよい」という信仰が今も幅を利かせている。何かというと「民営化」「公務員削減」で、右も左も「行政改革」というと無条件で喜ぶ。昨年の独立行政法人「改革」の際も真っ向から反対した人が何人いたか。民営化=効率が上がるという「神話」が成立しないことは、すでに郵政民営化で学習済みである。
 「行革」の現実を如実に示すニュースがある。以下、日本経済新聞(2008/02/26 07:00)より(太字強調は引用者による)。
 厚生労働省は公共職業安定所(ハローワーク)を2008年度中に26カ所廃止する方針を決めた。廃止の内訳は安定所が8カ所、より規模の小さい出張所と分室が合わせて18カ所。また、16カ所を安定所から出張所に格下げする。ハローワークの数とともに職員の定員も減らし、人件費の削減につなげる。(後略)
 全国にハローワークは600か所以上あったが、小泉・安倍時代の2005-07年度に32か所が廃止された。そして「生活者重視」を掲げる福田政権になっても職安切り捨て路線を続けることが明らかになったのである。まさに看板に偽りありである。

 インターネットで求人を検索できるようになったため、職安の規模は縮小するべきであるという見方があるが、職安の仕事は職業紹介だけではない。企業側への行政指導や雇用保険業務や労働者からの相談に応じる仕事もある。「貧困と格差」が拡大し、有期雇用が増える中で、ハローワークの役割はかつてよりも重要になっている。
 ハローワークの削減は何より弱い立場にある人々のことを全く考慮していない。たとえば雇用保険による失業給付を受ける手続きを行うには、必ず職安へ足を運ばねばならない。削減されるエリアの失業者は今までよりも遠方の職安まで行かなければなくなる。交通費が支給されるわけでもないのに、とんだ理不尽な仕打ちだ。

 「行政の無駄を省く」という美名のもとで実際に進行しているのは、行政サービスの悪化である。主権者は行政のコスト削減を要求するのではなく、コストに見合った行政サービスの充実を要求するのが筋である。いいかげん公務員が少ないほどよいという「行革神話」から目を覚ましてほしい。

【関連リンク】
ハローワークインターネットサービス
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by mahounofuefuki | 2008-02-27 13:18

再度答える。「正社員の解雇自由化」は社会の崩壊を招く。

 経済系出版社ダイヤモンド社の論説委員である辻広雅文氏が、正社員と非正社員の待遇差別を縮小するためには正社員の解雇自由化が必要だという珍説を公表したことに対し、当ブログは2月5日付エントリで全面批判を行った(「非正社員が正社員になりたかったら、正社員の解雇自由化に賛成しろ」という悪魔の囁き参照)が、その辻広氏がまたしても2月20付のコラムで持論を展開していた。
 再度問う。正社員のクビを切れる改革は本当にタブーなのか?|辻広雅文 プリズム+one|ダイヤモンド・オンライン

 辻広氏によれば前の記事には「轟々たる批判、非難が寄せられた」そうで(当り前だ!)、まずはそれらを整理し再反論を試みているのだが、いずれもトンチンカンで全く答えになっていない。
 第1に正社員と非正社員が入れ替わるだけでは、労働待遇の不均等自体は解消されないという批判に対しては、「労働市場の流動化を促し、人材の適材適所、最適配分が進み」「再挑戦の機会も多くなり、希望を失わない」としているが、これは再挑戦の機会があれば差別はあってもよいという意味である。
 しかし、再挑戦の機会があろうがなかろうが、差別を受けること自体が「希望」を失わせていることが問題なのであって、彼には差別そのものを問題にする意識は全くない。だいたいほとんどの企業が非正社員としての職務経験を全く評価していないという事実をどう考えているのか。仮に辻広氏の言う通りの方法を実施しても、中高年の非正社員を正社員にする企業などまずないだろう。

