「自爆テロじゃなくてよかった」という渡辺喜美の暴言

 勝浦のマグロ漁船と海自のイージス艦「あたご」が衝突し、漁船が大破のうえ乗員が行方不明になっている事件。
 これを書いている時点ではまだ詳細は不明だが、海上保安部が業務上過失往来危険容疑で強制捜査に踏み切るようで、イージス艦側に非があるようだ。海上衝突予防法を調べてみると「2隻の動力船が互いに進路を横切る場合において衝突するおそれがあるときは、他の動力船を右げん側に見る船は、当該地の動力船の進路を避けなければならない」とあり、産経新聞(2008/02/19 11:59)などによると、今回の場合は横須賀へ北上するイージス艦の方が回避義務のある「避航船」だったという。漁船は左側面の損傷が大きいので位置関係はそれで間違いないだろう。

 自衛隊の艦船はこれまでも何度となく民間船と事故を起こしてきただけに、正直「またか」という思いは否めず、ましてや目視による見張りの怠慢などが報道されており、「凶器」を扱っているという自覚が自衛隊には不足しているとしか思えず、怒り心頭である。
 しかし、私が何よりも激怒したのは、渡辺喜美行革担当大臣の次の発言である。
 素人的に考えると、(漁船が)レーダーに映らなかったのか(と思う)。映らない場合もあるそうだが、万が一これが自爆テロの船ならどうするのか。(時事通信2008/02/19 10:58)
 「自爆テロの船ならどうするのか」という発言は、どう考えても「衝突したのが漁船だからイージス艦の損傷が軽微ですんだが、工作船の自爆攻撃だったら大損害だった」と解釈するしかない。つまりこの男はイージス艦のレーダーが漁船はともかく工作船を捉えられないことを何よりも心配しており、イージス艦さえ無事ならあとはどうでもいいと放言しているのである。

 自衛隊は建前上、住民を守るのが仕事ということになっている。しかし、実際は住民を守るはずのもが住民を傷つける事実に目を閉ざしてはならない。なお野党各党は国会で防衛大臣の責任を追及するようだが、大臣への連絡の遅さやらレーダーの技術的問題やらに論点をすり替えられないように注意してほしい。問題はあくまでもイージス艦が多額の国税をつぎ込むに値するのかという点である。

【関連リンク】
海上衝突予防法-法庫
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by mahounofuefuki | 2008-02-19 21:29


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