消費税増税の危機は続く

すでに何度もブログに書いてきたが、政府の消費税増税への動きは本格化している

最近、原油市場の高騰やそれに連動した物価の高騰のためか、政府・与党内の消費税増税の動きは一見鈍化してはいるが、一時的な擬態にすぎない。
税制に最も大きな影響力をもつ自民党税調が、来年度の消費税増税を見送る方針を固めたと伝えられているし(時事通信 2007/11/15 01:01)、福田康夫首相も「中期的に財政健全化が必要なのは理解できるが、消費増税に結論を求めるかは慎重に見極める必要がある」と述べて(朝日新聞 2007/11/13 19:08)、慎重な姿勢を見せてはいるが、あくまでも来年度の増税を見送るというだけの話であり、消費税増税への権力の意思は何ら衰えていない。

政府税調の来年度税制改正答申には、具体的な税率や引き上げ時期こそ明記しないようだが、消費税率引き上げの必要性を盛り込むことがすでに決定している(朝日新聞 2007/11/09 22:03など)。
自民党の伊吹文明幹事長は、14日の日本記者クラブでの記者会見で、段階的な消費税引き上げを表明している(朝日新聞 2007/11/15 06:05)
そして何よりも、企業減税の財源を何としても捻出したい財界が、今すぐにでも消費税を増税したがっており、まったく諦めていないからだ。

今日(11月15日)開かれた財務省と日本経団連の意見交換会で、財界側は執拗に消費税増税を要求している。
以下、ロイター(2007/11/15 13:35)より。*太字は引用者による。
(前略)経団連の大橋光夫・昭和電工会長は、日本の財政状況を考えると税財政の抜本改革が必要だとし「法人税率引き下げも課題だが、それよりも消費税の拡充は不可避だ」との認識を示した。
 これに対し額賀財務相は「社会保障の安定財源として消費税を含む税制の抜本改革に取り組む。ただこうした国家的課題は与野党で十分検討する必要がある。消費税については、こうしたことや政治・経済情勢全般を見て総合的に判断する必要がある」と従来の見解を繰り返すにとどめた。
 また、経団連側が証券優遇税制の継続を求めたのに対し、額賀財務相は「経済状況も踏まえながら、一方で将来の姿などいろいろな議論がされているので、これらを踏まえて年末までに結論を得たい」と述べたという。(後略)
現実には法人税は「引き下げ」ではなく、「引き上げ」こそが課題なのだが、巨大企業の資本家たちはどこ吹く風、法人税減税路線は既定として、政府側に消費税増税を迫ったのである。
額賀福志郎財務大臣は消費税引き上げの必要性を認めた上で、ご丁寧にも「与野党で十分検討する必要がある」と、野党(といっても民主党だけだろうけど)を消費税増税に引き込む意思を示したのである。

財界側は消費税にあきたらず、証券優遇課税の延長をも要求し、財務大臣も考慮を約したというから、まったく虫のいい話である。連中には金持ちたちのエゴしか頭になく、富の配分をさらに株主や経営者に大きく偏らせようとしているのだ。

「社会保障の財源」という美名に絶対だまされてはいけない。一方で政府は年金や生活保護などの給付を減らす策を練っているのだから、矛盾もはなはだしい。
同時に「消費税を引き上げる前に、歳出削減を」という俗論も間違っている。これ以上歳出削減して「小さな政府」にしたら、行政サービスを悪化させるだけだ。
必要なのは所得再配分の回復であり、そのためには不労所得や資産への課税強化と、累進課税の強化こそが必要なのだ。間違っても消費税増税論に賛成してはならない。

企業の政治献金を受ける自民党や民主党がいつでも庶民への増税を強行する危険性を常に念頭に置かねばならない。
この問題は嫌がられても何度でも取り上げる。私はしつこいのだ。

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【関連リンク】
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by mahounofuefuki | 2007-11-15 17:57


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