 第2に正社員の待遇を引き下げるのではなく、非正社員の待遇を引き上げることで均等待遇を実現すべきであるという批判に対しては、「企業に弱者救済の圧力をかけ続けたら、経営者はコスト増を恐れて、海外に拠点を移してしまいかねない」と新自由主義者お得意の主張を行い、「改革の矢は、非正社員を実態的に搾取している既得権者の正社員に向かわざるを得ない」と再び正社員=既得権益という構図を示す。
 まず「海外移転恐怖症」についてだが、なぜか「海外に移転する」ことのコストを度外視している。タダで海外に移動できるわけではない。単に個人の富豪が税金対策で海外に移住するのとはわけが違う。企業が拠点を定める時に考慮するのは労働コストばかりではない。日本の企業が全く日本に拠点を置かないということは考えにくく、「海外移転恐怖症」は根拠のない脅しにすぎない。
 次に、これは前のエントリの主張の繰り返しになるが、正社員は搾取者でも既得権者でもない。「非正社員を実態的に搾取」しているのは経営者と投資家であって、正社員ではない。その証拠にこの10数年、非正社員が増加しているが正社員の所得も減り続けている。もし正社員が非正社員を搾取しているのならば、正社員の所得が増えていなければおかしい。問題は労働分配率の低下にあり、そこでは正社員も非正社員も強欲な資本家に搾取されているのである。

 第3に実際に正社員の解雇自由化を実施したら、結局は非正社員が増えるだけだという批判に対しては、「労働法制を自由化したままメンテナンスをしなかった80年代、90年代の米国では、経営者が足元の業績を重視し、近視眼的なレイオフが頻発する一方で、いっこうに生産性が上がらないという二重苦に見舞われた」と批判を認めるものの、「米国でも反省を生かして、新しい労働ルール作りが始まっている」と強弁する。
 言葉は悪いが「こいつは正真正銘のバカ」と思ったのは、この部分である。アメリカの悲惨な労働環境は80年代、90年代の昔話ではなく、現在進行形の問題である。近年アメリカの労働問題を告発する良書が何冊も出ているが、この男は全く読んでいないのだろうか。労働法制の「自由化」の結果は長時間労働、無償残業、低賃金、潜在的失業の増大であり、過労やストレスによる病気や自殺、貧困に起因する犯罪、競争の激化による相互扶助機能の低下など社会の崩壊を招く
 社会が崩壊してでも経済成長を追い求めるというのが新自由主義であった(特に堀江貴文氏はそれを自覚していた)。しかし、それが結局失敗に終わったことはもはや周知の通りである。社会が崩壊しては経済成長などあり得ないのだ。太田弘子経済財政担当大臣が「もはや日本経済は一流ではない」と言ったが、その原因は新自由主義的政策のせいである。今は社会の持続可能性の回復こそ必要であり、労働法制の弱体化はそれに逆行することは言うまでもない。

 辻広氏の再反論の「前置き」部分に対する再々反論だけでずいぶん紙幅を使ってしまった。彼は前述の第3の問題を受けて、国家による労働法制を解体し、労使間の話し合いで新たな雇用ルールをつくるべきだと主張しているのだが、その問題は私が現在注視している労働者派遣法改正問題とも深く関係するので、日を改めて詳述したい。権力関係にある使用者と労働者が公的規制なしに対等の話し合いなどできるはずもなく、辻広氏の主張は「夢物語」にすぎないということだけは指摘しておく。

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東京新聞「ハケンの反撃」を読んで
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by mahounofuefuki | 2008-02-24 16:41

