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薬害C型肝炎

薬害C型肝炎訴訟の原告団が、全面解決を求めて、厚生労働省前で座り込みの抗議行動をしている。
原告団は今年3月にも、和解を拒否した厚労省に抗議して座り込みを行い、要望書を政府に受け取らせた。6月には首相官邸前で示威行動を行い、当時の塩崎内閣官房長官との会談も行われた。
しかし、政府の姿勢は全く変わらず、依然として具体的な救済措置を行わないため、今回の再行動となった。

薬害C型肝炎は、出産時の止血剤として用いられた血液製剤に、C型肝炎ウィルスが混入していたため引き起こされた病気である。
医療行為によって知らずに感染させられた患者の苦衷は察して余りある。
2002年以降、東京・大阪・福岡・名古屋・仙台各地裁で、相次いで被害者が血液製剤を製造した製薬会社と、認可した国を提訴した。仙台地裁を除く4裁判所は、いずれも国と製薬会社の責任を認め、賠償を命ずる判決を下した。

先の内閣改造で、鳴り物入りで入閣した舛添要一厚労大臣は、今やマスメディアの力で大衆の人気も高いが、果たしてどう出るか。
彼が薬害HIV訴訟の時の菅直人氏や、ハンセン病訴訟の時の坂口力氏のような決断ができるか、舛添氏の「本当の力量」はこの問題で明らかになるだろう。

薬害C型肝炎の詳細については、以下を参照。
薬害肝炎訴訟全国弁護団
血液凝固異常についての私的ページ
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by mahounofuefuki | 2007-09-10 16:25

スキーバス事故と「規制緩和」の罪

2月に起きた大阪・吹田のスキーツアーのバス事故で、運転手に対する1審判決が下された。
懲役2年6か月だが、4年の執行猶予がついた。執行猶予は当然である。

この運転手は、大型免許を取得して日が浅く、その上連日連夜の過重勤務、さらにツアー自体が無理な日程で、居眠り運転をしてしまった。業務上過失致死に問われたのは、法律上やむをえないが、むしろ責任はこの運転手に過労を強いたバス会社にあるだけに、本当にやりきれない。
しかも、死亡したのは、ガイドとして同乗していた彼の16歳の実弟だった。身内を使うことで、コストダウンを図ったのは明白だろう。運転手の心中を察するに、いたたまれない。

バス会社がこんな無理をしたのも、「規制緩和」による値下げ競争が原因だ。
最近のバスツアーは驚くほど安い。利用者は安ければ安いほど良いと錯覚しがちだが、その分安全性が低下しているのだ。そして労働者は過労と低賃金に喘いでいるのである。
事故の真の責任は、業者に競争を強いる政府と、政府に市場原理主義政策を採らせる巨大企業や富裕層と、何の疑いも持たずに安さを求める利用者にある。彼らの無責任でエゴイスティックな姿勢が少年を殺したのだ。
しかも、この事故があった後も、状況はまったく改善されていない。「規制緩和」政策は続き、企業も消費者も反省していない。

検察側、被告側双方とも、判決を受け入れるのか、控訴するのか、今のところ不明だが、この運転手には何としても社会復帰してほしい。社会も彼を受け入れてほしい。
もう2度とこんなことは起きてほしくない。
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by mahounofuefuki | 2007-09-06 20:15

橋下さん、バカはあなたの方です

光市母子殺害事件の被告の弁護士4人が、テレビで彼らへの懲戒請求を煽動した橋下徹弁護士を提訴した件で、橋下氏が反論の記者会見を行った。
なんで、こんな男が弁護士なのか、テレビでもてはやされるのか、そして、今も圧倒的多数の大衆の支持を受けるのか、疑問が増すばかりのお粗末な主張である。

「差し戻し審で新たな証拠が出てくれば、新たな主張をするのは当然のことだと思う」と司法の常識を言いながら、「何ゆえ主張を変更したのか、きちんと被害者なり社会に対して分かるような形で説明しないといけない」と言うのはまったく不可解だ。
被害者はともかく、なぜ社会に対していちいちそんなことを説明しなければならないのだ?
毎日たくさんの訴訟がある。そのすべての事案で新証拠が出るたびに、法廷外で説明しなければならないのか(説明したって誰も聞くまい)。あるいは光市事件は「特別」とでも言うのだろうか。それなら、なぜ光市事件に限り特別扱いするのか、という問題が生じる。
大衆ののぞき見的関心に答えるのが弁護士の仕事ではない。

「被告人のためだけに活動すればいいんだ、という弁護活動は『品位を失うべき非行』に僕は当たると思っている」 被告人に不利益な活動をすることが、「品位のある行動」なのか!?
私にはむしろ橋下氏の方が、テレビタレントとしての「特権」を利用して、大衆を煽動しているという点で、「品位を失うべき非行」を行っているように感じる。

「(弁護士は)免許業であるにもかかわらず国の監督権限を受けない。この言いわけのために『懲戒請求』の制度がある。いわば『弁明の具』だった」 まるで弁護士は国の監督権限を受けるべきとでも言ってるような暴論だ。弁護士でありながら、弁護士の独立を否定するのは、もはや弁護士としての最低の資格すらない。そんなに国家に管理されたいのなら、選ぶ職業を間違っている。検事にでもなればいい。

何より許せないのは、橋下氏が自分で懲戒請求を行わず、いわば「自分の手を汚さず」に大衆を利用したことだ。そんなことが可能なのは、彼が弁護士というよりも、レギュラーをいくつも持つテレビタレントだからであり、その「特権」を最大限使った。極めて卑怯である。

被告の弁護団は、今やマスメディアの偏向報道と、橋下氏のような卑怯者と、それらに乗じる愚劣な大衆によって「公認の敵」に仕立て上げられた。しかし、私は断固、弁護団を支持し、司法の独立を擁護する。
改めて言おう。橋下さん、バカはあなたの方ですよ、と。
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by mahounofuefuki | 2007-09-05 20:55

独力で高利貸に勝訴!

