中間管理職の逮捕で済む問題ではない

 グッドウィルの二重派遣問題で管理職が逮捕された件。
 昨年来、相次ぐ不正の発覚で現行の派遣労働の無法状態が誰の目にもわかるようになったが、違法行為に対して責任者が刑事上のペナルティを受けたことは大きなメルクマークである。特に二重派遣はいわば二重の「中間搾取」という点で、派遣労働の不正の中でも最もえげつない脱法行為の1つであり、必ず根絶しなければならない。今回の立件が派遣業界に対する圧力として機能することを期待する。

 一方で、今回の件を含め、派遣業界の不正は単に何人かの中間管理職を逮捕すれば済む問題ではない。こう言っては何だが、今回の逮捕者のようなマネージャークラスの社員もまた「会社のために不正を行った」という点である意味犠牲者である。経営サイドからはノルマを課せられ、とにかく業績を上げることを求められる。それをやりすごしたり、不正を拒否すれば管理職といえども(というよりむしろ管理職だからこそ)ただでは済まない。企業組織の中で不正な経営者に抵抗するのは、生命を賭けて生活を捨てない限り困難なのが現状である。
 報道によれば、警視庁はグッドウィル経営陣への訴追も準備しているようだが、トカゲの尻尾切りに終わらず、必ず経営者の責任をはっきりさせなければならない。すでにグッドウィルのオーナーだった折口雅博は経営者の座を退き、アメリカのグリーンカードを取得して事実上亡命しているようだが、「逃げ得」を許してはならない。

 問題は企業だけではない。「中間搾取」を公認する雇用政策を問わなければ、いつまでたっても労働者を食い物にするやり方はなくなることはない。派遣労働者を正規雇用にし、直接雇用・無期雇用の原則を再確立しなければならない。そのための第一歩が労働者派遣法改正である。派遣業界のロビー活動が強化されているのか、野党間の一致すら得られず、今国会の派遣法改正案提出は失敗したようだが、これは喫緊の課題である以上、できるだけ早くやり遂げなければならない。

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by mahounofuefuki | 2008-06-03 19:50


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