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不快な小泉の動き

不快なニュースが入ってきた。
以下、朝日新聞(07/10/12/20:05)より一部引用する。
 自民党の小泉元首相が表舞台で動き始めた。6年半ぶりに出身派閥の会合に出席したかと思えば、12日夜には他派閥の合同懇親会にも姿を見せた。来月には東南アジアへの外遊も予定している。安倍前首相の辞任に伴う総裁選で擁立論が再燃した「政局の小泉氏」。活動の再開ぶりが「政界再編への布石」との憶測も呼んでいる。
 12日、小泉氏が顔を出したのは、武部勤・党改革実行本部長のグループ「新しい風」(32人)と二階派「新しい波」(16人)の会合。両グループとも、05年衆院選で大量当選した新人議員を多く抱える。「郵政反対組」で落選した前衆院議員の復党も取りざたされる中、新人議員からは「無節操な復党に小泉氏が黙っているはずがない」との期待感も集める。
 この日の会合で、小泉氏は「人生には上り坂、下り坂。政治は『まさか』がよくある。来年には選挙があるだろう。次の選挙に向け、何らかの形で協力していきたい」と強調した。
今でも小泉純一郎氏の人気は高い。先の参院選でも彼が応援にやって来ると、常に満場の人だかりだった。安倍「逃走」直後にも再登板を乞う動きがあった。巧みな弁舌に衰えはない。「選挙の顔」としては小泉以上の人材はいないだろう。
そして何よりも、参院選の大敗による国会の「ねじれ」状態を受けて、福田政権は今後露骨な市場原理主義路線を取りにくくなるという事情がある。庶民にとって小泉は生活を破壊した「極悪人」だが(ただしそれに気づいていない人も多いが)、富裕層にとっては「神」である。特に株や不動産で莫大な収益を得ている不労高所得者たちにとっては、市場原理主義政策の継続が至上命題であり、自分らを最大限に優遇した小泉に期待している。

次期衆院選までに自民党総裁への返り咲きを目指すのか、あるいは自民・民主両党の市場原理主義者たちを集めて新党を結成するのか、今後の政局次第だが、これ以上貧困と格差を拡大させないためには、絶対に小泉再登場を阻止しなければならない。
イメージだけで小泉に騙されて、生活が苦しいのに選挙では小泉を支持するという矛盾した行動をとる人々の目を覚まさせる必要があるだろう。
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by mahounofuefuki | 2007-10-13 10:23

議会政治再生の試金石

安倍前首相の政権投げ出し以来、休会状態だった臨時国会は今日再開し、福田康夫新首相の所信表明演説が行われた。
第168回国会における福田内閣総理大臣所信表明演説 (首相官邸)
新内閣は前内閣の残務処理政権という性格をもつ以上、目新しい政策があるわけもなく、それを期待するのは無理というものであろう。
相変わらず「改革と安定した成長」を掲げ、格差問題についても「改革の方向性は変えずに、生じた問題には一つ一つきちんと処方箋を講じていく」とまるでわかっていない。先の参院選で主権者はその「改革」にノーを突きつけたのであり、「改革の方向性」を変えることを望んでいる。「改革」をやめない限り、格差問題の解決などありえないことを全く理解していない。

唯一、前内閣と決定的に違うのは日朝関係に対する姿勢である。
前首相が先月の所信表明で「すべての拉致被害者が帰国を果たすまで、鉄の意志で取り組」むと述べていたのに対し、福田首相は「すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現し、『不幸な過去』を清算して日朝国交正常化を図るべく、最大限の努力を行」うと、日朝国交正常化への取り組みを明言した。この点は強硬一点張りで無為無策だった前政権より、はるかに評価できる。

安倍政権は国会で強行採決を繰り返し、議会政治を破壊しつくした。衆参逆転状態の今、すみやかに衆議院を解散し総選挙を行うのが憲政の筋であるが、福田内閣にその意思はない。それならば、今国会では破壊された議会のルールを回復し、議論に時間をかけて、議会政治を再生してほしい。間違っても与野党が談合することなどあってはならない。
今国会は日本の議会政治が再生できるかどうかの試金石になるだろう。
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by mahounofuefuki | 2007-10-01 20:59

福田内閣発足

幕末の1860年、日米修好通商条約批准のため、徳川幕府はアメリカへ使節を送った。
いわゆる「万延元年遣米使節」である。
使節団の面々はアメリカの軍艦に乗艦して渡米したが、幕府はこれにオランダから購入した軍艦「咸臨丸」を随行させ、勝海舟ら日本人に操船させた。史上初の日本人の手による太平洋横断であった。
この咸臨丸に、若き日の福澤諭吉がいた。福澤はアメリカで、まず市民の大歓迎に驚き、次いで初めて見る馬車に驚き、そしてレディファーストの習慣に驚き、まるで「勝手のわからぬ家に」上がったばかりの新婚の「花嫁」のような心境を味わった。
そんな「驚き」の1つに、次のような出来事があった。