消費者金融から利息上限法の上限を超える利息を違法に払わされた女性が、金融業者12社を提訴し、弁護士なしの独力で全面勝訴し、過払い金を全額取り戻した。
泣き寝入りする人々が多いなかで、この女性の不屈の闘志は、まさにあっぱれ、どんなに称賛してもしすぎることはない。この判例が金融業者に搾取されている人々にとって希望の光となろう。

現代社会の多重債務者への眼差しは冷たい。
「騙されるほうが悪い」という「自己責任」論(殺人で「殺されるほうが悪い」と言っているに等しい)や、「借りなければいい」という当事者の経済的苦境を無視した突き放した見方が多い。そして、金融業者のあの手この手の詐欺まがいの貸金行為には無批判で、彼らの暴力的な取り立てに対して沈黙するばかりだ。
しかも、国選弁護がつく刑事訴訟と異なり、民事訴訟の場合、弁護士に相談するだけでもカネがかかる。ただでさえ借金で苦しんでいるのに、そんなカネは出てこない。この国では、裁判を起こす権利を憲法で保障しているといっても、実態はザル法で、貧乏人が訴訟を起こせないよう仕組まれているのだ。

そんな二重三重の包囲網のなか、独学で法律を学び、独力で提訴し、しかも最後まで諦めず、全被告からカネを取り返した。もちろん取り返せるのは、違法な過払い分だけで、現行法では異常な高金利での貸出そのものを責めることができないのだが。それでも正しい者が負け続けているこの国で、こんな痛快な出来事は本当に久々だ。

痛快に思うと同時に、私も彼女の姿勢に見習わなければ、と思わず襟を正したくなるニュースである。
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by mahounofuefuki | 2007-09-04 20:51

大衆の「狂気」

光市母子殺害事件の被告の弁護士らが、彼らに対する懲戒請求をテレビで扇動したタレント弁護士の橋下徹氏を、弁護活動妨害のかどで提訴した。

殺人事件があまたある中で、この光市母子殺害事件は、異様な展開をたどった。
まず、事件そのものが口にするのもおぞましいものであったこと。
被害者女性の夫が極めて攻撃的で堂々と復讐を宣言したこと(記者会見で、被告を死刑にできなければ自分が殺す、とまで言っていた)。
マスコミが事件を興味本位で偏向した報道をしたこと。
その結果、多くの大衆が被害者の夫に過剰なほど共鳴し、被告の死刑を求める世論が高まったこと。
さらに、大衆の攻撃は被告にとどまらず、被告の弁護団や死刑反対論者にまで及び、ついには新聞社に弁護団への脅迫状が送られる事態になったこと。
このようにまさに「狂気」の連続である。
橋下氏の被告弁護団への中傷もこの文脈でとらえるべき事柄である。

実は私も事件当初は、なんてひどい事件だと憤りを感じていた1人であった。
しかし、マスメディアや大衆世論の過剰なまでの凶暴性に、犯人とされる被告の「狂気」とは別種の「狂気」を感じるようになり、今は被害者の夫にまったく共感できなくなった。
しかも、こともあろうに最高裁判所が、大衆の攻撃に恐れをなしてか、無期懲役の控訴審判決を差し戻してしまった。裁判が報道や世論に左右されることなど、あってはならないのに。

私は一連の群衆心理に、排外主義と同じものを感じる。
つまり、弱そうな「公認の敵」、いくら攻撃しても反撃されることはなく、権力も認めている「敵」を攻撃することで、絶対的優越感を得るという点で、両者は共通するのである。
もし、これが犯人が「少年」でなく、「暴力団員」だったら、ここまで世論は高まっただろうか? メディアは報道しただろうか? 
否である。この国の大衆が「少年犯罪」となると、大人の犯罪以上に激昂するのは、自己より絶対的下位にあるべき「少年」が、自己の存在を脅かしていると感じるからだ。
これは、あえて断言してもよいが、「少年法はいらない」「少年を死刑」にと叫んでる人ほど、街中で未成年が不法行為をしていても注意のひとつもできず、内心で苦々しく思っているだけの臆病者だ。自分の弱さを誤魔化すために、「少年犯罪」をだしに使っているにすぎない。

ましてや弁護士を攻撃するなど、もってのほかだ。
もし、冤罪で逮捕・起訴された時、実際に助けてくれるのは誰か。橋下氏のような権力迎合的な男ではなく、今や大衆の憎悪を一身に浴びる「人権派」弁護士である。自分は逮捕されることがない、などといくら自信をもっていても、無実の罪で検挙される例はあとをたたない。最近、最高検察庁でさえ冤罪防止機能が不十分であると認めていたではないか。

はっきり言ってしまえば、光市事件の被告が死刑になろうと、そうでなかろうと、被害者ではない私たちの生活に影響はまったくない。厳罰にして見せしめにすれば、犯罪はなくなると本気で信じているとすれば、ずいぶんお目出度い話だ。この事件に直接関係のない人間が拘る理由は何もない。

今回の提訴で、橋下氏が何らかのペナルティを受けることを強く望みたい。
それでも、大半の人々の目が覚めることはないだろうが・・・。
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by mahounofuefuki | 2007-09-03 21:06