東京新聞「ハケンの反撃」を読んで

 マスメディアが社会問題を報じる際、たいてい「こんなひどいことが起きている」「表向きはそうだけど実際はこうだ」という実態の暴露と告発に終始しがちで、もちろんそれは十分に意義があるのだが、取り上げる問題があまりにも深刻だと、個々人の力ではどうにもできないという無力感や絶望感を深める役割を担ってしまうことも少なくない。
 それを打破するためには、問題を実際に解決した実例や解決する希望が見出せる道筋を提示するしかないが、その点で東京新聞が2月10、11、14、17日(日付は電子版による)の4回にわたって連載した「ハケンの反撃」は、その名の通り派遣労働者の「反撃」の「勝利」の実例を紹介し、希望を与える好企画だった。
 ハケンの反撃<1> 広がる連帯の輪 武器はユニオン(東京新聞2008/02/10)
 ハケンの反撃<2> 『手口をあばく』 もう だまされない(東京新聞2008/02/11)
 ハケンの反撃<3> “サイバー連帯”進化(東京新聞2008/02/14)
 ハケンの反撃<4> 勤務記録で対抗(東京新聞2008/02/17)
 昨年来「貧困」「格差」「ワーキングプア」の実態は広く報道され、問題の存在自体は社会の共通認識になった以上、これから必要なのはどうすれば問題解決の糸口をつかめるか模索することであり、マスメディアにはこうした報道をどんどん続けてほしい。

 「ハケンの反撃」が伝える「希望」は労働運動の「新しいカタチ」である。旧来の正社員中心で労使協調型の企業内労働組合ではこぼれおちてしまう非正規労働者による連帯の動きが始まっている。

 昨年、人材派遣大手フルキャストの個人加盟労組フルキャストユニオンが不当な給与ピンハネ分の全額返還を勝ち取ったことで、他の派遣会社でも返還を求める団体交渉や労基への申し立てが広がっている。グッドウィルやエムクルーの動きについては以前当ブログでも紹介した。日雇い派遣に限らず、個人加盟型のユニオンは急速に増えており、全国ユニオンによれば現在約3300団体あるという。
 記事が紹介したマイワークのユニオンの委員長は50代の元自営業者で、「派遣=若者」という世間一般のイメージとは異なり、派遣労働者には「構造改革」で失業した元正社員や倒産・廃業した元自営業者も少なくないことを示すと同時に、社会経験を積んだ「人生のベテラン」の役割が労働運動においても必要であることを示唆している。

 こうした動きに「格差社会」の「共同正犯」(by佐高信氏)である連合も重い腰を上げて、昨秋「非正規労働センター」を立ち上げ、今春闘では非正規労働の待遇改善、特にパート労働者の賃上げを要求している。「正社員中心の壁を越えていこうという連合の自己改革宣言」が単なる掛け声倒れにならないようにしてほしい。

 「ハケンの反撃」はインターネットを通した「サイバー連帯」の可能性も伝えている。とにかく現代は「団結」や「連帯」を敬遠する意識が強く(そういう私も個別の問題に絞らない連帯を嫌う傾向がある)、それ以上に表立って労組になど加入して会社側から攻撃を受けることを何よりも恐れており、労働運動の敷居は高い。ここではサイバーユニオンの草分け「ジャパンユニオン」が紹介されているが、「匿名性や双方向性というサイバーの特徴で、労組加入の垣根が低くなっている」というのは注目すべきだろう。
 また私も最近アンテナに加えた労組専門動画投稿サイト「ユニオンチューブ」は、実際の団交の様子や労働関係のイベントの映像を全世界から見ることができる。特に団交は労組の最大の見せ場であるにもかかわらず、マスメディアが報道することはまずないので、その記録は貴重だ。それぞれの職場で孤立している労働者に労組へ加入するメリットを伝えていくことが必要だろう。

 「希望は、連帯。」というにはまだまだ前途多難であるが、この10年余りで労働基本権は極限まで失墜し、資本主義初期の工場法制定前の奴隷労働同然になっている現状を変革するエネルギーは、これら新しい労働運動からしか生まれないだろう。

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【関連リンク】(「ハケンの反撃」に登場した団体など)
My work Union 【マイワーク ユニオン】
フルキャストユニオン HP
フェアワーク つながるネット
全国ユニオン
ガテン系連帯-派遣・請負者の為のNPO-
GU-NET -労働組合 東京ユニオン
インターネット労働組合ジャパンユニオン
労働相談センター・スタッフ日記
NPO法人労働相談センター
首都圏青年ユニオン
UnionTube
NPO POSSE
NPO法人・職場の権利教育ネットワーク
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by mahounofuefuki | 2008-02-18 21:02