ところで私がふと胸に浮かんである人に聞いてみたのは外でない、今ワシントンの子孫はどうなっているかと尋ねたところが、その人の言うに、ワシントンの子孫には女があるはずだ、今どうしているか知らないが、何でも誰かの内室になっている様子だといかにも冷淡な答で、何とも思っておらぬ。これは不思議だ。もちろん私もアメリカは共和国、大統領は4年交代ということは百も承知のことながら、ワシントンの子孫といえば大変な者に違いないと思うたのは、こっちの脳中には、源頼朝、徳川家康というような考えがあって、ソレから割出して聞いたところが、今の通りの答に驚いて、これは不思議と思うたことは今でもよく覚えている。 (福澤諭吉『福翁自伝』岩波文庫、p.117より、一部漢字を仮名に改めた)

初代大統領ワシントンの子孫といえども、特別な社会的地位にいるわけではないという事実は、家柄を重視する封建社会への不満をもっていた福澤にはよほど新鮮に映ったようだ。
周知の通り、福澤は維新後、実力主義・能力主義による「立身出世」を奨励していく。欧米=世襲の否定という捉え方は、その後も長く日本人を縛っていくことになる。

実は、当時の福澤は知るよしもなかったが、第2代大統領ジョン・アダムズの息子ジョン・クインシー・アダムズは第6代大統領になっている。アメリカは独立後の早い時期に父子で大統領という例があったのである。
ちなみに、さらにその息子のチャールズ・アダムズは外交官、そのまた息子のヘンリー・ブルックス・アダムズは高名な歴史学者でハーバード大学の教師になっている。アダムズ家はアメリカ屈指の名門となっていた。
アメリカでは現代でもケネディ家やブッシュ家の例を挙げるまでもなく、家柄が大きくものを言う。
福澤の思いはまったくの「幻想」だったのである。

むしろ近代の日本の方こそ世襲が力をもたなかった。
伊藤博文から寺内正毅までの歴代首相はすべて爵位持ちの華族であったが、いずれも本人の「功績」による受爵で、「親の七光」は1人もいない(西園寺公望は旧公卿の出だが、彼の親は維新後むしろ失脚していた)。
明治憲法下の首相のうち、親も高官であったのは、皇族の東久邇宮稔彦を別とすれば、近衛文麿(父は貴族院議長の近衛篤麿)と東條英機(父は陸軍大将の東條英教)くらいである。
日本国憲法下では、鳩山一郎(父は衆議院議長の鳩山和夫)が例外で、1980年代までは、「家柄」よりも学歴や官歴の方が重要だった。

ところが1990年代になると様相が変わってくる。
その始まりは1991年に首相となった宮澤喜一(父は衆議院議員の宮澤裕)である。
宮澤退陣後、政権は自民党単独から連立へ変貌したが、以後の歴代首相は社会党出身の村山富市を除いて、すべて親も政治家だった「2世」や「3世」の議員である。
そして安倍晋三(祖父は岸信介)に至り、ついに「首相の孫」が首相となった。
さらにその安倍後継を争ったのは、やはり「首相の孫」の麻生太郎(祖父は吉田茂)と「首相の子」の福田康夫(父は福田赳夫)であった。

今日、福田康夫氏が第91代内閣総理大臣に指名された。憲政史上初の父子2代の首相就任である。
以上の経過からすれば、このことが近代日本の「美点」を失わせ、もはや特定の血縁グループからしか首相になれない時代へ向かわせる異常事態であることがわかるだろう。
現代日本は身分社会へと逆戻りしているように思える。

福田氏に対する疑念はそんな出自だけではない。
福田氏は小泉内閣の内閣官房長官在任中、アメリカのベーカー駐日大使(当時)と異常なほど頻繁に会い、アメリカ政府の小泉政権へのメッセンジャー役であった。小泉政権がアメリカ追従であったことは言うまでもない。さらに福田政権ではアメリカ共和党の傀儡政権になる危険性すらあるだろう。

一方、新内閣の陣容は、前政権の教育改悪を主導した山谷えり子氏や、拉致被害者支援にかこつけた右翼グループ言いなりの中山恭子氏ら首相補佐官を留任させ、防衛大臣には「軍事オタク」の石破茂氏を起用するなど、安倍政権と変わらないタカ派ぶりを示している。
また、竹中平蔵氏を継いで市場原理主義政策を推し進める太田弘子経済財政相も再任された。自民党3役には大蔵省出身の均衡財政論者の伊吹文明氏や消費税増税論者の谷垣禎一氏が起用されている。
これでは、歳出削減による社会福祉の切り捨てを続ける一方、消費税増税で庶民の負担を増やし、巨大企業に対する減税は拡大するという、今以上に最悪の財政政策を目指す可能性すらある。

