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「協同労働の協同組合」法制化の動き

 「協同労働の協同組合」の法制化を目指す超党派の議員連盟が2月20日に発足するという。
 以下、読売新聞(2008/02/10 09:32)より。
 参加者が生活するために必要な利益だけ確保する非営利団体「協同労働の協同組合」の法制化を目指し、20日に超党派の議員連盟が発足することが9日、明らかになった。
 フリーター、働いても収入が少ない「ワーキングプア」、既に退職した高齢者などが働くための受け皿となることを期待して、法的根拠を明確にしようというもので、「脱貧困」対策として、今後の取り組みが注目される。
 協同組合はNPO(非営利組織)法人と民間企業の中間的な位置付けの団体。働く人が出資者と経営者も兼ねる形となっており、一口5万円程度の出資金を出して「組合員」として働く事例が多い。出資額に関係なく組合員は平等な権利を持ち、企業のように「雇用者と被雇用者」という関係が存在しない。生活協同組合(生協)の労働版とも言われる。行政からの補助金など、公的支援に頼らない点も特徴だ。
 全国には「協同労働の協同組合」の理念で活動している人が約3万人おり、事業規模は年300億円程度に上るとされる。事業内容は、介護・福祉サービスや子育て支援、オフィスビルの総合管理など幅広い。企業で正規に雇用されない若者や、退職した高齢者などが集まって、働きやすい職場を自分たちの手で作り、生計を立てられるようにすることが最大の利点で、フリーターなどの新しい働き方として期待されている。
 しかし、協同組合の根拠法がないため、形式的にNPO法人などとして活動している事例が多い。協同組合の法制化が実現すれば、寄付に頼るNPO法人よりも財政基盤が強固となり、参入できる事業の規模や種類が拡大すると見られている。また、地方自治体の行政サービスを民営化する際の委託先などになることも想定されている。(後略)
 この「協同労働の協同組合」については、そういうものがあるということは聞いたことがあるが、詳細はよくわからない。ネットでとりあえず調べたところでは、この議員連盟の発起人会が2月1日に行われており、自民、公明、民主、社民、国民新各党の議員が出席している。共産党がいないのは、この「協同労働の協同組合」の法制化を目指している「協同労働法制化市民会議」の会長が前連合会長の笹森清氏であることと関係しているのだろう(共産党が敬遠しているのか、「市民会議」が共産党を排除しているのかは不明だが)。

 貧困問題の背景として、労働者の人間性を否定する厳しい労働環境があるのは確かで、それだけに「雇用者と被雇用者」という関係がないというのは注目に値すると思う。何であれ「日雇い派遣」のような「貧困ビジネス」に頼る働き方から抜け出す機会が創出されることは良いことだ。
 ただし、「公的支援に頼らない」「行政サービスを民営化する際の委託先などになる」というのが気になる。行政が何もやらないのを免罪したり、民営化の道具になってしまうようでは困る。

 いずれにせよ私はよく知らないので、とりあえず検索にかかった関連サイトをリンクしておく。まだきちんと読んでいないので、この件の論評は保留する。


《追記 2008/02/21》

 「協同労働の協同組合」の法制化を目指す超党派による「協同出資・協同経営で働く協同組合法を考える議員連盟」の発会式が20日国会内で行われた。しんぶん赤旗(2008/02/21)によれば、共産党からも複数の国会議員が出席し、国会の全会派が参加することになったようだ。
 故に本文の「共産党が敬遠しているのか、『市民会議』が共産党を排除しているのかは不明だが」の部分は撤回する。関係者及び読者の皆様におわび申し上げます。

【関連リンク】
協同労働法制化市民会議 オープンフォーラム
協同労働法市民会議だより
日本労働者協同組合連合会
ワーカーズコープ労協センター事業団
NPOワーカーズコープ
協同総合研究所
by mahounofuefuki | 2008-02-10 11:30


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