「社会保障財源なら何でも賛成する」のなら、「金持ち増税」に賛成してよ、尾辻さん。

 小泉内閣が始め、安倍・福田内閣でも継続している、社会保障費自然増分から2200億円を毎年削減する政策について、先の国会でその転換を主張した自民党の尾辻秀久参院議員(元厚生労働大臣)が最近次のように語っているのを読んだ。
(前略) 個人的な意見では、消費税を上げるしかない。消費税15%や20%の国でやっている社会保障のレベルを消費税5%でやれるわけがない。
(中略)
 たばこ増税に関する超党派の議連では、私も代表世話人の1人です。「上げ潮派」の中川秀直さん(衆議院議員)とともに代表世話人なので興味深く見られていますが「黒い猫でも白い猫でもネズミをとる猫はいい猫だ」というのが私のポリシー。つまり社会保障のためのおカネならば、どこから出てきても結構だと。私は、社会保障の財源ならば何でも賛成するという立場です。(後略)  (尾辻秀久、二木立、権丈善一による座談会「医療費抑制政策の撤回は大規模な財源確保から」『週刊東洋経済』2008年8月2日号より、尾辻の発言、太字強調は引用者による)
 「社会保障のためのおカネならば何でも賛成する」ということは法人税でも所得税でもいいよね、尾辻さん。消費税とたばこ税にこだわる必要はないでしょ?

 と思わず揚げ足を取りたくなるが、社会保障削減を徹底的に批判している尾辻氏でさえ、大企業への負担増を「聖域」とする自民党の枠組みから逃れられないという見本のような発言である。ましてやこの座談会では、日本の社会保険料の企業負担が低すぎるという話が出ているにもかかわらず、消費税かたばこ税しかないように刷り込まれているのである。

 しつこいようだが、消費税もたばこ税も税の応能原則(能力に合わせて税を負担する)に反し、再分配効果がない。いまや貧富の差が大きく、税や社会保障の再分配効果が低下しているこの国に必要なのは、これまでさんざん「聖域」として甘やかされていきた大企業と富裕層への負担増である。貧困を拡大する逆進税の増税など少なくとも現時点ではもってのほかである。

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by mahounofuefuki | 2008-08-07 20:31


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