雇用保険の国庫負担全廃へ~社会保障費削減路線を続ける福田内閣

 福田内閣は口先では「生活者重視」とうそぶいているが、実際は後期高齢者医療制度を予定通り実施したことに端的に現れているように、依然として小泉以来の「強きを助け、弱きを挫く」政策を継続している。社会保障費の自然増分を毎年2200億円削減する路線を中止する気配は全くなく、庶民の生活維持のための支出を減らす一方で、さらに消費税増税による貧窮者のジェノサイドを目論んでさえいる。

 額賀福志郎財務大臣が今日の記者会見で、雇用保険の国庫負担を来年度から廃止する意向を表明したが、これは今年の社会保障費削減分を捻出するためで、一昨年から予定されていたことである。2006年の行政改革推進法は第23条で雇用保険の国庫負担について「廃止を含めて検討する」と定め、政府は昨年国庫負担額を55%に引き下げ、1810億円削減した。
 政府は国庫負担を削減する一方で、昨年雇用保険法を改悪し、「自己都合」の離職者の失業給付の受給資格を勤続6か月から1年に伸ばすなど、支出の抑制を図ってきた。そしてついに満を持して2009年度に国庫負担を全廃するというのである。

 政府は失業率が低下したことを国庫負担廃止の理由に挙げているが、今後失業率が再び上昇した時はどうするのか。だいたい雇用保険制度からはじかれた非正規労働者が増大している中で、すべての失業者が給付を受けられるような制度改正が求められているのに、国庫負担の廃止は完全に逆行する。
 派遣会社が雇用保険の適用申請を行っていなかったために、失業給付を受けられない日雇派遣労働者が大勢いる。雇用保険を必要とする人を切り捨てておいて、黒字だの剰余金だのうそぶくのは欺瞞である。これは行政の責任放棄と言わざるをえない。

 政府・与党内からも社会保障費抑制路線に対する不満や批判が出ているにもかかわらず、福田内閣は依然として「小泉が課した宿題」を淡々とこなしている。今年の「骨太の方針」も「構造改革」路線を継続することは間違いない。福田のやっていることは「官製貧困」の拡大である。決して許してはならない。

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社会保障予算 ~歳出削減と制度構築の在り方~ 厚生労働委員会調査室 秋葉大輔*PDF
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/kounyu/20070202/20070202046.pdf
簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 - 法令データ提供システム
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H18/H18HO047.html
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by mahounofuefuki | 2008-05-09 21:03


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