もはや日米地位協定すら守られていない現実

 在日米軍の軍人による相次ぐ刑事事件(フィリピン人女性への暴行事件まで!)により、改めて日米地位協定の問題性が浮き彫りになっているが、この植民地的な日米地位協定すらもはや守られていない現実を突きつけられるニュースがあった。
 以下、毎日新聞(2008/02/20 12:40)より(太字強調は引用者による)。
 在日米軍海兵隊の輸送船「ウエストパック・エクスプレス」(2025トン)が20日午前、北海道釧路市の釧路港に接岸した。29日に矢臼別演習場(別海町など)で始まる日米共同訓練に向けた装備を陸揚げし、数十人の兵員も上陸した。日米地位協定に基づき同市へ事前通告した寄港期限を既に過ぎている上、上陸予定者も通告の「7人」を大幅に上回る「約束違反」の入港となった。

 釧路市港湾空港課によると、米軍は8日、海上保安庁を通じて15~18日と22~25日の間に同港へ2回寄港したいと通告。市は受け入れた。ところが、米軍は15日になって1回目の寄港を18日正午~19日午後4時と変更したが、19日は入港せず、同課は情報収集に追われた。

 20日朝、同課に非公式に同日午前入港と情報が入り、同港西港区第3ふ頭西側岸壁に職員7人を配置した。輸送船は同午前10時半ごろ、入港し、同11時過ぎに接岸した。陸上自衛隊のトラックやバスが待つ中、ジープ型の車やトラックなどの車両十数台が上陸。兵員も徒歩で上陸した。(後略)
 日米地位協定第5条は、アメリカが公の目的で運航する船舶について「日本国の港に入る場合には、通常の状態においては、日本国の当局に適当な通告をしなければならない」と定めており、いつ入港し、何人上陸するか港湾管理者である自治体に事前通告しなければならない。
 ところが、今回海兵隊は釧路入港に際して、事前に通告した19日に入港せず、結局正式通告のないまま翌20日に入港したのである。しかも上陸人員は当初通告では7人のはずが、蓋を開けたら数十人。自治体に対し平然とウソをついていたのである。アメリカ軍がいかに地位協定を軽視しているか、まざまざと見せつけられた事件だ。

 北海道新聞2008/02/21朝刊によれば、釧路港の当該埠頭は当面商船の使用予定がないということだが、もし商船の入港とかち合っていたらどうなっていたか。以前、当ブログでも小樽港で商船の入港予定を変更させてまで、アメリカ海軍の艦船を入港させるよう外務省が小樽市に圧力をかけていたことを伝えたが、地位協定の遵守をアメリカ側に毅然と要求すべき政府がまったく責任を放棄しているために、地方自治体がそのツケを支払わされているのである。

 こうしたことは各地で日常茶飯事であり、特に米軍再編と日米軍事一体化が進むほど、ますます多発するだろう。日本列島そのものがアメリカ軍やりたい放題の「占領地」である実態を直視する必要があるだろう。

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日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)-外務省
ウエストパック.エクスプレスから下船のアメリカ国海兵隊.矢臼別演習場へ|動画投稿・動画共有 FlipClip
釧路港第3埠頭から公道を走るアメリカ海兵隊の車列|動画投稿・動画共有 FlipClip
*2月20日に釧路に上陸した海兵隊の様子を撮影した映像。
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by mahounofuefuki | 2008-02-21 12:35


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