私の財政論に誤解があるようなので改めて説明

 5月14日付国に「無駄遣い」を義務付ける宇宙基本法と16日付消費税増税の不当性について、一部で誤解があるようなので改めて説明。

 私の持論は何度も繰り返しているように「歳出削減でも消費税増税でもなく金持ち増税」で、消費税の増税については貧困と所得格差を拡大し、景気を悪化させるので全面反対だが、再分配効果を強化する直接税の増税には賛成している。
 要するに消費税の増税は不合理だが、国家財政の歳出を拡大するために、増税そのものは必要であるという立場で、基本的には「高負担・高福祉」「大きな政府」論者である。「増税か、歳出削減か」と問われたら「増税」と答えるが、庶民への増税ではなく、この20年さんざん甘やかされた富裕層への大増税を行えという意味である。究極のところ敗戦直後にやったような財産税の導入すら考慮すべきだとさえ考えている。そこのところを間違わないように。

 また歳出については、「思いやり予算」を含む軍事費(防衛費)や需要の少ない大型事業への支出のような「本当の無駄遣い」は削減するべきだが、政府が行うべき仕事にかかわる予算はきちんと確保するべきであると考えている。
 よく公務員の無駄を減らせとか、天下り法人を廃止しろとかいう声があるが、そうした発言は要注意である。人件費の削減は人員不足による行政サービスの低下や公務員の非正規化(ワーキングプア化)を招く。天下りにかかるカネなどは「本当の無駄遣い」に比べれば微々たるものにすぎない。「行政に無駄が多い」というプロパガンダが社会保障費削減や、本来行政が責任を持って行うべき業務の民営化に利用されたことを忘れてはならない。

 それから以前某ブログのコメント欄で指摘したことがあるが、特殊法人は大半が小泉政権の「構造改革」で独立行政法人などに移行し、現在残っているのは国民生活金融公庫や中小企業金融公庫などで、これらも今秋には統廃合されてしまう。これらの民営化は郵政民営化と同じで大銀行や外国資本を喜ばせるだけで、庶民や中小企業には何らメリットはない。
 また独立行政法人も、国立病院や公団住宅や奨学金をはじめ、本来は国営できちんとやるべき領域がほとんどである。昨年、よく調べもせずにただ天下りが多いという理由で独法を全部廃止しろと放言した左派系のジャーナリストを批判したことがある。行政のコストという点ではもはや「無駄」などないと思ったほうがよい。
 宇宙基本法案が危険なのは、宇宙開発という極めて軍事色が強く、しかも納税者への見返りが薄い分野への支出増加を義務付けていることで、これは「本当の無駄遣い」なので私は反対しているのである。

 少し前に国家財政に「埋蔵金」があるかどうか論争があったが、前述した軍事費のようなものを除けば、「埋蔵金」と言えるものはないというのが私の立場である。最近は「地方分権」とか「道州制」を口実にさらなる歳出削減路線が進行しつつあるが、主権者の側がただ「増税反対」とか「行政のコストカット」とか言っている限り、これらの策謀を破ることはできない。
 「もう歳出を減らすな、金持ちに増税しろ!」と言うのが唯一の正解である。

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by mahounofuefuki | 2008-05-17 22:41


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