キャノンが、宇都宮の事業所の請負労働者を、「期間社員」として直接雇用する方針を発表した。「期間社員」には正社員への登用の道もあるという。
「偽装請負」の内部告発以来、労働者が泣き寝入りせず闘って来た結果、会社側が一定の譲歩をした、ととらえるのは早計だろう。 私には経営側による新たな労働者分断工作に思える。 というのは、この「期間社員」というのは、直接雇用ではあるが、5か月ごとの有期雇用だからだ。しかも、2年11か月までしか契約は伸びない。その間に一部の労働者だけを正社員にしてお茶を濁し、あとは放り投げる算段だろう。 正社員になれる者とそうでない者を分断し、「機会は与えた、あとは能力次第」とうそぶくのは目に見えている。現代企業の金科玉条「能力主義」だが、実際はここで会社に従順な者だけを選び、告発した人や会社に対して戦闘的な人を駆逐しようとするだろう。「見せしめ効果」は抜群、広告収入に依存するマスコミが、2年間もこの問題を追うことはないという自信があるはずだ。 キャノンは請負会社との契約を切るので、請負労働者には選択の余地がない。労働者を追い込んでおいて、さも「恩恵」のように今回の方針を発表したやり方に強い憤りを覚える。
by mahounofuefuki
| 2007-08-29 16:13
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