福田政権は今後、年金不安を利用して、年金の財源にするという口実で、消費税増税を打ち出してくるだろう。基礎年金の税負担方式を公約にする民主党との連携の材料となるかもしれない。決して年金不安を煽る情報操作に惑わされないよう、注意しなければならない。
あくまでも、福田内閣は衆院解散までの「選挙管理内閣」でなければならない。
野党はどこまでも解散・総選挙の要求を貫いてほしい。
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by mahounofuefuki | 2007-09-25 22:10

最後の最後まで「坊や」だった

安倍晋三首相が突如辞意を表明した。
先の参院選で主権者の審判が下った以上、選挙後すみやかに内閣総辞職するべきだったのに、民意を無視して政権に居座り続けたあげく、国会を召集しておきながら、所信表明だけやって投げ出しとは、無責任極まりない。
憲政史上、類例のない暴挙であり、国会を軽視しているとしか思えない。
辞任の理由も、民主党の小沢一郎代表に会談を断られたから、と最後まで他人に責任転嫁するという傍若無人ぶりだ。自分の思い通りにならないから辞める、という姿勢は幼稚極まりなく、結局のところ、アベは最後の最後まで「坊や」であった

アベ失脚はもちろん嬉しい。
ただ、アベを突然の辞任に追い込んだ本当の引き金は何なのかを考えると、喜んでばかりもいられない。わずか2日前には国会で、あくまでも政権を継続することを強弁していたのが、なぜ突然辞めることになったのか。
アベは辞意表明の記者会見で、しきりに自衛隊によるインド洋での給油活動延長の必要性を強調していた。アベは数日前には給油の延長に「職を賭す」とまで言っていた。
つまり、アベの頭の中は給油問題でいっぱいだったのである。辞任を決断せざるをえなかったのは、もはや自分では給油継続法案を通すことが難しいと判断したからにほかならない。

しかし、それは自信過剰な「坊や」であるアベの判断ではないだろう。
ここで気になるのは、アメリカのシーファー駐日大使の動きである。
大使は今日午前、首相官邸を訪れ、与謝野馨内閣官房長官に対し、給油問題は「超党派的な問題であって、党派的な争いとならないことを希望」したという(時事通信)。要するにアメリカ政府は、自衛隊の給油継続のためには、与党と民主党の妥協が必要であると考えているのだ。

あえて忖度すれば、アメリカ政府は、アベでは民主党から妥協を引き出すのは難しいと判断したのではないか。もしかすると、昨日から今朝にかけて、アメリカ側からアベに「引導」を渡す何らかの動きがあったのかもしれない
アメリカに「見限られた」結果、アベは茫然自失し、かねてからのストレス(生まれた時からイエスマンに囲まれ甘やかされた「坊や」が、参院選後は自分の思い通りにならなくなったため)が加わって、「逃げ出した」というのが真相だろう。

いずれにせよ、今後、自民党は新総裁を選出し、新内閣が発足することになる。
ここまで政局を混乱させた以上、新内閣はすみやかに衆議院を解散し、主権者の審判を仰ぐべきである。野党は解散を目指して、あらゆる手を打ってほしい。
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by mahounofuefuki | 2007-09-12 15:39

スキャンダル暴露合戦?

参院選大勝のリバウンドか、民主党議員のスキャンダルが相次いで報道されている。
「政治とカネ」で守勢に立たされた自民党が、反撃に出たというところか。

大衆の眼目を集めるのにセックス・スキャンダルほど恰好の材料はない。そのダメージの大きさは、自民党の山崎拓衆院議員で実証済みだ。いわば「脇の甘い」人間を、知名度やイメージだけで擁立した民主党の失態は嗤うしかないが、同時にそんな政治の本質とは関係ない話題に踊らされる人々も滑稽だ。世の中にはもっと重大で、切実な問題が山ほどある。
(そういう私もこうして記事にしているのだから、他人を笑えない。)

この記事でも、横峯良郎議員の問題と姫井由美子議員の問題が並列されているが、よく考えると両者には決定的な違いがある。

横峯氏の場合、「賭けゴルフ」という明白な違法行為が疑われている。これは議員である以前に、社会人として問題であり、はっきりと真相を究明してもらいたい。

一方、姫井氏の場合、「不倫」自体は彼女の夫が告訴でもしない限り、別段公の問題ではない。私は個人的には、「不倫」も「浮気」も全然かまわないと思っている。「不倫」という言葉自体、「姦通」の代替用語であり、「姦通罪」は家父長制時代の過去の遺物だ。近代の「家」制度に縛られて、「不倫」を非難するのは、厳に慎みたい。

何よりも不快なのは、長期的には与野党間の(といっても自民党と民主党だけだが)スキャンダル暴露合戦の様相を呈していることだ。
戦前の政党政治が、政党間の汚職暴露合戦の末に崩壊し、軍部の台頭を許してしまった歴史を忘れてはならない。
あくまで次期国会では、政策で勝負してもらいたいものだ。
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by mahounofuefuki | 2007-08-30 21:32