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関東大震災から84年

9月1日は「防災の日」である。
米軍まで参加した軍事訓練さながらの防災訓練は、戦時動員の予行演習か?との疑問がつきまとうが、それはひとまず置いておく。

「防災の日」の由来は、1923年9月1日の関東大震災である。
10万人前後の人々が死亡し、日本に経済的打撃を与えた未曾有の大災害は、同時に忌まわしい事件を引き起こした。
朝鮮人・中国人虐殺事件である。特に朝鮮人の虐殺犠牲者は約6000人にのぼる。

当時、朝鮮半島は日本の植民地であり、朝鮮人は「日本国民」であったが、差別と蔑視にさらされていた。地震が起きると、警察・地方官庁などの官憲や新聞、そして一般の民衆は、朝鮮人が「蜂起」したとか、「放火」したとか、「井戸に毒をまいた」などの流言を発したり、信じたりし、特に自警団をはじめとする一般住民が、進んで朝鮮人を殺害した。地域によっては、軍隊が(地震翌日の戒厳令により強大な権限があった)加担したことも近年明らかにされている。日常的な差別の裏返しとしての恐怖が、人々を凶行に駆ったのである。

虐殺事件について、日本政府はこの84年間、調査も補償も謝罪も行っていない。
歴史学界も長らく、朝鮮人虐殺事件を、日本人社会運動家が官憲に謀殺された亀戸事件や甘粕事件と並列し、相対化していた。虐殺事件と亀戸・甘粕事件では、まったく次元が異なるという批判は、30年以上も前に、一橋大学教授だった姜徳相さんが名著『関東大震災』(中央公論社、1975年)で行っているにもかかわらず。一般の民衆が手を下した(朝鮮人を「保護」した警察署を住民が襲撃した所さえあった)という事実から目を逸らしていたのである。中国人虐殺に至っては、近年までまったく無視されていた。

この虐殺事件を反省せず、うやむやにしてしまえば、再び似たような事態を引き起こす危険がある。特に近年、排外主義世論が高まっており、韓国・朝鮮人や中国人に対する侮蔑意識は、戦後最高潮に達している。しかも、そうした世論を煽動している人間が、首相や東京都知事になってしまっている。今、外国籍の人々が多い関東や関西で、大規模災害が起きた時、大丈夫と言えるだろうか。

「9月1日」の意味をしっかり吟味し、ヒステリックな行動に走らないよう自省したい。
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by mahounofuefuki | 2007-09-01 22:09


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