グッドウィル廃業と雇用待遇差別の根深さ

 派遣大手グッドウィルが厚生労働省より事業許可取り消し処分を受けるのが確実になり、ついに廃業に追い込まれた。事業停止処分を受けて以来、急速にシェアを失い、つぶれるのは時間の問題ではあったが、最後の最後まで経営側の身勝手に振り回され、労働者には苦しみしか与えられなかったと言えよう。

 グッドウィルユニオンが次のような声明を出している(太字強調は引用者による)。
(前略) 違法派遣や賃金不払など違法行為を繰り返してきたグッドウィルに対して派遣事業許可取り消し等の厳しい処分が出されるのは当然のことである。
 しかし、1995年以降、違法派遣を繰り返しながら拡大してきたグッドウィルを放置したばかりか、1999年の派遣法改正によりグッドウィルが行う事業を合法化して急成長に拍車をかけた国の責任は極めて大きい。
 もっと早くこのような違法派遣を取り締まっていれば、グッドウィルで働く労働者が数千人、数万人規模まで膨れ上がることはなかったし、許可取り消しによって大量の失業者を生み出すようなこともなかった。
 また、グッドウィルで働く日雇い派遣労働者が日雇い雇用保険に加入していれば、失業しても当面は「あぶれ手当」の受給により当面の生活を凌ぐことができたはずだが、厚生労働省は、グッドウィルが日雇い雇用保険に全く加入させていない状態を承知しながら、それさえも放置した
 許可取り消しまたは廃業により、雇用を失い、生活の道を立たれる労働者の救済が何よりも優先されなければならない。 (後略)
 廃業の直接的影響は言うまでもなく派遣労働者の失業である。しかし、日雇派遣については昨年雇用保険が適用されるように制度改正されたにもかかわらず、会社側が加入していなかったため、何の給付も受けられない。事業停止の時も遡及加入を求める動きがあったが、厚生労働省は何の実効的な対策をとらなかった。セーフティネットが貧弱どころか、皆無なのである。

 ところで、グッドウィルは廃業に際して、正社員もすべて解雇するようだが、その正社員の労組「人材サービスゼネラルユニオン(JSGU)」と上部組織のゼンセン同盟が昨日経営側を非難する会見を開いている(毎日新聞2008/06/25 22:22など)。一方的な退職通知に怒りを顕わにしていたそうだが、正直あまり同情はない。

 なぜならこの御用労組はこれまでさんざん会社側の手先として働き、労働者派遣法改正の骨抜きを民主党に働きかけたのも彼らだからだ(ゼンセン同盟は周知の通り旧民社党→民主党の支持母体である)。我々の世代の一般的な通念である「正社員が非正社員を搾取している」という見方を私はとらないが(あくまでも搾取者は資本家である)、経営側に同調して非正規雇用に対する待遇差別に加担している御用労組を免責することはできない。

 今回の件で改めて正規・非正規雇用間の差別の根深さを再確認した。もはや労働者派遣法を抜本的改正して直接・無期雇用原則を確立する以外に一連の問題の解決はない。厚労省はすでに日雇派遣禁止方針を決めているが、それだけでは全く不十分である(むしろ失業が増大する可能性すらある)。国会は1999年の派遣法全面改悪時、共産党以外の政党が賛成した罪を今償うべきである。秋葉原事件に続いて派遣労働の劣悪さが世上の注目を浴びている今こそ正念場かもしれない。

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労働者派遣法改正問題リンク集

【関連リンク】
グッドウィル許可取り消し・廃業方針に関する声明|グッドウィルユニオン
http://ameblo.jp/goodwillunion/entry-10109914801.html
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by mahounofuefuki | 2008-06-26 00:18


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