2008年 11月 24日 ( 1 )

「政治ブログ」雑感

 弊ブログはよく「政治ブログ」と呼ばれるのだが、もともとは気になるニュースについて考えたことを書くという、よくありがちな体裁で始めたもので、当初は別に社会問題や政治問題に限定していなかったし、特にこれという意図もなく続けているので、書いている本人は「政治ブログ」という自覚はない。とはいえ過去のエントリを読み返すと、なるほどこれは「政治ブログ」と言われても仕方ないなと認めざるをえないのも確かで、かと言って今さら方向性を変えることもできず、だらだらと続けているのが実情である。

 実を言うと自分でブログを始めるまでは、他人のブログをあまり読んでいなくて、始めてから必要に応じてアンテナを広げたり、トラックバックのやりとりを繰り返しているうちに、いつのまにか「左派」とか「市民派」とか「リベラル」(「左翼」と「リベラル」は本来相対するので一緒にされるのは変な話だが)とか称される一群の片隅に辿り着いていたのであって、いわば受け身の形で「政治ブログ」界隈に生息していると自分では思っている。その過程で尊敬すべきいくつかの優秀なブログに出会うこともできたが、一方でブログを続けるにつれて、「左派」「リベラル」系ブログシーンに違和感を覚えることも増えてきた。

 その違和感はおおむね3つある。第1は、「小さな政府」「大きな政府」をめぐる認識の相違で、反自民を称しながら新自由主義者ばりの歳出削減政策に与する者が少なくないことである。福祉国家とか社会民主主義を志向しながら財政出動に否定的というのは、ヨーロッパでは考えられない。最近も欧州社会党(PES)が雇用創出のための公共投資増加を提言していたのと対照的である。

 第2は、民主党に対する姿勢である。反自公を標榜するブログの大半が民主党への政権交代を程度の差こそあれ支持しているが、現在の民主党は主に官業切り捨てを中心とする歳出削減による財源捻出という「構造改革」路線を踏襲し、他方で再分配効果を弱める消費税増税を容認、さらに安全保障政策においては集団的自衛権の行使に積極的で、自衛隊の恒久派遣法も自民党以上に推進しているという、決して見過ごすことのできない問題を抱えている。しかも、この1年余りだけでも最低賃金法、労働契約法、公務員制度改革、宇宙基本法など政府案に抵抗すべき課題で自公と歩調を合わせており、事実上「自公民」協力体制になっている。本当にそれでよいのか?という疑問が拭えない。

 第3に、いわゆる陰謀論が浸透していることである。何かと「ユダヤ資本が・・・」とか「フリーメーソンが・・・」とか言い出したり、地球温暖化はデマだとか、9・11は自作自演だとか、疑似科学的思考が相当はびこっている。これらはわかりやすい例でさすがに少数派だろうが、ほかにも例えば「年次改革要望書」をあたかも「黙示録」のように扱っている例は少なくない。確かに「要望書」は問題なのだが、影響力という点ではむしろ日本経団連とかの財界団体が普段出している意見書類の方がよほど重要なのではないかということである。「裏」ばかりに気を取られて「表」の重要物件をスルーするのは、陰謀論的思考への嗜好に起因する。また過度の被害妄想も見受けられる。この問題については、過去の弊ブログでも時に根拠薄弱な推論を提示したことがあるので自己批判を含むが、正直なところちょっと度が過ぎてやしないか?と思うことが多々ある。

 ほかにも私は当事者ではないが「わけわかめ」なことを見ることは多く、実はしばらく前から嫌気がさして、過去にトラックバックをもらった所を含む「政治ブログ」を巡回先から大幅に外し、研究者や専門家、あるいは私とは考えが異なるがきちんとした論を展開しているところをむしろ読むようにしている。今までも独立独歩で書きたいことを遠慮せず書いてきたつもりだが、もう少し党派的言説や「政治ブログ」的言説にとらわれず、マイペースで書きたいと思う。このところブログを連日書くのが肉体的に辛くなっているので(もっと本も読みたいし)、更新頻度もペースダウンして気ままに書こうとも思う。

 なんかまた敵を増やしそうな文章になってしまった・・・。
[PR]
by mahounofuefuki | 2008-11-24 00:06